戦後74年目の夏、被爆地「長崎」を訪ねて ―原爆被害とともに、加害の事実にも目を向ける視点を―
三原の藤本さんから、戦後74年目の夏の被爆地長崎訪問の報告が寄せられました。
今年は、5月1日に「天皇代替わり」が行われ、あたかもすばらしい新時代が到来したかのように祝われました。私たちは「5.3ヒロシマ憲法集会」において、TBSニュースキャスター・金平茂紀さんの講演を聞き、あらためて「元号・天皇制」について考え合いました。
第22代高校生平和大使広島研修・結団式(6月15~16日)において、被爆者の証言を聞く場がありました。「あまりに悲惨なあの経験を繰り返してはならないというのが被爆者の原点。皆さんは『どうあるべきか』つなげてほしいと熱く語りかけられました。講話の中では、平成(明仁)・令和(徳仁)天皇を賛美する発言もあり、反戦・反核・平和運動を取り組む者から見れば違和感を持たざるを得ませんでした。
戦後74年目の夏、今年も原爆・戦争の犠牲となった人々を悼む慰霊の行事や核廃絶を求めた様々な集会が催されました。私は、長崎の平和運動を牽引してきた憲法学者・舟越耿一さん(長崎大学名誉教授)にお会いするため、「8・9長崎」を訪問し、犠牲者を悼み、核も戦争もない平和な社会に思いを巡らせました。
早速、8月19日、三原駅前での戦争させない「19日行動」において、ヒロシマ総がかり行動共同代表の石口俊一弁護士を迎えて、「二度と戦争しない」と決めた憲法9条を守ろう!と街頭で訴えました。
★岡まさはる記念「長崎平和資料館」の見学
8月8日、JR長崎駅近くにあるNPO法人「岡まさはる記念・長崎平和資料館」を見学しました。
この平和資料館は、1995年10月1日、日本の戦争責任と侵略の記憶と向き合い、史実に基づいて日本の加害責任を訴えようと市民の手で設立されました。強制連行、南京大虐殺、韓国・朝鮮人被爆者、戦後補償など加害の事実を知る良い学習となりました。
★長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会
8月9日、7時30分から「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」主催で爆心地公園内にある「長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼碑」前で、原爆で犠牲になった朝鮮人の追悼集会が開催され、広島の足立修一弁護士やピースリンク広島・呉・岩国の久野成章さん、新田秀樹さんとともに参加しました。
集会の中で在日本朝鮮人総聯合会長崎県本部のキム・ジョ ンデ委員長は、在韓被爆者の援護を長年訴えて勝ち取った郭 貴勲(カク・キフン)さんの「被爆者はどこにいても被爆者だ」という言葉を紹介し、「関心を 持って支援してほしい」と参加者に呼びかけました。長崎原爆では朝鮮半島から仕事を求めて移 り住んだり、徴用されたりした人もいて、約2万人の朝鮮人が被爆し、約1万人が死亡したと言 われています。なぜ被爆したのか深く考えなければならない歴史です。
★ピースウィーク市民集会
追悼集会後、「長崎原爆資料館」の見学。10時から爆心地公園で開催された「ピースウィーク市民集会」に参加しました。主催者あいさつで舟越耿一さん(長崎大学名誉教授)は、「なぜ長崎・広島に原爆が落とされたのか。真珠湾攻撃の時の飛行機は三菱長崎で作られたことと無縁ではない」と日本政府・軍部・軍需産業の戦争政策が長崎・広島の被爆につながっていると訴えました。
集会では、世界の平和と核廃絶を願う市民のリレートーク、保育園児たちによる「青い空は」の合唱、市民平和宣言の採択。最後に、原爆投下の11時2分に「原爆落下中心地碑」に向かって黙とうして集会が終わりました。
★九州電力へ「原発の即時停止と廃炉を求める」要請行動
集会終了後、九州電力長崎支社に対し「玄海原発および川内原発の即時停止と廃炉」を求めて要請行動を行い帰広しました。原発を持つ電力会社11社の原発政策に対する考え方は同じですが、アポなしでの訪問にも責任者が即対応するところは中国電力と違うなあと驚きました。
藤本講治
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