広島平和記念資料館 本館展示リニューアル内覧会に参加して(その2)
内覧会があった日、私は原爆供養塔などを巡ってから資料館に入りました。付近には平和の鐘や被爆した墓石(かつてのこのエリアの地表レベルが分かる)もあって、多くの人が訪れる原爆の子の像の近くながら、比較的人が少なく落ち着ける場所で、私の好きなエリアです。この日も、新緑の中に落ち着いた佇まいを見せていました。このエリアには韓国の原爆犠牲者の慰霊碑もあります。
(被爆した墓石)
(韓国人原爆犠牲者慰霊碑)
リニューアルされた資料館本館の展示では「故郷を離れた地で」とのタイトルで外国人の被爆にも触れて、南方留学生、朝鮮半島出身者などが取り上げられています。
この部分の展示を見て、原爆があの日広島に居合わせた人たちすべてを傷つけ命を奪い去ったのだと改めて思うと同時に、折角ここ資料館を訪れたからには少し足を伸ばして平和公園を巡り、慰霊碑や遺構を見て欲しいものと思いました。公園内には引き取り手のない遺骨が眠る供養塔があり、外国の人の慰霊碑もあります。また、説明板があってかつてこの地が多くの人々で賑わう街であったことも示しています。
(本館から原爆死没者慰霊碑、公園を望む)
資料館ではあの日の惨状とそれに続く苦難の日々を凝縮して見ることができます。資料館から出て公園内を歩くと、緑にあふれる公園となっているこの地がかつては繁華な街であったこと、それが一瞬で破壊され、現在は平和を願う象徴的な空間となっていることを実感するでしょう。
現在はインターネットを通じて映像・写真を見、様々なことをリアルタイムで知ることができてとても便利です。このブログをご覧の方もインターネットの環境を利用しているわけですよね。しかしながら他方で、実際のものを見ること、現実の空間に身を置いて自分の意識でその場所の雰囲気を感じ取ることもまた大事なことではないでしょうか。原爆資料館、平和記念公園で、そして広島の街で、自分自身で様々なことを感じ、思いを巡らせて欲しいと思います。
最後に。資料館展示のリニューアルに関しては、新聞やテレビなどで紹介され、また論評もされることでしょう。展示がリニューアルされたとはいえ、これから新たな事実が判明することもあるでしょう。また、展示に関する批判が寄せられることもあるでしょう。資料館にはそれらを真摯に受け止め、状況に応じて展示を変えていくことが求められると思っています。平和記念資料館はそうあるべき、そうあって欲しいと願っています。
リニューアル完成にこぎ着けた関係の方々の努力に敬意を表して筆を擱きます。
2019年4月24日記 (こういちろう)
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