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2019年5月10日 (金)

在朝被爆者問題を考える―その2 実態と現状は(つづき)

今日は、遺伝的影響と被爆者の声を報告します。

今回の調査では、二世、三世への遺伝的影響も調査されています。具体的な数字としては示されていませんが、報告書では「被爆者のみならずその子孫においても遺伝的影響がある」ことが強調されており、そのことがまた「被爆者の精神肉体的な苦痛を大きくしている」と指摘しています。現在日本国内で被爆二世による「援護法適用を求める」裁判が昨年2月から始まっていますが、日本政府は「遺伝的影響はない」の一言で片づけようとしています。しかし、今回の訪朝で面談した朝鮮被爆者協会副会長の朴文淑さん(74歳・1歳10か月の時、長崎で被爆 1992年来日時被爆者健康手帳取得)も、二世への影響について自らの体験をもとに次のように話されました。「娘が肝炎になり、あらゆる治療を行ったが、薬の効果もなく、病気の進行スピードも速く、結局肝臓がんになり死亡した。」と。これは、共和国だけの問題ではないと思っています。かつて(もちろん現在も)在韓被爆者からも「二世の健康不安」について何度か直接聞いたことがあります。今も継続した問題です。戦後、日本からの帰国し、まして被爆者であることも語れず、苦しい生活を余儀なくされたことなどの生活環境を考えると日本国内の二世以上に朝鮮半島在住の二世の問題は、考えなければならない問題であり、簡単に切り捨てることはできないと思っています。

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「被爆者健康手帳取得」が前提では

こうした厳しい状況に置かれている在朝被爆者は、日本政府を厳しく批判しています。

日本政府は、常々在朝被爆者に対して「国交がなくても被爆者健康手帳取得の申請があれば、交付する」と言っていますが、このことに対し、朝鮮被爆者協会は、現実の問題として困難であることを次のように指摘しています。

①、手帳申請時に必要な証人、入市、居住記録などの提示は、ほとんどできない

②、現実的問題として、日本政府が「人的交流を妨げている」ので、仮に申請のために訪日しようとしても、物理的に不可能。たとえ行けたとしても、殆どの被爆者が病弱で高齢であるため、長距離の旅程は難しいのが現状。「郵送がダメ」ということが、障壁となっており、事実上申請できない。

③、手帳が前提とする考え方では、実質的に救済されない

④、結果、在朝被爆者だけが置き去りにされている。被爆者は、日本政府に「何等の援護も受けられないこと」への恨みを積んでいくなかで死んでいく。「これが同じ死と言えるのか」

⑤、喫緊の課題である医療支援も「制裁があるから」という一言で片づけられている。

⑥、2016年度から朴副会長に「医療費請求の通知」が届いているが、他のすべての被爆者には全く適用されず、むしろ被爆者の中により強い怒りを呼び起こしている。

特に、①の理由として次のように指摘していることを重く受け止める必要があります。その率直な思いを伝えるため原文(翻訳は、日本側)のまま掲載します。

「それは解放前、日本の広島、長崎に連行された大部分の朝鮮人が、あらゆる民族的差別と虐待を受けながら強制労働を強要され、居住登録はおろか、碌な仕事にも付けず行商や日雇い労働など転々としながら、食べていくのもやっとで命をつないでいる状態のもと原爆の被害に遭った事実と関連します。」としさらに「敗戦を目前にした日本の混乱状況と差別政策によって、彼らが原爆被害を受けたという事実を立証できる居住、または入市記録を提示したり、肉親以外の証人を探したりすることは決して容易なことではありません」と。

 日本政府への要求

こうした実情の上に立って、日本政府への要求として次のようなことを挙げています。

①、被爆者に対する日本政府の謝罪と賠償問題は、日本政府の過去の清算問題の一環として解決されるべき問題。

②、被爆者とその子孫に対する医療支援は、一刻を争う焦眉の問題。

③、早急に、日朝間で被爆者問題を協議し、誠意をもって謝罪し、納得できる結論を出すべきだ。

この3つの要求の中で、私が特に強調しておきたいことは、緊急の課題として「実質的な人道主義的医療措置を早急に講じること」があげられていることです。このことは、朝鮮被爆者協会が、日本政府に対して一貫して求めてきたことです。この問題は、生命の問題です。過去の在韓被爆者支援策の歴史からいっても当然の要求だと言えます。

次回(2、3日後)は、4月22日の対厚労省交渉の様子を報告します。

いのちとうとし

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