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2019年6月14日 (金)

朝鮮半島の非核問題をどう解決する―2019広島韓日関係シンポジウムにまなぶ

昨日、韓国国際交流財団と世宗研究所が主催し広島市立大学平和研究所の後援する「2019広島韓日関係シンポジウム」が、国際会議場で開催されました。私は、主催団体のことについての知識は全くありませんでしたが、広島市立大学平和研究所からの案内メールが届いていたことと、このシンポジウムのサブタイトルが「北東アジアの安保及び平和と日韓関係」となっていましたので、ちょっと興味を持ち参加しました。さらにメインの発表者の一人に旧知の太田昌克さん(共同通信社編集委員)の名前があったのも参加した理由の一つです。

シンポジウムに参加して知ったのですが世宗研究所は、韓国国内で全く国の支援を受けない唯一の民間のシンクタンクとして政府から独立し「国の安全と南北統一及び対外関係に必要な研究と教育・研修を通じて国と社会の発展に貢献すること」を目的として設立された組織でした。また、韓国国際交流財団は「韓国の文化や歴史を世界の人々に知ってもらおうと、さまざまな分野で交流事業を進めている」組織のようです。

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ところで、このシンポジウムで一番印象の残ったことは、最初の問題提起者として発表された崔完圭信韓大学校碩座教授の報告です。発言の主な内容は印刷され資料と配布されていましたが、タイトルは「北朝鮮非核化(問題)をどのように解決すべきか?:北朝鮮の側の視点を中心に」です。崔さんが発言は、こういう言葉から始まりました。「こういう場で、北朝鮮の側からの視点での話は、全くありません。すべて日・米・韓の側からの視点での話だけです。ですから私は、北朝鮮の側からの視点で発表します。」そして「北朝鮮は、核問題に関連して韓国や米国と締結または合意したどのような文書においても終始一貫して、朝鮮半島の非核化という表現をも守ってきた」と。そうして歴史的な流れを説明しながらの提起でした。その上で「この問題を解決するには、その道は長く厳しいだろう」と指摘しながら、最後に「南北、米朝をはじめとする朝鮮半島当事国が、同水準のカードを一つ一つ段階的に与え、それに相応する水準のカードを受けるならば双方の信頼が積み重なり、北朝鮮の完全な非核化は成し遂げられるはずだ」と協議のあり方を強調されました。

配布された資料を見ると崔完圭さん肩書が「前北朝鮮大学院大学総長」とも記載されています。聞きなれない大学の名前でしたので、会場で韓国側の出席者に聞いたところ「北朝鮮問題を中心に研修する大学で韓国統一相の多くがこの学校の出身者です」とのことでした。また本人が発言の中で紹介されましたが、崔さんは、昨年9月の文在寅韓国大統領の北訪問にも同行し、さらに11月にも訪問されるなど、北朝鮮の実情を十分に把握しての報告でしたので、発言に重みを感じました。

日本で北朝鮮問題が報道されるときのコメンテーターは、実際に北朝鮮を訪問したこともない人がほとんどで、発言内容もあまりにも偏りすぎていると常々感じていましたが、今日のシンポジウムでは韓国国内の論議の懐の深さを感じさせられました。

シンポジウムの第2部はラウンドテーブル方式で進み、10人を超える発言者がいたため、発言は一人7分という短い時間となり、もう少し聞きたいなという思う内容もありました。しかし、時間の制約もあり論議を深めることができなかったのは残念でした。「北側からの視点での話」を聞く機会はほとんどありませんので、もう少し参加者が多ければよかったのに感じました。

いのととうとし

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