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2020年1月22日 (水)

四国電力には危険な原発を運転資格はない

 四国電力は20日、「定期点検中の伊方原発3号機での作業中トラブルが発生した」と発表しました。トラブルは、使用済み燃料プール(放射線管理区域内)で、燃料集合体(約680キロ、長さ約4メートル)をクレーンでつり上げて点検用ラックに挿入する際、誤ってラックの枠に接触させたというものです。接触により燃料集合体の落下を知らせる信号が発信されましたが、確認したところ落下しておらず、燃料を収める枠に乗り上げていたということです。そして常套句ともいえる「トラブルで放射性物質が漏れるなどの影響はありません」としています。

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この伊方原発3号機では、1月12日にも核分裂反応を抑える「制御棒」を誤って引き抜くというトラブルを起こしたばかりです。制御棒は、核分裂を抑える役割があり、原子炉を停止する際に挿入される非常に重要なものですが、作業員が気づくまで約7時間引き抜いた状態が続いたようです。重大なトラブルです。

四国電力は、トラブルという言葉を使っていますが、私たちから見れば事故と言ってもよい事態です。

ところで、この二つのトラブルを挟んだ17日には、広島高裁で「伊方原発3号機の運転を差し止める」決定が出されました。その理由は、「①原発600m沖の中央構造線断層帯は、「活断層である可能性が否定できない」にもかかわらず、四国電力の調査は不十分②原発130キロ離れた阿蘇山の噴火による影響評価が四国電力は低すぎる③原子力規制委員会の判断は誤りで不合理」としています。

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この広島高裁の決定は、「原発の安全性に対する判断の基本は、専門家の判断が分かれる場合や判断がつかない場合、原発事故の極めて深刻な事態を想起し、安全性を最大限に求めるべき」という姿勢にあり、その確保が原発稼働の必要条件だとの考えです。すごく当たり前のことです。

福島原発事故を体験した今、どんな小さなリスクも見逃さず、きちんと対処するということは、司法のみならず、電力会社、原子力規制委員会に強く求められることです。

にもかかわらず、四国電力はこうした裁判所の指摘に応えることなく、決定が出された直後に「到底承服できず、速やかに不服申し立ての手続をする」と発表しました。司法の判断を全くないがしろにする姿勢は、許されるものではありません。

絶対に起こしてはならない原発事故を回避するためには意に沿わない意見に対しても真摯に耳を傾ける姿勢が強く求められます。

わずか一週間余りの間に2度もトラブルを起こしてしまう四国電力に対し「原発を運転する資格はない」と言うのは、当然のことではないでしょうか。しかもこの重大な時期に、連続してトラブルが発生させるなど、普通には考えられない事態です。司法の判断を非難し、「再稼働、再稼働」と言う前に、徹底して事故の原因を究明し、再び事故が起きないように企業体質を改めることこそ、四国電力がいま行うべきことです。

いのちとうとし

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