7.6の豪雨災害からまもなく1年 生きて咲いた植物に励まされる
土砂に埋もれても翌年の夏に花を咲かせるフランネル草と八重咲きのドクダミ草の話。
2018年7月6日の集中豪雨で安芸の郷の建物「第2森の工房AMA」の裏山から大量の土砂が敷地と建物に流れ込んできた。夜7時30分だったので人的被害はなくてすんだ。もうすぐ発生から1年になる。土砂の撤去は広島市が行い第2森の工房AMAの建物に隣接する同市の管理する運動場に運ばれた。そのあとは細かいと所の泥の撤去などを根気よく進めていった。
2018年7月9日(月)。
この日一日だけ安芸の郷のみみずく、あやめ、やのの3つの事業所を休所して被害を受けた第2森の工房AMAの建物、庭の土砂の撤去作業をして利用者が通所できる環境と整える作業を行い、一方で送迎ルートの再構築を図って10日(火)からの開所をしたのだが、庭の植物も、畑(温室横)も泥流に埋もれてしまった。
翌年2019年6月、写真上のブルーシートのかかった法面から大量の土砂が押し寄せたのだが、庭の見回り中に写真右下の柿の木の側に濃い桃色の花が目にとまった。
フランネル草で、泥に埋もれ、ショベルカーにかき混ぜられたであろうに元気に草丈が伸び、花を咲かせた。この花は冬を越す宿根草のタイプだが、ここに植えたかどうか定かでない。でも生き延びた。
2018年7月15日(日)。となりの運動場と第2森の工房AMAの水路確保のための土砂の撤去作業が行われたが、写真右下のフェンスの場所に八重咲きのドクダミ草を植えてあった。土砂の高さは70㎝くらいある。
2019年6月11日(火)。同じ場所にはブルーベリーの挿し木育苗箱が並べられている。水路のフェンス沿いには背の高いヒメジョオンの白い花と背の低い八重咲きのドクダミ草の白い花が咲いている。
数年前にCafeさくらにいつもお見えになるお客さんからの頂いた株で、八重咲きは珍しいのとたくさんの株があったので鉢植えとこの場所への地植えにしていた。鉢植えは全滅した。思いがけず開花した様子を見て気が付き、歩みを止めずに生きている自然に励まされた。
6月11日に撮影したフランネル草。広島地方では一人娘という名前で親しまれている。
6月7日に雨中で撮影した八重咲きのドクダミ草。
そして土砂に埋もれていて休耕していた畑にもサツマイモの苗を植えて畑を再スタートさせた。
6月はヒロシマに原爆が投下されてなお花の咲いたキョウチクトウのように、第2森の工房AMAの庭に咲く植物に励まされている。
今年の7月6日は災害1年を迎える日で、被害にあった矢野地区では追悼イベント「シタマチ×キャンドル」が地元主催で夕方から行なわれる予定だ。18:00~21:00で場所は梅河団地(メイン会場)、西崎、神崎、宮下、大浜、中央の公園と矢野小学校の7か所。
2019年6月15日
社会福祉法人安芸の郷 理事長 遊川和良
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