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2019年8月12日 (月)

「8・6ヒロシマ」で拾った言葉

 一連の「8・6ヒロシマ」の行事が終わりました。74年目も多くの友人・知人が広島にやって来て、話しをしたり聞いたりの長い数日間でした。その中で拾った言葉を順不同で書いてみたいと思います。

なんといってもインパクトが大きかったのは、市民団体が8月4日に開催した集会の「ヒロシマがヒロシマでなくなる日」というタイトルです。集会のチラシには、その理由として、なぜ、核兵器禁止条約に日本は署名しないのか。なぜ、日本は核保有国に廃棄を求めないのか。なぜ、日本では、福島の大事故後も、原爆はNOでも原発はOKなのか。なぜ、被爆者としての被害性ばかりが語られ、戦争の加害責任がおろそかにされるのか。とありました。

「ヒロシマがヒロシマでなくならない」ように頑張っているつもりの僕としては、ここまでずばり指摘されると、あまり良い気持ちになりませんでした。「あえて言われたくないよ」という気持ちになります。

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次はある集会で講演者が語った言葉です。それはオリンピック聖火と被ばくのことでした。1964年の東京オリンピックの時、最終走者で聖火台に点火したのは広島に原爆が投下されたその日に広島県三次市で生まれた、坂井義則さんでした、来年のオリンピックの聖火は、福島原発事故の作業拠点となっている福島県楢葉町のJヴィレッジがスタート地点になっています。オリンピック聖火と被ばくの関係を考えさせられた発言でした。

次は東京から来た人が、宿泊先のホテルで受付けの女性から「明日の朝食の時は平和の人がたくさんおられますから…」と言われたという話しです。これには本当に苦笑いしてしまいました。私たちのことを『平和の人』という言葉で一括りにされていることです。

原爆が落とされた時刻の8時15分には、広島では区役所などから1分間サイレンが鳴ります。その時刻の20分くらい前に、区役所から放送がされました。「原爆が落とされた時刻の8時15分にサイレンが鳴ります」という予告の放送でした。予告をしておかないと、なんでサイレンが鳴ったのか理解できない人がいるのだろうと思いました。原爆が落とされた時刻の分からない人が多くなったという状況の中では、仕方のないことかも知れませんね。

6日の夜に、「8月6日を語る会」という飲み会をしています。もう何十年もやっている会で、今年の参加者は7人でした。その会の場で「なぜドイツに原爆を落とさずに、広島に落としたのか」というのが話題になりました。これまでは何となく、人種差別で日本に落としたのだというように理解していたつもりでしたが、会の中では、ドイツはこの時点で原爆技術の開発を進めていた。投下した原爆がもし不発弾だったら、そのノウハウがドイツに伝わってしまう。日本は研究もしていなかったから、不発弾だったとしても心配無用だったという話しになりました。この会は毎年とても盛り上がるのです。ちなみに会長は私です。

市民団体の主催した集会で、「棄民の国 被曝安全神話」と題しての講演がありました。その中では、今なおフクシマでは、「原子力緊急事態宣言」が続いている。このままだと後100年も緊急事態だろう。今もっとも大切なのはこの「原子力緊急事態宣言」を一刻も早く解除できるよう、国の総力を挙げて働くことである。フクシマ事故の下で苦しみ続けている人たちの救済こそ最優先の課題である。少なくとも、罪のない子どもたちを被ばくから守らなければならないと話され、心に残りました

8月6日は、4年生の孫が通学している小学校の登校日でした。「じいちゃん、被爆二世いうのは何だ?」と質問してきました。丁寧に説明しましたが、話し半分くらいのところで友だちと遊ぶと言って外出してしまいました。「じじバカ」ですから、将来が有望な孫だと期待していました。

最後に自慢話しですが、原水禁大会の「ひろば」で約40分間「厳しい状況の中、過ちを繰り返させないために」というタイトルで講演しました。来年のNPT再検討会議を控え、核兵器禁止条約を署名・批准させるための内容でしたが、「とても分かりやすく良かった」という感想が何人かの人から寄せられました。誉められるというのは嬉しいですね。

木原省治

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