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2019年5月 5日 (日)

問われる日本の核政策-その2

一昨日、外務省と核兵器廃絶日本NGO連絡会の意見交換会について報告しました。その続きです。4月23日に提出した「質問と要請」では「核兵器禁止条約について」の3項の一つに「多くの地方自治体や地方議会が、日本製に核兵器禁止条約への参加を求める意見書をあげています。日本政府としては、これまでに何件のそのような意見書を受け取っていますか。また、そのことをどのように受け止めていますか」ということを質していました。これに対する辻外務大臣政務官の回答は「440件の意見書が届いています。これをしっかりと受け止めています。」でした。

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この場では、これ以上の論議は深まりませんでしたが、この回答を聞きながらすぐに私の頭の中に浮かんだことがあります。4月の広島市長選挙で当選が確定した後、マスコミのインタビューに答える松井一実市長の姿と言葉です。「核兵器禁止条約への対応について」問われた松井市長が強調して答えたことは、「自分が会長の間に平和首長会議への加盟都市がどんなに増えた(どれだけ増えたかの成果を強調)のか。平和首長会議の活動をさらに強化する」というものでした。平和市長会議の会長としての取り組みだけでした。私は、このインタビューを「なんで平和首長会議の会長としてではなく、広島市長としての答えがないのだろうか」と平和首長会議の会長にこだわる受け答えに強い違和感を持ちながら聞いていました。聞きたかったことは、「被爆地広島の市長として、核兵器禁止条約への日本政府の姿勢を変えるためにどう取り組もうとしているのか」ということだったのですから。

ですから外務省が「440件の意見書」と答えた時、当選後の松井市長のインタビューを思い出したのです。

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平和首長会議のホームページを見ると、2019年4月1日現在国内の加盟自治体するは、1732都市ですから、440件ではあまりにも少なすぎます。核兵器禁止条約が国連で採択された直後の8月に開催された「平和首長会議総会」では、「平和首長会議は、核兵器保有国を含む全ての国に対し、条約への加盟を要請し、条約の一日も早い発効を求めることをここに決議する。」という「核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議」が採択されています。この決議からいえば、440件は、あまりにも少なすぎるのではないでしょうか。さらにその総会で確認されたナガサキアピールでは「被爆者、市民社会、条約推進国との連携をより一層強め、条約への参加を全加盟都市から自国の政府に働きかけていく。」ことを決議しただけでなく「特に、核保有国と核の傘の下にいる国々の政府には強く働きかけていく。」ことを求めています。まさに日本政府こそ「核の傘のもとにいる国の政府」そのものなのですから、平和首長会議の会長でもあり加盟都市でもある広島市長に求められていることは、加盟都市を増やすことの大切ですが、日本政府への直接的な強い働きかけのはずです。そして国内の加盟都市への働きかけです。残念ながら、平和首長会議ホームページでは、国内自治体の意見書採択などの情報を見つけることができませんでした。

松井広島市長もNPT再検討会議準備会に参加し発言されたようですが、広島市民が期待していることは、平和首長会議会長の役割を果たすことは勿論ですが、それ以上に「被爆地広島の市長」として、日本政府に対し明確に「核兵器禁止条約の署名・批准」を迫ることです。

いのちとうとし  

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