「叫ぶ芸術」ポスター展に行ってきました
先月30日のこのブログで紹介した「『叫ぶ芸術』ポスター展」に行ってきました。今回の会場は、おりづるタワービル10階にある「エソール広島」。「このビルは、入り口が自動ロックになっているので、「1001」を呼んであけてもらってから入ってください」と教えられていたのですが、ちょうど昼休み休憩の時間で出かける人があり、入り口が空いていましたので、そのままエレベーターで10階へと移動しました。
10階でエレベーターを降りるとすぐ目の前が「エソール広島」の事務所。中に入るとすぐにポスターが目に入ります。展示されているポスターは、16枚ほど。きちんと数えていませんでしたが、後で主催者の人に聞くと、この前の会期の会場(袋町の「ひと・まちプラザ」)より狭いため、半数の展示になってしまったとのことでした。
ポスターの横には、1枚づつ三井マリ子さんの少し長めの解説がついています。この解説があったため、私にも「ポスターが訴えている意味」を理解することができました。いずれも興味あるポスターでしたが、その中でも「えっ」と思わされたのが、下のポスターです。
タイトルは「新ドル札の顔となる19世紀のモーゼ」(アメリカ)です。解説を読むと「アメリカ・メリーランド生まれの奴隷ハリエット・タブマンは、1849年、奴隷制のないフィラディルフィアへの逃亡に成功した。」と、「その後家族や親族縁者60人余りを逃亡させた」さらに「南部の州では『奴隷逃亡法』が制定される中で、脱出させた奴隷は11年間に300人以上といわれ、ハリエットは、『モーゼ』と呼ばれるようになった」と記載されています。私が興味を持ったのはその後です。「今年(筆者注:2016年のこと)4月、ハリエット・タブマンが新20ドル札の顔に選ばれたニュースが世界に流れた。」とあります。その後の解説には「アフリカ系アメリカ人が紙幣の顔をなるのは初」とあり、面白いのは、「女性参政権獲得100年」となる2020年を記念して新20ドル紙幣の顔に「女性を採用せよ」と女性たちが大運動を起こした実現させたとのことです。そしてさらにすごいのは、それを受けアメリカ財務省が60万人以上のアンケートの結果、ハリエット・ダブマンサンを選んだということです。公平ですね。今「首相の桜を見る会」への後援会招待をめぐって論争が起きている国とは大きく違うようです。
もう一つのびっくりは、この文章を読む限り、アメリカ紙幣に女性の顔が登場するのは初めてのようです。日本で紙幣に女性が採用されたのは、これまでに2件あります。明治時代に神功皇后の肖像が使われたことがあるようですが、これはとりあえず置くとして、戦後には2004年11月に発行された5000円札に樋口一葉が使われています。紙幣に関する限り女性の登用は、日本が早かったようです。ところでこの5000円札、2024年には新紙幣が発行される予定ですが、今度も女性の津田梅子の肖像が使われることになっています。
他のポスターについても興味ある解説があります。17日までの会期になっていますので、ぜひ一度行ってみてください。
ただ、広島県男女参画財団という公的性格を持つ「エソール広島」がちょっと入りにくい環境にあるのは、驚きでした。フロアーには、100名ちょっとの集会場もありますが、このセキュリティーではなかなか利用しづらいなと感じました。
いのちとうとし
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