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« 核廃絶運動は歴史的厳しさに直面している (8) ――憲法の復権と民主主義の再生が必要―― | トップページ | 原爆被害を改めて考える(3)―原爆被爆者動態調査 »

2019年10月12日 (土)

広島朝鮮学校高校無償化裁判控訴審第7回口頭弁論傍聴記

一昨日(10月10日)開廷された「広島朝鮮学校無償化裁判控訴審」の第7回口頭弁論の模様の報告です。予告していました「原爆被害を改めて考える(3)」は明日に延期します。

午後1時半から傍聴者の入廷が始まった広島高等裁判所304号法廷は、広島の裁判所で一番大きな法廷ですが、多くの支援者によって直ぐに満席となりました。入廷できなかった支援者は、閉廷後報告会が行われる弁護士会館に移動し待機しました。幸いに私は、法廷で傍聴することができました。

今回の法廷は、原告団が一貫して求めていたにもかかわらず、一審(地裁)では、実現しなかった証人尋問が行われました。今回証言台に立ったのは、控訴人(一審では「原告」が二審ではこう呼ばれる)の一人・広島朝鮮学校初中高級学校校長で理事長の金英雄さんでした。最初の一時間は、足立弁護団長の主尋問。丁寧な質問と答弁によって朝鮮総連とのかかわりや民族学校と民族団体の関係について、自らの体験を通して具体的にわかり易く説明され、その実態が明らかになりました。10分間の休憩後始まった国側の反対尋問は、広島の朝鮮学園とは全くかかわりのない東京都による調査報告書(東京都が補助金を打ち切るために行ったもの)に基づく質問に終始しました。その中では、朝鮮総連の議長の名前がきちんと読めないなど、あまりにも準備不足と思わせる発言もありましたが、その中で朝鮮総連による「指導」という言葉をとりあげ、同じ質問を繰り返したのが強く印象に残りました。これらの質問に対して、金校長は「民族学校と民族団体とはかかわりがあって当たり前。そこにいう『指導』は、『アドバイス』ということだ」ときちんと証言されました。せっかく実施された証人尋問でしたが、裁判所側からの主尋問がなかったことは、非常に残念でした。裁判長の「最後に言いたいことはありませんか」との問いに、金校長は改めて「ぜひ学校に来て、ありのままの姿を見てください」と訴え、口頭弁論は終了しました。

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終了後は、場所を広島弁護士会館に移し、毎回公判後に行っている報告会の開催です。最初の発言は、弁護団事務局長の平田弁護士。「本人尋問が初めて実現しました。この裁判の最大の山場。今日の尋問は、満点に近い内容でした。ただ不満なことは裁判所が何も聞かなかったこと」と今日の証人尋問の意義を強調。続いて足立弁護団長。「泣くかもしれないと思っていたが…。陳述書を中心に、裁判所が再三にわたって釈明を求めてきたことを質した。国は『指導』ということにこだわってきたが、社会主義国とその他の区では意味が違うことを全く理解していない質問。そこを校長はしっかり説明してくれた。校長先生に拍手を」と尋問の状況の説明と解説。その後若干の質疑と各地からの支援者があいさつ・報告。最後に朝鮮学校の生徒たちによるアピールと全員合唱。「ウリハッキョ(私たちの学校という意味)は、私たちの宝です。」との言葉が強く印象に残りました。

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今回、証人尋問が実現したとはいえ、各地の裁判状況(高裁での敗訴、最高裁による上告棄却など)を考えると決して楽観できるものではありませんが、「当たり前のことが当たり前のこととして判断される」ように引き続き支援を強化していきたいと思います。

次回第8回口頭弁論は、11月20日の午後2時から開催され、今度は当時高校生で現在朝鮮学校の先生となっている原告と保護者とのふたりの証人尋問が行われます。保護者による証人尋問は、広島が初めてです。多くの人に傍聴に参加し支援してほしいと思います。

いのちとうとし

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