朝鮮学校の子どもたちの笑顔を取り戻そうー無償化裁判支援街頭行動
6月の「朝鮮学校無償化裁判支援街頭行動」が、昨日広島駅前南口で行われました。この行動は、毎月19日の午後5時からの1時間、広島県庁前と広島市役所前で行われていますが、今月は日曜日ということで、場所と時間を変更し、午前11時からの1時間、広島駅前での行動となりました。今月は、一か所での取り組みとなったため、朝鮮学校の生徒や教職員、さらには保護者の皆さんをはじめ、支援行動を続ける日本の団体からも多くの参加があり、約100名での盛り上がった行動となりました。
高校無償化制度は、正式には「高校授業料無償化・就学支援金支給制度」(公立高等学校などの授業料を無償化し、また私立高等学校などに就学支援金を支給して授業料を低減することを目的とした制度で、外国人学校や各種学校なども対象となっている)として2010年度から開始されました。しかしその適用対象から唯一外されているのが、朝鮮学校に通う子どもたちです。
朝鮮学校無償化裁判は、これを不当として朝鮮学校や元生徒たちが、その取り消しと慰謝料を求めて起こした裁判です。残念ながら2017年7月19日の広島地裁での判決では、訴えが認められず原告敗訴となり、現在広島高裁での審理が行われています。広島地裁での不当判決を許さず、控訴審での勝利をめざして始まったのが、毎月の「19日行動」です。
今日の行動も、朝鮮学園の生徒や卒業生たちが、マイクを握り、自分たちの思いを伝えるとともに、ビラを配布しながら署名への協力を訴えました。
若い人の署名もありました。外国人の署名もありました。もちろんビラの受け取らない人も多く見受けられました。ただいつもの場所と違った効果があり、少し関心を持つ人も多かったように思います。
参加者の一人はこう言っています。「これまでの行動と比べて、通行人の反応が良く、これまででとは違う雰囲気を感じます。」と。
高校無償化が始まってすでに9年目を迎えますが、朝鮮学校だけが差別的にその対象から除外されていることは忘れられようとしている、というよりその当時から知らなかったといった方が良いかもしれません。こうした行動を通じて、一人でも多くの市民にその事実を知ってもらうことが行動の大きな狙いです。
考えなければならないことは、このような政治による差別が、結果としていま社会に広がる民族差別の意識を助長していることを政治家はもっと深刻に受け止めるべきだということです。
朝鮮民主主義人民共和国の金正恩委員長と周辺国の首脳との会談が相次ぐ中で、安倍首相は最近急に態度を変え、「無条件で金委員長と会談する用意がある」と発言しています。もちろん会談が実現することに異論をはさむつもりはありませんが、こうした民族差別政策を放置したままでは、会談が実現したとしても、その成果を期待することはで来ません。もし本気で会談を実現したいというのであれば、この朝鮮学園無償化問題を解決するのは当然のことではないでしょうか。
なお朝鮮学校無償化裁判控訴審の第6回公判は、7月23日(火)午後2時から、広島高裁で行われます。ぜひ裁判傍聴に参加してください。
いのととうとし
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