被害者の訃報相次ぐ―日本軍「慰安婦」問題
日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワークが、毎月実施している街頭行動が、今月も第1月曜日である昨日の昼休みの1時間、本通電停前で実施されました。私がこの街頭行動に初めて参加してからでもちょうど3年が経過していますが、女性を中心に粘り強く継続されています。昨日の行動は少し参加者が少なかったようですが、私も本当に久しぶり(一年ぶりかな)に参加し、ビラを配布しながら道行く市民への訴えを行いました。ただ残念なことですが、ビラを受け取る人は少なく、だんだんと関心が薄れているのかなということも感じました。
1991年に金学順さんが韓国で初めて元「慰安婦」として名乗り出て、自らの体験を語ってからすでに28年という時間が過ぎようとしています。この間に多くの被害者が無念のうちに逝去されています。今年に入ってからだけでも、これまでに韓国で4名、中国で1名の5名が次々と逝去されています。韓国の生存被害女性は、21名になったといわれています。広島の被爆者と同じように、いやそれよりも早く、被害女性がいなくなる時期を迎えることになります。今、日韓関係は、強制連行の賠償問題などを巡って、日本政府の強硬な姿勢により、最悪ともいえるような状況にあります。しかし、私はその多くの責任が日本側にあると思っています。戦後補償問題を解決するのは日本政府の責任です。そのためには、歴史の事実を事実として認めることから出発しなければなりません。自らの語りたくない日本軍「慰安婦」としての体験を語り続ける被害者の思いがなぜ受け止められないのだろうかと腹立たしい思いを抱くのは、私だけではないと思います。問題解決までの残された時間はわずかです。一人でも多くの被害者が生存されているうちに、被害者が望む解決への道を開くことが、今私たちに求められています。そのことを改めて感じた昨日の行動でした。
昨日の行動で私が配布したビラは、「日本軍『慰安婦』問題解決ひろしまネットワーク」が主催し、6月30日(日)14時からと17時からの2回上映される「アイキャンスピーク」映画会の案内チラシでした。韓国では300万人が観賞したといわれていますが?
ところで6月には、横川シネマで、1日から23日間のロングランで慰安婦問題の論争をテーマにしたドキュメンタリー映画「主戦場」も上映されています。
この映画「主戦場」に、従軍慰安婦の人数や強制連行の有無などの論点について日米韓の30人以上へのインタビューで構成されているそうですが、このうち「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝副会長などが「商業映画として一般公開するならインタビューは受けなかった」などとして上映中止や、ポスターからの名前や顔写真の削除を求めているそうです。これに対し、監督のミキ・デザキさんは3日に会見を行い、「出演者は全員、撮影した映像を私が自由に編集し利用することに合意する合意書や承諾書に署名した。映画の配給や上映、販売を承諾する項目もあり、出演者は商業公開の可能性も知っていた」「藤岡氏ら2人は公開前に確認を求めたので、昨年5月や9月に本人の発言部分の映像を送った。その後連絡がなかったので問題ないと判断した」と述べたといわれています。このことだけでも、興味をもたされる映画のようです。
いずれにしても2本とも日本軍慰安婦問題への理解を深めるうえでも、ぜひ見てほしい映画だと思います。
いのととうとし
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