朝鮮半島非核化と核兵器廃絶―浅井基文講演
一昨日報告した「朝鮮統一支持運動第37回全国集会」のつづきです。当日確認された「広島アピール」と浅井基文さんの記念講演について、印象に残ったこと点を中心にもう少し詳しく紹介したいと思います。当然のことですが、紹介する講演内容についての責任は筆者にあります。
浅井さんは、①「朝鮮半島非核化と核兵器廃絶」について「『朝鮮半島非核化』の解決は喫緊性を持っており、それを解決させるための条件が現実に生まれている」ということを考えるべきだと指摘。インド・パキスタン問題とともにある意味で核兵器使用の危機が高いということを認識する必要があることをまず提起。
②「朝鮮半島非核化」については、日本の「常識」を批判しながら「アメリカの敵視政策の結果が朝鮮の核ミサイル開発を推進させているという関係性を正確に認識することが必要」であることを強調。「パワーポリティックスではなくマネーポリティックス」へと政策を転換させているトランプ大統領との関係の中で前進させることが可能。大統領選の再選戦略として考えている年末までが大きなカギとなる。年末までのという認識は、共和国も同様に考えている。
③「アメリカの政治と朝鮮半島非核化/核兵器廃絶」については、トランプ政治の功・罪を指摘しつつ「共和党・民主党を問わない核固執政策」だと指摘し、今のチャンスを逃してはならない。
④「私たちの課題」として①を再確認するとともに「朝鮮半島で起る核戦争は確実に日本を壊滅させ、『核の冬』が世界を覆うこと」「『朝鮮が攻めてきたらどうする?』がいかに無意味で愚かなことか」をきちんと把握すること、そしてイージスアショア配備問題・「核の傘」問題をとりあげながら「安倍政権の朝鮮敵視政策を改めること」が私たちの至上最優先課題であると指摘。そして「21世紀の特徴的要素はすべての核兵器廃絶を要求する」ことを強調し、最後に「憲法第9条は、脱パワーポリティックスの思想に立脚した運動」だとし、その展開を求めて講演が終わりました。
少し私なりに頭の整理ができた気がします。
広島アピール
私たちは、朝鮮統一支持運動全国集会を被爆地・広島で37回目にして初めて開催しました。私たちが目指すのは、朝鮮半島を初めとした東アジアの非核・平和地帯化であり、過去清算に基づく日朝国交正常化です。
朝鮮半島の完全非核化を実現するためには、朝米両首脳が結んだ6.12共同声明を同時並行的に履行することが不可欠です。しかし、朝鮮側が核実験の中止や核実験場の廃棄など、朝鮮半島を非核化し平和を構築するための具体的措置をすでに実施しているのに対し、米国側は何も実行していません。それどころか、昨年は中止した米韓合同軍事演習を強行するなどして、対話の機運まで壊しています。
トランプ政権は、今こそ平和協定の締結につながる朝鮮戦争終戦宣言の採択や各脅威を及ぼさないとの宣言の発表など共同声明の前文にもある「朝鮮に安全保障を提供する」立場を明確に示し、それを実行に移すべきです。
日朝関係は、日韓関係以上に冷え込み悪化しています。その原因が、過去の清算を拒み続けている安倍政権にあることは誰の目にも明らかです。一人蚊帳の外に置かれた安倍首相は「今度は私自身が金正恩委員長と無条件で会う」と言っていますが、決して無条件とはなりません。朝鮮に対する過酷な制裁措置を取り続けているからです。私たちは、安倍政権が早期に制裁措置を解除して、日朝平壌宣言を基本として国交正常化交渉に臨むよう強く訴えます。
強硬な制裁措置は、在日朝鮮人社会にも深刻な被害を及ぼしています。とりわけ、これまで朝鮮学校に通う高校生、中学生、小学生の教育権を剥奪するという人権侵害を犯してきましたが、10月1日からの幼保無償化にあたり、朝鮮幼稚園を除外して幼い子どもたちまで制裁するという暴挙に及んでいます。こうした安倍政権の暴挙を私たちは絶対に許しません。
11月2日、東京都内で開かれた全国集会で、朝鮮側主催者としてあいさつした南昇祐・朝鮮総連中央本部副議長は「植民地支配の犠牲者である在日同胞を優遇し保護すべきなのに幼い子どもたちにまで民族排他と差別の刃を向ける、このような卑劣な政権が他にあるでしょうか」と厳しく糾弾しました。また、日本側主催者としてあいさつした藤本泰成・平和フォーラム共同代表は「過去の歴史を真摯にみるならば、この問題は、日本社会の問題、日本人自身の問題として捉え返さなければなりません」と訴えかけました。
私たちは、幼保無償化を初めとして、在日朝鮮人の人権保障を実現するために闘います。それこそが日朝友好の輪を国内に広げる道です。日朝友好運動、日朝国交正常化運動に果敢に取り組んでいる全国各地の友人のみなさん、ともに手をつなぎ闘いましょう。
いのちとうとし
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