「子どもたちをよろしく」
先日,映画の試写会に出かけた。「子どもたちをよろしく」と題されたその映画は,元広島県教育委員会教育長の経歴をもつ寺脇研さんと元文部科学事務次官の前川喜平さんの企画により制作されたものです。
この映画に登場する子どもたちは,生きていくこと自体がしんどい生活実態の中にさらされていました。性暴力を含めた家庭内暴力におびえる子ども,ギャンブル依存・アルコール依存の親元で衣食住もままならず,家庭が拠り所にならない子ども,そして,同級生からいじめを受け続ける子ども。経済格差等を背景に,おとなの「しんどさ」が子どもの生活や人間関係に大きな影響を及ぼしている現実がストレートに描かれています。
試写会は,通常営業後の映画館において夜遅い時間から上映されましたので,最終便に間に合うよう途中で席を立たなければなりませんでした。
それぞれの子どもが逃げ場のない苦しみの中で希望を見いだすことができずにいる状況に,重たい気持ちのまま映画館を出ました。駅に向かいながら自分がこれまでに出会った子どもたちのことを思いました。
映画の登場人物のように苦しんでいる子どもがどれだけいたのだろうか。いや,普段すれ違っている子どもたちの中にもいるのかもしれない。おとなの「しんどさ」の背景にある問題を何とかしなければ,何も罪のない子どもに被害が及ぶ。しんどい現状に諦めてしまったら,いったい誰が子どもを救うのか。貧しさから,おとなの暴力から,いじめから・・・。
さて,映画の結末はどうであったのでしょうか。問題の背景にある闇の深さを思うと,簡単に解決への出口が見つかるとも思えません。せめて,この映画を観たおとなたちが「自分がなんとかしなければ…」という思いを共有できれば,と思います。
改めて映画のチラシを読む。「子どもたちをよろしく」と。
私には,「このような厳しい生活を余儀なくされている子どもたちを,なんとか救い出さなくてはならない。それが私たちおとなの仕事だ。」というメッセージに聞こえます。
広島での上映は、4月上旬で計画が進んでいます。
(モリサキ)
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