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2019年11月16日 (土)

「原爆症裁判」控訴審が結審

 心筋梗塞などが発症した被爆者が、原爆症の認定申請却下処分の取り消しを求める訴訟の広島高裁における控訴審が、今月12日に結審しました。判決期日は追って知らせるということで今のところ未定ですが、裁判長からは約半年後ぐらいという発言がありました。

今回の公判では、結審ということで原告弁護団の佐々木弁護団長が意見陳述を行いました。この意見陳述では、原爆症認定集団訴訟が始まった経緯から一審判決の不当性が訴えられました。意見陳述書のコピーが手元にありますので、それを読みながら原爆症裁判の歴史を振り返ってみたいと思います。

原告27人による広島地裁での第1陣の原爆症認定集団訴訟が始まったのは、16年前の2003年6月です。その後、原告は増え、最終的には41人となりました。広島では、この訴訟を幅広支援するため「原爆症の認定を求める集団訴訟を支援する県民会議」(略称「原爆症を支援する会」)が、発足しました。

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当時、広島県原水禁代表委員だった宮崎安男さんが先頭で頑張っていたことを思い出します。2006年8月4日、原告41人に判決が言い渡され、全員が勝訴判決を受けました。その後も全国で勝訴判決が続くなか、2007年8月5日、安倍首相は被爆者との懇談の場で、厚生労働省に対し「原爆症認定基準の見直し」を指示し、翌年4月1日から「新しい審査の基準」が実施されました。そして2009年8月6日広島で、被爆者と麻生太郎首相の「原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に関わる確認書」の署名式が行われました。これを受け、官房長官談話が発表されました。少し長いのですが、この官房長官談話の全文を掲載します。


原爆症認定を巡る集団訴訟の解決に向けて日本被団協・原告団・弁護団と基本方針について、一致を見ました。

原爆症認定をめぐる集団訴訟では、本年8月3日の熊本地裁裁判を含め、19度にわたって、国の原爆症認定行政について厳しい司法判断が示されたことについて、国としてこれを厳格に受け止め、この間、裁判が長期化し、被爆者の高齢化、病気の深刻化などによる被爆者の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみや、集団訴訟に込められた原告の皆さんの心情に思いを致し、これを陳謝いたします。この視点を踏まえ、この度、集団訴訟の早期解決を図るものとしたのであります。

政府としては、これまで拡大してきた原爆症認定基準に基づき、現在、待っておられる被爆者の方々が一人でも多く迅速に認定されるよう努力するとともに、唯一の被爆国として、原爆の惨禍が再び繰り返されることがないよう、核兵器の廃絶に向けて主導的役割を果たし、恒久平和の実現を世界に訴えていく決意を表明します。


 実に素晴らしい官房長官談話です。しかし、残念ながら根本的な解決にはなりませんでした。その後も「新しい審査の基準」での審査においても認定却下が続き、各地で再び訴訟が提起されることになり、今も続いています。厚生労働省のかたくなな態度が見えてきます。控訴審判決において、原審が破棄され、被害者の側に立ち認定却下が取り消すという判決が強く期待されます。

ところでこの官房長官談話では、「核兵器廃絶に向けて主導的役割を果たし」と政府の「核兵器廃絶への決意」が表明されています。しかし、「核兵器禁止条約」に背を向ける安倍政権には、その片鱗すら見ることができません。

「原爆症認定集団訴訟」の取り組みの先頭で頑張っていた宮崎安男さんは、残念ながら2009年の合意を知ることはありませんでした。私は、宮崎さんがもし今生きておればどんな行動をとっただろうかと思いながら、「原爆症裁判」の傍聴を続けています。

いのちとうとし

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