重慶の日
昨日、重慶の日実行委員会が主催する「重慶の日」の行事が、広島市留学生会館(東区荒神町)で開催されました。今年で19回目ということだそうですが、私は初めて参加しました。会場では、重慶市や中国を紹介するパネルの展示、中国切り絵のコーナー、中国茶の体験などの様々な企画が準備されていました。
私が会場に到着した時には、ステージで日中友好協会広島支部のみなさんによる太極拳が披露されていました。
その後、重慶市がある中国四川省に伝わる伝統演劇・川劇「変面」が、同コンテストで一等賞を獲得したことのある「変面」継承者の江玉(こう ぎょく)さんによって演じられました。この「変面」の技は、男性のみに継承されていたそうですが、2000年代に入り、女性にも許されるようになったそうです。江さんは、現在神戸の大学に留学中で、日本各地で「変面」の出演をつうじて、日中友好の懸け橋となるよう活動を続けているということでした。
「変面」は、文字通り踊りながら顔に被った面を次々と早変わりで変えていく演技です。数えることはできませんでしたが、10回ぐらいの早変わりがあったと思います。その速さにはただただ驚くばかりでした。パンダを模した面もあるなど伝統的なものと現代のものが織り交ぜられていました。
スケジュールの最後は、パンダの絵などの景品がそろった抽選会がありましたが、残念ながら当たりませんでした。
広島市と重慶市は、1986年(昭和61年)10月23日に姉妹都市提携協定を調印し、その後の交流が続いているようですが、「重慶の日」の行事は、その一環として取り組まれているようです。
私が参加しようと思ったのは、以前から重慶には関心を持っていたからです。これまでに中国を10回以上訪問していますが、重慶は一度も訪れたいことがありません。重慶を訪れたいと思っていた最大の理由は、日中戦争で日本軍によって「そこの住む市民を目標に設定して『士気の征服』をめざす無差別爆撃」が3年間で200回以上も続いた地ですので、その被害の実相を現地で知りたかったからです。
日本軍による「重慶爆撃」は、東京空襲に先立つ無差別都市爆撃の先例でもあり、その意味では、市民への無差別の最たるものといえる「広島への原爆投下」につながるものがあると言えます。
無差別攻撃を受けた重慶市民の被害がどうであったのか、自分の目で確かめたいという思いは、今も私の中にあります。
「重慶の日」の行事に参加してみようと出かけて行ったのも、そんな思いがあったからです。しかしちょっと残念だったのは、「重慶爆撃」についての展示などを目にすることはなかったことです(私が見逃しただけかもしれませんが)。私の知る限りではっきりとそのことに触れたのは「変面」を披露した江玉さんが、演舞のあとに行った「重慶を紹介するパワーポイント」の一枚でした。
もちろん近代的に変身する重慶の街を知ることも大切ですが、広島と重慶を結ぶものは戦争によって多くの市民が犠牲になったという事実だということも決して忘れてはならないように思います。
そんな思いを新たにした「重慶の日」でした。
いのちとうとし
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