被爆74周年原水爆禁止世界大会が閉幕
7月27日に福島でスタートした「被爆74周年原水爆禁止世界大会」は、広島大会、長崎大会と引き継がれ昨日閉幕しました。閉会総会の模様などを中心に昨日の行動を報告します。
午前9時、長崎総合体育館で始まった「長崎大会・閉会総会」は、松田圭治長崎実行委員長(長崎原水禁会長)のあいさつ、原水禁・非核平和行進のタスキが長崎から沖縄に返還。来年への引継ぎです。
タスキを受けた山城博治沖縄平和運動センター議長が、「民主主義を破壊する安倍政権に絶対負けずに戦い抜く。皆さんも一緒にがんばりましょう」と力強く沖縄からのアピール。会場から大きな拍手が沸き上がりました。やはり沖縄です。体を張ってがんばっている山城さんのことは、誰もが知っているのです。
続いて高校生のアピールです。第22代高校生平和大使と長崎の高校生1万人署名活動実行委員会のメンバー約100人が、ステージ中央へ。圧巻です。長崎大会の主役は、毎年平和大使と1万人署名活動実行委員会の高校生です。
海外ゲストの紹介、代表からのアピール、そして大会のまとめを藤本泰成大会事務局長が提案。最後は、山下薫長崎大会実行委員が「被爆74周年原水爆禁止世界大会・大会宣言」が提案し、全体の拍手で確認しました。以下に大会宣言を私が要約した(かなり長文ですので)ものを掲載します。
大会宣言
「74年前の暑い8月の空の下、広島14万人余、長崎7万人余の命が、たった2発の原子爆弾によって奪われました。その一瞬で奪われた命、苦しみながら奪われた命、無念の死を強いられました。そして、生存した者も生涯にわたって放射線の後遺症に苦しんできました。その悪魔の爆弾は、今なお1万4先発も存在し、人類の大きな脅威となっています。」「①INF全廃条約の失効、核兵器廃絶への枠組みを破壊する米トランプ政権などによって、核開発競争の再燃が懸念される。2021年に期限を迎える新戦略兵器削減条約の延長に向け、米ロが真摯に話し合うことを要請。②2017年国連で採択された『核兵器禁止条約』批准・発効に向け、条約の署名批准に背を向ける日本政府に対し、『核兵器廃絶1000万署名』を全力で取り組むとともに、来年のNPT再検討会議に向けて、NPTの存在意義がしっかりと捉えられるような議論となることを求める。③福島第一原発事故後8年、事故集束のめどはたっていない。政府は、「復興」の名のもとに、被災者の生活や健康など様々な問題を放置して、原発の再稼働を強行している。原発の重大事故によって、多くの人々が被曝を強いられた。人権侵害の当然の権利として、フクシマ被災者の医療と生活を支援する法整備を求める取り組みを進める。」「安倍政権の、国会での多数を背景にした、平和と安定を願う市民社会の思いを踏みにじる横暴を許さず、高齢化する被爆者の援護、被爆二世、三世や在朝被爆者の課題解決を急ぐとともに、命の尊厳を基本に取り組みを進める」「世界のヒバクシャに寄り添い、世界のヒバクシャと連帯し、核兵器廃絶・脱原発、ヒバクシャ援護に向けたとりくみを、さらに強化していきましょう。ヒロシマ・ナガサキを忘れず、フクシマを二度と繰り返すことのないよう、私たちは、今日、この原水禁世界大会の場所から、決意を新たにとりくんでいきましょう。
ノーモア ヒロシマ、ノーモア ナガサキ、ノーモア フクシマ、ノーモア ヒバクシャ、ノーモアウォー」
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その後大会参加者は、長崎爆心地公園に向かって1.2Kmを非核平和行進。爆心地公園到着後、川野大会実行委員長と海外ゲスト代表のサマンサ・ハナーグ(マーシャル諸島・被曝三世)が全ての参加者を代表して中心碑に献花。原爆投下時刻の11時2分のサイレンを合図に全員で黙とうをし、すべての被爆74周年原水禁世界大会の行事が終了しました。
私たち広島県代表団18名は、閉会総会に先立ち、恒例の城山小学校慰霊碑参拝を行いました。
学校に着くと子どもたちが、すでにそれぞれの場所で感化など平和行事を行っていました。私が写真に収めた子どもたちは、小学校5年生、資料館に献花していました。私たちも校庭に設けられた慰霊碑に献花し全員で黙とう。
校内を移動中、被爆樹木カラスザンショウを見ましたが、2016年7月に枯れ死が確認されて以降も保存に努力されているようですが、年々その姿は朽ちているように見えました。子どもたちの平和学習のためにも、いつもでも残ってほしいものです。
いのちとうとし
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