#2035ビジョン #2045ビジョン 後半
―――#趣旨と #工程表―――

NPT再検討会議とアメリカ大統領選挙

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被爆後100年になる2045年までの核兵器廃絶を目指す、35/45ビジョンの概要をお浚いしています。今回はその後半です。
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2035・2045ビジョン 後半
さて、ここからが私たちの出番になるのですが、最終的に「核の先制不使用」を宣言するのは、核保有国です。私たちは、それらの国の市民でもありません。私たちの思いをどのような形で核保有国にまでつなげれば良いのでしょうか。
《市民運動のお手本》
それには、良いお手本があります。私たちがモデルにしているのは、国際司法裁判所の1996年勧告的意見を引き出すことに成功した「世界法廷プロジェクト」であり、2017年に国連総会で採択された核兵器禁止条約を実現したICANの運動です。
世界法廷プロジェクトは、ニュージーランド市民たちの台所での会話が発端になり、国連総会やWHOを動かして、最後には国際司法裁判所が勧告的意見を出すという結果になりました。
ICANの運動は、核戦争の結果が科学的にどのような人的被害をもたらすのかを、専門家と志を同じくする国々が中心になって、世界各地で大きな会議をいくつも開いて賛同国を増やして行った結果、市民団体も参加する協議体であるOEWGというメカニズムを国連総会が作り、そこで条約の基本形をまとめるというシナリオで進められました。しかし、このモデルを推進したのは、市民団体であるICANが中心になった世界の世論の力です。
これら二つのアプローチを生かし、今回の「35/45ビジョン」として力を入れたいのは、歴史的な積み重ねの力を最大限活用することです。今年2025年は、被爆後80年であるのみならず、原水爆禁止世界大会の第一回から70年後であるという節目の年なのです。
《1955年、2025年、そして2035年》
この年、1955年は象徴的な一年でした。ラッセル・アインシュタイン宣言が発表され、当時「原爆乙女」と呼ばれた25人の被爆女性がアメリカでの治療のために渡米し、原爆資料館が開館した年です。また生きたいと願い、後には平和の象徴となった折り鶴を折り続けた佐々木偵子さんが亡くなり、原爆による家庭崩壊が元で17歳の少女が平和公園で服毒自殺した年でもありました。
その70年後、そして被爆80年、昭和100年という今年は、私たちがこのような歴史の重みと教訓を未来に活かすための行動を、新たな決意で始めるには相応しい年なのではないでしょうか。
2035年までにどのような活動に力を入れるのかについては次の工程表を御覧下さい。
2045ビジョン工程表・2035年までの概略
(それ以降は、それまでの10年間に作成)
2025年 2035・2045両ビジョン作成・公表
2026年 世界の市民が立ち上がる。また世界の世論を結集する--世界のNGO ・マスメディア・ノーベル平和賞受賞者・オピニオンリーダー・志を同じくする国々を巻き込む
2028年 米大統領選挙での主要争点化
2029年 核保有国を含む世界の市民運動本格化---非核保有国・非被爆者の力を結集、かつ、NGO・オピニオンリーダー・マスメディア等との連携強化
2032年 米大統領選挙での再争点化
2033年 国連総会でNFU採択
2034年 核保有国に集中しての大大衆運動
2035年 NFU実現
この中でも特別なのは、2028年と2032年のアメリカ大統領選挙で核の先制不使用を争点化することです。その結果として、2033年には国連総会で、核の先制不使用を明示的に取り出した拘束力のある宣言または条約を採択して貰い、2035年には核保有国がそれを認めるというシナリオを描いています。
アメリカで核廃絶を大統領選挙の争点にするということは、難しいことです。その困難さを乗り越えるためには、日米を中心に世界市民の間での創造的なネットワークを作ることが重要です。
《「2045ビジョン」を合言葉に》
その最初のステップとして、世界中の市民が2045ビジョンあるいは2045年の核廃絶という言葉を「合言葉」として、それが世界の市民の共通目標だということを確認できれば素晴らしいと思います。そのために、平和団体、市民団体、自治体、志を同じくする国々等、核兵器禁止条約締結において有力なプレイヤーだった皆さんに、同じように「35/45ビジョン」を共有していただければ幸いです。具体的にどのような形でこれからの運動を進めて行くのかについては、皆さんのお知恵を拝借したいのですが、自治体ごとに定番の活動を始めることから、という手もあります。
例えば、非核都市宣言の採択や再確認決議、「核攻撃があったら風上に逃げる」が目玉の国民保護計画改正運動、35/45ビジョン推進決議または条例の制定を促すロビー活動、TPNW批准国の都市との姉妹都市提携、非批准国の都市と姉妹都市になって連携して批准を促す等々、簡単にできることから始めましょう。
そのためにも、ちょっと頑張って勉強してみましょう。一例として、国の方針でどの自治体にも「国民保護計画」作成が義務化されています。そして広島・長崎以外では、核攻撃の際に市民を守る対策として、「爆心地から離れる」といった非現実的レベルの行動が規定されています。全自治体がこれを「核攻撃があれば、市民を守ることはできない」と改訂することだけでも、日本政府には大きな衝撃になり、日本政府の核政策転換の第一歩になるかもしれません。
「2045ビジョン」を合言葉に8月6日から皆さんと一緒に具体的な行動が取れることを願っています。
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昨年、2024年の原水禁世界大会の開会式で、私は締めの挨拶をしたのですが、そこで、35/45ビジョンについての提案をしました。動画で見て頂いた方が届き易いかもしれませんので、次回は動画を紹介します。
皆様にとって、きょう一日が素晴らしい24時間になりますよう!
[2025/7/9 人間イライザ]
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