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2019年6月19日 (水)

古本「廣島大本営」

紙屋町の地下街シャレオで恒例の「古本まつり」が、17日から23日まで開催されています。

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三越の食パンを買っての帰り道、ほんのちょっと回り道をしてこの「古本まつり」に寄りました。最近少しずつ蔵書を整理していますが、やはり「古本まつり」開催と聞くと、寄らずにはおられません。買いたいなと思う本も何冊かあり、開いて中を確認したりしながら古本が並べられた棚と平台を一応くまなく見て回りました。しかしどうにも我慢できずについに本を手にし、レジに行くことになりました。

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その本のタイトルは「廣島大本営」です。奥付を見ると「著者 畑耕一、発行年 昭和一八年九月二五日、発行所 天佑書房」となっています。「定価二円八〇銭」その横に「特別行為税相当額拾銭」そして「合計弐円九拾銭」となっています。いずれも漢字は古い字で書かれています。「特別行為税」とは聞きなれない税の名前ですが「戦局が悪化した昭和十八年に導入された間接税」で、当時、本も「奢侈的(ぜいたく)特別行為」として課税されていたようです。

私がこの本を購入したのは、以前から日清戦争の時広島に設置された「大本営」ことが書かれた当時のものはないのかと探していたからです。戦後に発行された出版物にも「広島大本営」について書かれたものはありますが、戦前の雰囲気の中でどう書かれていたのかということを知りたいと思っていたからです。

筆者の畑耕一さんは、この本を書くことになった思いを「小序」で「大東亜戦争の戦史は、多くの人々によって書かれるであろう。その銃後史もまた現れるであろう。日清戦争の戦史も多い。だが、銃後史に欠けている」と記し、さらに「日清戦争の臨戦地境と定められた廣島に私は生まれたのである。・・・この欠けているものを補うべく任務を果たしたい」と述べています。私が特に興味を持ったのは、「『臨戦地境』である『銃後』の廣島のこと」を書いたと記されているからです。当時、広島で何が起きていたのかを少しでも知ることができればとの思いが、この本を購入させたのです。6月16日のこのブログ「声を出すのを止めたとき」にも、日清戦争当時のことが触れられています。

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まだすべてを読んだわけではありませんが、ここではパラパラとめくって目についた二つのことを紹介します。現在広島中央図書館北側歩道上を少しふさぐ形で、竹垣で囲われた「明治天皇の聖跡」とされる場所にある井戸です。この本では、この井戸と関係することが書かれています。大本営の設置にあたって「殊に係員の苦心したところは、大本営における御膳水用の井戸の穿鑿と警護であった。赤痢の流行は決して衰えていない。まったく恐懼してことにあたった」と。当時赤痢の流行は深刻な問題となっていたようです。もちろん明治天皇が東京から移動する様子や大本営での生活ぶりも詳しく書かれています。

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もう一つは、臨時帝国議会の模様です。これもかなりのページを割いて詳しく記載されています。仮議会の議事堂は、9月28日に着工し、10月14日には、「仮議院工事は成った」と記されています。わずか16日間の工事です。宇品線工事を思い起こします。先に私は「臨戦地境」という言葉を使いましたが、実はこの言葉には重要な意味がありました。この本の中にこう書かれています。「5日(金子注10月)はまた特に廣島として記憶されるべき日であった。戒厳令が宣告せられ、廣島県下、廣島市全部及び宇品は『臨戦地境』とさだめられたのである」と。廣島は戦場に隣接する場所として戒厳令が宣告されたのです。そしてこの戒厳令下で、臨時帝国議会が開会され、戦争遂行のための「臨時軍事費予算案」が、「衆議院貴族院全会一致をもって、忽ちに原案可決となったものであった。可決された軍事費は、1億5千萬円」となったのです。

興味をそそられる内容が続いています。この本は、きちんと読み、軍都廣島の歴史をもう一度学びなおしたいと思います。

いのちとうとし

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