#気になる日本語 ―― #感謝と #お礼を申し上げます ――
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―― #感謝と #お礼を申し上げます ――
#昔は敬意と感謝を表します、だった
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気になる日本語を考え始めるとキリがないのですが、今回は「○○の落成式」とか「○○何周年記念」といった行政主導の式典などちょっとフォーマルな場で、「偉い人」が読むメッセージについてです。
以前、「出席が叶いません」という表現を取り上げましたが、今回はもうちょっと分り易い例です。
昔よく聞いた表現では、例えば行政の長と言っても、副知事とか助役が代読をするといったケースの方が多いのですが、その時に読む文章の中で、招待した側の組織について、あるいは来賓として出席している組織等について、ほぼ毎回現れるのが「〇〇様の日頃からの御活躍に敬意と感謝を表します」という表現でした。
これは推測なのですが、それより前にはおそらく「敬意と謝意を表します」と言っていたのではないでしょうか。でも「敬意」は分っても「謝意」という言葉には謝るという意味がもありますので、「なんで謝らなくちゃいけないんだ」というような誤解が生じて、「謝意」が「感謝」に変って、でもその他のところはそのまま読まれ続けていた、ということなのではないかと思います。
でも、その結果できた「敬意と感謝」になると、敬意を表しますと言うのは良いんですが、感謝を表しますって言うのはちょっとおかしいですよね。とか何とか、恐らく文句を言う人が出てきたのだと思います。
その後色々と変遷してきているのですが、それは端折って、最近よく聞くようになったのが、「感謝と御礼を申し上げます」です。
これだと「感謝」も「お礼」も最後の「申し上げます」に、続きますから、文法的には問題はありません。でも意味は感謝もお礼も同じことです。繰り返して言う必要は全くありません。
でも、バランス上、「感謝」だけでは座りが悪いですね。何かもう一言ないと収まりが悪いと言うことで、こういう結果になってるいるのだと思います。
でもここは省略をしないで、「敬意を表しますとともにお礼を申し上げます」とかお礼の代りに、「感謝します」という風に丁寧に言えば良いだけの話ではないでしょうか?それをケチって言おうとするから無理が生じたのではないかと思いますが、こんな行政の効率主義が日本語を歪めていると言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、そんな面もあることにも注意していきたいと思います。
皆様にとって、きょう一日が素晴らしい24時間になりますよう!
[2025/2/18 人間イライザ]
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