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2019年6月10日 (月)

祝島でビワ狩り

 祝島へビワ狩りに行ってきました。祝島はビワをたくさん作っています。この時期の定期船の荷物置き場には、「祝島 びわ」と書かれた箱が山積みという感じです。農協にも出荷していますが、祝島をふる里にしていて、都会に住んでいる子どもや親せき、友人などに送る物が多いようです。

 「祝島は元気だよ」「ふる里の味を楽しんで」というメッセージがこもった物だと、その荷物を見るとジーンと感じます。

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僕は、ビワの木のオーナーをしています。オーナーになると「僕のビワの木」というのがあって、その木からのビワは取り放題です。そしてパックに入った贈答用の物を8パックほどもらえます。

ビワの実が数ミリという段階の3月頃に、袋かけという作業が行われます。そして木の周辺の草刈りなどの作業を経て、5月~6月のこの時期に収穫の時を迎えます。オーナーは袋かけのような面倒な作業は、祝島の方にお任せです。

ビワは1年の内、収穫できる時期というのは、ほんの2週間程度です。去年は友人を誘って計画していましたが、行く日の調整がなかなか決まらず、管理して下さっている人に電話をしたら「もう時期が終わった」と言われ断念していました。

祝島のビワは甘くて、とても美味しい味です。祝島では実だけでなく、葉っぱを使った「ビワ茶」も有名で、健康茶ブームもあり全国に愛飲者がいます。無農薬ですから特に人気のようです。

今回も友人と行く予定でしたが、これまた日にちの調整が決まらず、一人で行きました。オーナー活動の中心的な役割をしている方の車に乗って、透き通った海を右側に見ながらの道を走り、そしてビワの木の在る所へ到着。

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ここでは袋かけされている物から獲りはじめました。これは贈答用の箱の中に入れました。そして袋かけのされていない木に移動しました。ここのビワは、見かけは悪いが獲り放題です。その場で食べて味見をしながら、箱いっぱいになった物を持って、祝島事業組合の作業場へ到着しました。ここで見かけの良い物と、そうでない物とに分ける作業を行いました。

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見かけの良い物も、そうでない物も味はまったく変わりませんし、当然のですが見かけの良いのが美味しいとは限りません。しかし消費者が選ぶのは見かけです。色、キズ、形、大きさ、もちろん少しでも腐りそうな物は廃棄です。贈答用になるのは、30個の内の1個くらいでしょうか。まさに厳しいハードルです。作業をしながら、人生の無情も思いました。

帰りの船の中は荷物置き場も、乗客もビワを持っていました。僕は贈答用の8パックと、持ちきれないばかりの「見かけの悪い」という物を、車に積んで帰宅しました。そして近所の方に、おすそ分けしました。

ビワの木のオーナーになるというのも、上関原発を止めるための一つの活動ではないでしょうか。ビワを通じて祝島のファンになること、原発反対の思いを共有することです。来年は誰か一緒しませんか、今が収穫時という時に何をさておきです。

木原省治

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