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2019年5月24日 (金)

爆心地から950m 斜屋町-どこだかわかりますか 原爆資料館見学のつづき

今日は、原爆資料館の展示で気づいたことについて書きたいと思います。

最初に気になったのは、展示物につけられた説明文です。

「爆心地から950m 斜屋町」 「倒壊をまぬがれた煙突」の説明文に書かれている被爆位置です。「斜屋町」がどこだかわかりますか。私も50年近く広島に住んでいますが、今回初めて聞いた町名ですし、読み方もわかりません。調べてみると「ちぎやちょう」と読むようです。そしてどこにあったかといえば、現在の胡町、堀川町あたりのようです。

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「斜屋町」と表示されていても、そこがどこかわかる人はほとんどいないと思います。「材木町」「鷹匠町(たかじょう)」などなど、次々と旧町名が現れます。「被爆当時の町名」が表示されていると思いますが、例えば( )書きで現在の町名を入れれば少しはわかり易くなると思います。原爆資料館で話を聞いた女子高生に「材木町ってどこか知っていますか」と尋ねてみました。当然のことですが「???」です。「この資料館が建っているところが、材木町だったんだよ」と言ったら、びっくりした顔。もちろん町名で示すことも大事なことですが、全国、いや世界から多くの人が訪れる原爆資料館ですから、町名だけで(もちろん爆心地からの距離は記載されているが)は、そこが、爆心地から、もしくは原爆ドームから見てどんな方向に、どれぐらい離れた場所かを想像することは、ちょっと難しいように思います。私の提案ですが、もちろんスペースの問題もありますので、大きさも考えなければなりませんが、ぜひ小さくてもよいですので、地図を入れて表示したらよいと思います。そんなことを思いながら移動していたら地図を表示した展示物がありました。

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住友銀行広島支店入り口の「人影の石」の説明文です。これを見れば、「人影の石」がどこで被爆したのか、爆心地から、そして現在の資料館との位置関係などが明確になります。今回のリニューアルで、爆心地からの距離を表示した同心円を示す展示がなかったように思います。爆心地からの距離が書かれていても、なかなかその距離感は実感できませんから、地図があるとよいと思います。

次に気になったことは、東館3階の「核兵器の危険性」のコーナーの中の「核兵器の拡散」と「世界の核弾頭数」のパネルに書かれた説明文です。いずれも、北朝鮮の核兵器保有についての分量が多いことです。「核兵器の拡散」のパネルでは、8行中3行半が北朝鮮のことですが、イスラエルの名前も、米・露以外のイギリスも、フランスも中国の国名も出てきません。

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「世界の核弾頭数」に至っては、7行中4行が、北朝鮮に関する説明です。この説明とセットとなっている左隣のデジタル映像では、1945年以降の世界の核保有量の移り変わりが表示され、最終的には2017年の世界の核保有量がわかりますが、「世界の核弾頭数」で一番強調しなければならないことは、世界が何度も破壊されるほどの13800発(掲示されたもの)をも保有する米・露の問題ではないでしょうか。パネルの説明文には、そのことは全く触れられず、具体的な数字が出ているのは北朝鮮だけです。もちろん、北朝鮮の核保有は大きな問題です。「現在のこと」に限ってとしても、これではあまりにも偏った説明と言わざるを得ません。

あと一つは、同じ東館の2階「広島の歩み」の最後の方にある「海外に暮らす被爆者」のパネルに記載された説明文ですが、このことはリニューアル前の展示ですでに資料館には問題提起をし、「少し時間をください。」という回答を得ていますので、ここでは省略します。

こんなことを考えながらの原爆資料館見学でした。修学旅行生など沢山の参観者があり、なかなかゆっくりとみることはできませんが、ぜひ早めに訪問してみてください。

いのちとうとし

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