1.27ネバダデー座込み
広島県原水禁は、1984年以来毎年1月27日にアメリカのネバダ核実験場閉鎖を求める「ネバダデー」の座込みを続けてきました。例年慰霊碑前で行っていますが、今年は雨と風が強かったため、場所を資料館下に移し、12時15分から37分まで座込みを行いました。参加者は、雨にもかかわらず68名でした。
ネバダデーを取り組み契機は、後に掲載する「『1.27ネバダ・でー」ヒロシマからのアピール」に書かれていますので、そこを読んでください。ただこの行動を呼びかけた米国・ユタ州シーダー市の「シティズンズ・コール」(ジャネット・ゴードン代表)について触れておきたいと思います。
ユタ州は、核実験場があるネバダ州の東隣の州です。1951年1月27日に初めてネバダ核実験場で核実験が行われ、以後1958年までに公表100回の大気圏内核実験(その後、地下核実験は1992年まで828回実施)が行われています。しかし100回を数える大気圏内核実験ですが、風向きが南東あるいは西に向かっている時は、実験は実施されませんでした。それは、この風向きで 実施すると「死の灰」が、ラスベカスやロサンゼルスなどの多数の住民に影響を与えることを恐れたからです。核実験は、風が北ないし北東方向に吹いている時だけ行われたため、ネバダ州北部やユタ州の住民など実験場の風下に住む人々に上に「死の灰」が降り注いだのです。
こうした中で、1980年にネバダ核実験場の風下地域に住む住民の被害調査と被曝者支援のため結成されたのが「シティズンズ・コール(市民の声)」です。その創始者のひとりであったジャネット・ゴードンさんは、1985年8月に原水禁世界大会に参加するため初来日し、その後も原水禁とは、連携しながら運動を進めてきました、そんな歴史も思い起こしてほしいものです。
昨日の座込みでは、広島県被団協の箕牧理事長代行から次のようなアピールがありました。
「核保有国は現在9か国と言われていまが、世界にはいまだに14,000発あまりの核兵器が存在する。なぜ核兵器を保有しなければならないのか、原爆の惨禍を経験した者からすれば不思議であると同時に怒りを覚える。海外から沢山の方が平和記念資料館を訪れている。どうかヒロシマの実相を語り拡げてほしい。今年は5年に一度のNPT再検討会議が行われる。私も参加予定である。ヒロシマの実相を訴えていきたい。」
そして今もなお、アメリカが行う臨界前核実験もこのネバダ核実験場で行われていることを忘れてはなりません。
「1.27ネバダ・デー」ヒロシマからのアピール
1951年1月27日、 アメリカ・ネバダ核実験場で初めて核実験が行われました。
それから33周年にあたる1984年1月27日、 米国・ユタ州シーダー市の「シティズンズ・コール」(ジャネットゴードン代表)の呼びかけで、全米各地で反核集会が開催されました。 イギリス・カナダ・マーシャル諸島などへも広がり、 広島県原水禁もこの日、核実験全面禁止を求める国際連帯行動として、 原爆慰霊碑前で座り込みを行いました。 その後、この日を「ネバダ・デー・国際共同行動日」として世界で取り組まれるようになり、以降、広島では毎年、 座り込み行動を続けています。
戦後の冷戦体制の終焉とそれに先立つ1987年米ソによる中距離核戦力(INF)全廃条約の締結により核兵器開発に対する一定の制限が行われてきました。
しかし、2019年2月、トランプ大統領によるロシアへの一方的なINF全廃条約破棄通告と8月の失効により、米国、ロシアともに互いを牽制し合い軍拡に繋がるミサイルの実験、開発が行われようとしています。
一方 核兵器の廃絶を求めて2017年7月に国連で採択された「核兵器禁止条約」は、2019年11月末現在で34ヵ国が批准し、発効要件の半数を超えるところまできています。しかし、 日本政府は、アメリカなど核保有国とともに条約に反対し、署名・批准は行わないとしています。「唯一の戦争被爆国」でありながら、米国の「核の傘」のもと、「安全保障政策上を理由」に、この条約交渉に参加しなかったばかりか、署名・批准に後ろ向きの態度をとり続けています。また、トランプ政権は核の抑止力を重要視し、その役割を拡大する「核態勢の見直し(NPR)」を発表し、ネバダ核実験場での臨界前核実験を続けています。
私たちは、改めて唯一の戦争被爆国として、日本政府が直ちに「核兵器禁止条約」に署名・批准することを強く求めます。「あらゆる国のあらゆる核実験に反対」「反核・平和」「脱原発」など、 核と平和の問題を訴え続けてきた私たち被爆地の市民は、 「核と人類は共存できない」という先達の言葉を心に刻み、人類史上初めて原子爆弾の惨禍を被ったヒロシマから全世界に訴えます。
◆ネバダ核実験場を閉鎖させよう!
◆核兵器開発に反対し、例外なき核実験全面禁止を実現させ、核兵器禁止条約を早期に発効させよう!
◆東北アジアの非核地帯化と非核三原則の法制化を実現しよう!
◆世界のヒバクシャと連帯し、ヒバクシャの人権を確立しよう!
◆原発の再稼働、新増設に反対し、核に頼らないエネルギーに転換しよう!
◆ノーモア ヒロシマ! ノーモア ナガサキ! ノーモア ウォー!
2020年1月27日
「1.27ネバダ・デー」市民行動参加者一同
今日のブログの記事は、私は風邪のため参加できませんでしたので、渡辺事務局長の情報をもとに作成しました。
いのちとうとし
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