広島県原水禁、広島県被団協が「旧広島陸軍被服支廠の全面保存」を県に要望
広島県原水禁の佐古正明代表委員、金子哲夫代表委員は、昨日(8日)広島県に対し下記の「『旧広島陸軍被服支廠」の全面保存を求める要望書』を提出しました。
「旧広島陸軍被服支廠」の全面保存を求める要望書
(前略)
私たちは、この貴重な被爆建物「旧広島陸軍被服支廠」は、他の被爆建物である旧日本銀行広島支店、広島文理科大学などとともに、世界遺産である「原爆ドーム」とともに、世界遺産登録されるべき、価値があると考えています。残念ながら、これまでに多くの被爆建物が解体されてしまいましたが、幸いなことにこれら被爆建物は、いずれも公的に保有されていますので、保存は充分に可能なことです。そしてそれは、保有する自治体の役割でもあると考えます。
一度解体された被爆建築物は、再び甦ることはありません。3棟保存は、絶対に必要なことであり、決して失ってはならない、県民共有の財産です。
貴職が、就任以来被爆県の知事として、「世界平和と核兵器廃絶」のために、とりわけ力を入れて取り組んでこられたことを私たちは、よく知っています。
県民の多くが望む「保存」の声を受け止め、貴職の英断をもって「旧広島陸軍被服支廠」の全面保存の方針を決定されるよう強く要望します。
1、広島県が所有する旧広島陸軍被服支廠3棟については、遺産としての価値を過小評価せず、安全対策を講じた上で全面保存すること。あわせて、国が所有する1棟についても保存を働きかけること。
2、建築物の利活用といった狭い視点に留まらず、平和行政の観点から幅広く旧広島陸軍被服支廠の利活用策を早急に検討すること。
3、旧広島陸軍被服支廠は建築学的に極めて高い価値を有しており、その内容、規模を積極的に内外に発信すること。この建物が歩んできた歴史も併せて発信すること。
これに対し広島県は、「現在、決まった話ではない」としながらも「被爆建物としての価値は重要であると認識している。しかし建設されてから107年が経過し、老朽化が進んでいるので、早く安全対策をする責務がある。利活用が十分されてこなかったこともあり、方針を示したということである。」とするとともに「予算を決めていくなかで決定することになる」との従来の考え方をしましました。
その後約1時間近くにわたり率直な意見交換をしましたが、残念ながら私たちが望む回答を得ることはできませんでした。最後に広島県原水禁として「昨年12月に県の方針が明らかになって以降、全棟保存を求める多数の意見が表明されている。県もパブリックコメントを求め、県民の声を聴こうとしている。県民の間で様々な論議が起こっている今、安全対策の重要性は認識するが、拙速に結論を出すのではなく、もう少し時間をかけて方針を決定する」ことを求めて、今回の申し入れを終えました。
なお、広島県被団協箕牧代表代行、前田事務局長が同席され、広島県被団協としての同趣旨の申し入れが行われました。
広島県は、16日までパブリックコメントを受け付けていますので、一人でも多くの人が意見を表明することが求められています。
明日のブログでも、そうした思いの一つを伝えることにしています。
いのちとうとし
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