旧中島地区被爆遺構確認調査の一般公開
広島市が被爆75周年の来年公開を目指して作業を進めている「旧中島地区被爆遺構」の確認調査の実施状況の市民公開が、昨日実施されました。
私も12時半頃現地に行ったのですが、関心の高さを示すように沢山の見学者が訪れていました。正午に第1回の説明があったようですが、その時には100人ぐらいの参加があったようです。その後も参加者が多いということで、毎正時ごとに予定されていた一般公開を急きょ12時半にも見学できることになり、私も見学することができました。
いくつか現場の写真を掲載します。ちょっと私の映した写真では、よく判別できませんが、今回の確認調査では、いくつかの遺構が確認できています。
①炭化した板材、角材など 太いイ草と藁の繊維―畳と思われる
②敷地の境界(石材の列)
③焼土の層 一部白く灰も出ている
④敷地の境界(石列)
などです。
広島市は、一般公開のあと「平和記念公園における旧中島地区被爆遺構の展示整備に関する懇談会」を現地で開催し、今後の進め方を協議したようですが、現在の確認調査だけでは、不十分ということでさらに面積を広げて、確認調査を進めることが決まったようです。
私が、この問題にかかわって以降常に考えてきたことは、展示されようとしている「被爆遺構」は、原爆資料館と密接な関係の中に作られなければならないということです。昨日もブログでも紹介しましたが、資料館のリニューアルの基本的考え方である「一人一人の被爆者の被害の実態、失われた命の尊さ、被爆者や遺族の苦しみ・悲しみなどを紹介する」「原爆の非人道性、原爆被害の甚大さ・悲惨さ、被爆者や遺族の苦しみ・悲しみなどを、これまで以上に伝えることを目的とする」というコンセプトが、この被爆遺構の展示でも非常に重要なことだと思っています。今回確認された「被爆遺構」では、残念ながら当時の生活や被爆による被害の実相を伝えるのには不十分だというのが、見学した私の感想です。
今回の確認調査で発掘された現場は、直ぐに埋め戻されるようですので、これからの見学することはできませんが、8月以降に実施される拡張した発掘の結果についても市民に公開されるようきちんと働き掛けていきたいと思っています。より良い遺構展示するためには、旧住民の人たち、関わりのある人たちの声が反映されることが大切です。その意味でも今後もしっかりと見守っていきたいと思っています。
いのちとうとし
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