バヌアツってどんな国
別の企画に参加しようと国際会議場を訪れたとこと、1階の国際交流ラウンジで「バヌアツってどんな国―青年海外協力隊が語る派遣国の魅力―」という企画が開催されていることを知り、ちょっと寄り道をしました。JICAが「いろいろな国のことを知ってほしい」と企画する「○○ってどんな国シリーズ」の1テーマだったようです。
この企画に参加しようと思ったのは、9日のブログで紹介したJICAの取り組みを聞いたばかりで、しかもそのとき「バヌアツ」の名前が出ていたからです。ところが、私もそうでしたが隣の人に聞いても「バヌアツ」がどこにある国かわからず、「カリブ海かな」などと話していたからです。
国際交流ラウンジの奥まった会場は、10人余りが座ると満席となるスペース。事前に電話などによる申し込みが必要だったようですが、椅子を一つ加えていただき、11人目の参加者になることができました。11人のうち、私のような高齢者は、二人だけ。若い女性が半分を占めています。興味をひかれたのは、お母さんと同行した女性が二組もあったことです。最初の自己紹介で分かったことは、この二組、いずれも子どもさんが「海外で何かできないか」と青年海外協力隊に強い興味をいたことです。
話しが始まります。講師は、バヌアツ共和国で2012年から2014年まで約1年9カ月、小学校教員として活動した経験を持つ青山翔さん。現在は、広島女学院大学で教えておられるようです。
バヌアツ共和国をちょっと紹介します。どこに位置する国でしょうか。
面積は、1万2190㎢(新潟県とほぼ同じ大きさ)で、人口は、約29.3万人(2018年,世界銀行)。80余りの島々で構成されています。宗教は、キリスト教。面白いのは使用言語です。共通語としてのビスラム語、そして英語、フランス語が公用語になっています。なぜ、英語、フランス語?多くの島々から成り立っているこの国は、島によってイギリス、フランスと別々の国によって支配されていた歴史を持っているからです。同じ島で二つの国が別々に支配している島もあり、そこでは隣村が対立していた歴史もあったようです。失業率は、70%にも達するようです。一方で1カ月の生活費は、1.5万円。首都のポートビラでのスーパーやレストランの物価は、日本とそれほど変わらないとのこと。
疑問が湧くのは、「それで1.5万円でどうして生活できるの」ということですが、最も大切は食料が、自給自足できるので何とか生活できるようです。雨が多く高温、食物の成長が良く、100%オーガニックの食糧の宝庫だとのこと。食料が豊富なことは良いのですが、ココナッツの落下で毎年2人ぐらいが死亡する事故があるとのこと。これはちょっと困ったものです。
青山さんの話は、島での活動ぶりに移ります。自分が作成した絵本をもとに小学校の生活ぶりを中心に紹介。「自分がいた学校は、1学年30人ぐらい。学校生は、日本とほぼ同じ、小学校、中学校」。ちょっと驚いたのは、「隣の島からは、船で来ますが、泳いでくる子もいるんですよ。お父さんが船を使っていて、無い時ですけどね」との話。
話の節々では、参加者のお母さんたちへJICAの活動も紹介。「単身での派遣です」「現地で不足するものは、JICAに要請し、送ってもらいます」「言葉のことですが、派遣先の言語は、2~3か月訓練を受けます」。青年海外協力隊の活動で同じバヌアツに行ったことのある参加者の一人からもアドバイス。「私は、言語は全然ダメだったのですが、身振り手振りで何とかやってこれましたよ」
あっという間の1時間でしたが、JICAの活動に関心を持っている若い人が多いということと、知らない国が沢山あるなと教えられました。
ところで最後に一つ。バヌアツの位置を聞いた時、私が感じたことは「太平洋戦争中、日本軍との関係はどうなっていたのだろうか」ということです。「すぐ近くのソロモン諸島までは日本軍が進出してきたのですが、バヌアツはアメリカ軍の基地となっており、日本軍が支配することはありませんでした。」
「当時海に沈んだアメリカ軍の艦船を巡る『沈潜ライブ』という観光ツアーもありますよ」
JICAは、16日の日曜日に呉市役所で「呉市国際交流フェスタ」を開催し、3月15日には、広島市内で「全国説明会キャラバンin広島」を開催することにしているようです。また次回の「○○ってどんな国?」シリーズは、3月8日の午後2時から「ガーナ」の紹介があります。
興味のある方はぜひご参加を!
いのちとうとし
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