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2019年7月13日 (土)

自然放射線よりも低い?

中国電力本社の玄関を入ると左手に島根原発についての大きなパネルが目に入ります。

地震対策など、こんなに安全対策を行っていますよと言うピーアール用のパネルです。

Dsc_3556

その真向かい(本社玄関を入ってすぐ左手)にも小さなパネルとベンチが置かれています。小さいものですから、気を付けてみないと見逃がしそうです。先日、上関原発計画埋立て申請の取り消しを求めて中国電力本社を訪れた時、ちょっと時間がありましたので、じっくりと見てみました。パネルに記載された文字を負っているうちに「えー」という表現に出くわしました。

Dsc_3566

このパネルは右下にあるベンチ「クリアランスベンチ」についての説明文です。「クリアランスベンチ」とは、説明文によれば「このベンチの金属部は、原子力発電所(日本原子力発電株式会社東海発電所)を解体した時に発生した金属です。」で作られたベンチということです。さらにご丁寧に「人体への影響が無視できるほど低いレベルであることを確認したうえで作っています。」との説明が続いています。次に「クリアランス制度とは・・・」の解説です。繰り返し述べられているのは、この「クリアランスベンチ」がいかに安全なものかということです。中にはこんな文章もあります。「クリアランス制度による再利用は、地球への負荷を軽減し、環境社会の形成に寄与します。」ここまでくると、ちょっと待てよという気になります。再利用の前に考えなければいけないこと「そもそも原発は?」があるんじゃないですか言いたくなりますが、もう少し我慢して次に進みます。次は「日常生活の放射線とクリアランスレベル」です。その解説文を読みます。「クリアランス基準である0.01mSv(クリアランスレベル)は、年間自然放射線量2.4mSv(世界平均)の1/100以下と、放射能レベルが自然放射線と比べて極めて低く、人体等への影響が無視できるレベルとなっています。

Dsc_3560

ここまでくるとまさに?です。確かに数字を単純に比較すれば、クリアランスレベルが自然放射線量と比べて低いことは、事実でしょう。数字はそうなっているのですから。でもこの二つの数字は比較すべきものなのですかと問いかけたいのです。この「自然放射線と比べて」という言葉は、福島の原発事故時に何度も聞いた言葉だったことを思い出します。私は、その時からずっと違和感を持っていました。それは、原発事故や原発の廃棄物から出ている放射能は、私たちを自然放射能にプラスした余分な放射線量によって被爆させることになるからです。たとえクリアランスレベルがどんなに低かったとしても、自然放射線量以上の被曝をさせることには変わりがないはずです。ですから、この数字を比較して、低かったからといっても何の意味もありません。こんなまやかしは終わりにすべきです。

その日、中国電力との交渉が終わった後、玄関まで一緒についてきた中国電力の広報担当(交渉担当者でもある)に「このパネルの表現はおかしいよ」といったところ、最初は「どうしてですか」と意味が理解できずきょとんとしていました。プラスされる被曝線量のことを繰り返し説明しているうちに何となくわかったような顔になったのですが、果たしてこのパネルの説明文が変えられるかどうか、時々のぞいてみなければと思っています。

いのちとうとし

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