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2019年9月29日 (日)

白島地区の被爆樹木を訪ねて―その1

今日から2回は、先日広島市の被爆樹木リストを手に、訪ね歩いた白島地区の被爆樹木についての報告です。

最初の訪れたのは、広島県立文化芸術ホールー上野学園ホール(旧郵便貯金会館)東側に並ぶクスノキです。アストラムラインの白島駅の北西の階段を下りた先から広島ホームテレビ方面に向かった14本の巨樹が並んでいます。

Dsc_4167

手元の被爆樹木リストには、「付近から移植」と書かれています。このクスノキは、アストラムラインが上を走る道路が拡張される前は、道路の上下線の真ん中にある緑地帯に植わっていました。原爆投下時は、在韓被爆者の郭貴勲さんが被爆した工兵第5大隊があった場所です。郭さんの回想録「被爆者はどこにいても被爆者」の中に、この場所のことが出てきます。「太田川の分かれる三角州の頂点に位置していて、堤防が周囲を取り囲んでいて、向こう側の川べりに行こうとすれば揺れるつり橋を渡らねばならなかった」と。このつり橋は、今も「工兵橋」の名前で現存しています。この記述で分かるように、クスノキは「堤防」の上に植わっていたものと想像されます。そういえば、拡張工事前の道路の真ん中の緑地帯は、少し高くなっていたように記憶しています。戦後ここに道路を造るとき、このクスノキを残すように設計されたと思われます。ですから祇園新道(国道54号線)の拡幅工事で道路の真ん中にアストラムラインの高架をつくることになった時にも、残すことになったと想像されます。そのため、工事完了までいったん別の場所に移植され、大切に管理されたのです。うろ覚えですが、植物公園だったような気がします。当時牛田新町に住んでいましたので、移植する少し前に、大きな枝が切り落とされた様子を覚えています。

Dsc_4164

当時は「あんなに枝を切り落として枯れないのかな」と感じたものですが、工事完了後現在地に移植され、すべてのクスノキが無事に根付き、今は大きく枝を広げ、堂々と立っています。一カ所に14本もの被爆樹木があるのはここだけではないでしょうか。

次に訪ねたのが、150mほど東にある安田学園の被爆樹木です。ここには、ソメイヨシノとクロマツ(5本)があります。現地に着くと、正門横にある守衛所で撮影の許可をお願いしました。守衛さんが、事務所に問い合わせた結果は「敷地内は私有地なので撮影はだめ」との返事でした。間もなく事務所から人が出てこられましたので、改めてお願いしたのですが、「門の外からなら構いません」との返事。

199283  

敷地内で樹木を見ることは許可されましたので、被爆樹木の近くに行くことができました。どうしたも近くに行ってみたかったのは理由があります。広島市のホームページに記載されている「(クロマツの)幹にある傷は、戦時中航空機燃料にするために松ヤニ(松根油)を採取した跡と思われます。」を確認したかったからです。実は出雲市の私が生まれた地区には幅650m長さ1.7kmの広大な砂山があるのですが、そこは砂の飛散を防ぐためのクロマツがびっしりと植えられています。この砂山は私の遊び場でもありましたので、そこの松も戦争当時、松ヤニ(松根油)を採取が行われ、その傷跡が残っていたのが強い印象として今も残っていたものですから、ここでもその傷跡を確かめたかったのです。安田学園でその傷跡をはっきりと確認できなかったのが、残念でした。

199284   

もう一本の被爆樹木ソメイヨシノは、門を入った正面に植わっています。もちろん今回は、花を見ることはできませんが、私は何度もこのソメイヨシノが満開になった風景を見ています。80年代に入って私が、牛田新町から転居した白島中町の選挙の投票所が、安田学園の講堂だったからです。統一自治体選挙の投票日にはちょうどこのソメイヨシノが満開の花をつけていました。

まだまだ被爆樹木めぐりは続きますが、残りは二回に分けて来月初めに報告することにします。

いのちとうとし

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