「時を超えた兄弟の対話」展ビデオ試写会
昨晩午後6時から、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館で来年1月1日から1年間開催される企画展「時を超えた兄弟の対話―ヒロシマを描き続けた四國五郎と死の床で直登の日記」の三面シアターで上映されるビデオ映像の試写会が行われました。
このビデオは、「1945年8月6日、爆心地から約1キロの幟町小学校にあった臨時兵舎で被爆した四國五郎の弟直登が「被爆当日から亡くなるまで」病床で綴った日記に五郎の執筆文を重ね合わせ、あたかも二人が時空を超えて対話しているかのように紹介」したものです(当日配布の資料から)。ビデオの上映時間は、ちょうど30分です。私の能力でその内容を解説することはできませんが、原爆の非人道性を訴える力を強く感ずることができますので、来年1月1日から始まる「企画展」で、自分自身で見て、感じてください。
私がこの試写会に誘われたのは、五郎、直登の声優を務めている木内みどりさんを少し知っていたからです。木内さんの急逝については、11月23日付のブログ「女優木内みどりさんの急逝と陶芸家梅田純一」で紹介していますので、今日は触れませんが、木内さんのとってこの作品は、まさに遺作となりました。ですので、誘いを受けると、一も二もなく出かけることにしました。
上映終了後あいさつに立った四國五郎さんの長男光さんは、次のように語られました。
「見終えて、うれしかったことと悲しかったことが交錯しています。」「うれしかったことは、父は、『私の描く絵は、部屋の中に飾るものではなく、平和のために使ってもらう絵』といっていました。父の願いが生かされる形で使われた。父は天国で喜んでいます。」「悲しいことは、木内さんの急逝です。木内さんは、深い敬愛の念を持ってくれていました。おこりじぞうの語りを100回やるといっていました。残念ながら、12回が最後になりました。家族にとっては頭の下がる思いです。」
最後に「戦争を2度と繰り返すな。これが父の作品に込められている想いです。」と訴えられ、あいさつが終わりました。
四國五郎を「死んだ人々に代わって絵を描こう。戦争反対・核兵器廃絶を、芸術になろうがなるまいが・・・」と決意させ、「これからの人生で方向を見失いかけた時は、これを読み返せ、五郎よ!直登の日記を読め!」と自身の戒めとした「時を超えた二人の対話」を一人でも多くの人に実感してほしいと思いました。
来年1月1日にスタートし、12月29日まで開催されるこの「企画展」にぜひ足を運んでみてください。
いのちとうとし
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