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2019年11月14日 (木)

許してくれる人は被害者だけ

2019年になって5人の韓国の日本軍「慰安婦」被害者が亡くなられました。8月現在、韓国の被害者の中で韓国政府に名乗った人は20人が生存しています。オランダの被害者ジャン・ラフ・オハーンさんも8月に亡くなられました。

Photo_20191113142001

【故ジャン・ラフ・オハーン。日本の侵攻直前1942年5月ジャワ島バンドンにて撮影。Wikipediaより】

戦争の中でも、日常生活の中でも、被害について許すことができる人は被害者のみです。

ワルシャワ出身のラビであるアブラハム・ジョシュア・ヘッセル(Abraham Joshua Heschel)の一話があります。

彼が、家に帰るために乗った汽車の客室で起きたことです。客室では先に乗っていた人たちがカードゲームをしていて、ラビも一緒にカードゲームを誘われたけれども、ラビは「カードゲームを一度もやったことがない」と丁寧に断りました。すると、その中の一人がラビの胸ぐらをつかんで客室から追い出しました。追い出されたラビは廊下に立ち尽くしたまま目的地に着きました。

皆がプラットホームに降りると、困惑する光景に出会いました。汽車から降りたラビを見た多くの人々が、喜びながら握手を求めていました。その時、自分が暴力を振るった隣席の乗客が尊敬されるラビであることを知った彼は、すぐに自分のやったことを許してくれとお願いしまたが、ラビは彼を許しませんでした。

その日の夜、彼はラビの家を訪ねて300ルーブルの金を差し出しながら再び許しを求めました。ラビは「それはできません」と答えました。ラビの頑強な態度を人々は不思議に思いました。あれほど高邁な人格の持ち主がどうして許しを拒んだのでしょうか?

ラビの長男が彼を許してくれないかと言った時、ラビはこう答えました。「私は、彼を許したくても許せない。汽車の中で、彼は私が誰だか分からなかった。だから彼は私ではなく、ある名前を知らない人に罪を犯したわけだ。だから私ではなく、その名もない人を訪ねて許しを請うのが正しい。」

 

許すことは、被害者にしかできません。旧日本軍=日本政府が犯した戦争犯罪を許してくれる人は戦争被害者のみです。日本軍性奴隷制について、許すことができる時間もほんの僅かしか残っていません。被害者が皆亡くなってしまうと、許してもらいたい時がきても許してもらえません、永遠に!許されないまま、その戦争犯罪は記録されます。悲しいことです。

(李昇勲)

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