#ザ・デイ・アフター放映後の #ヴィーゼル氏発言 ――#イスラエル大使の言葉と #重なりました――
#ザ・デイ・アフター放映後の #ヴィーゼル氏発言
――#イスラエル大使の言葉と #重なりました――
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Buchenwald_Slave_Laborers_Liberation.jpg public domain
1945年4月、解放直後のブッケンヴァルト収容所
(下から二段目、7人目がヴィーゼル氏)
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被団協の箕牧智之さんの「ガザでの紛争で傷ついた子どもたちと、原爆孤児の姿が重なる」という発言を、駐日イスラエル大使が「不適切かつ根拠に欠ける」とコメントしたことを知りました。(ニュースソースは朝日新聞DIGITALです)
これを聞いて、『ザ・デイ・アフター』というTV番組後の討論会で、ゲストのユダヤ系アメリカ人、エリ・ヴィーゼル氏のコメントが、私の頭の中で重なりました。この番組は、1983年にアメリカのABCテレビが放映したもので、アメリカ中で見なかった人はいなかった、とまで言われた番組です。
このサイエンス・フィクション物語は、米ソ間の核戦争が起りアメリカ中西部の都市、カンサス・シティーも核爆弾で一瞬のうちに壊滅するという設定です。さらに、「アフター」が示すように、その後の放射線による悲惨な運命も描かれています。
この番組の放映直後に開かれた討論会でのヴィーゼル氏の発言は次のようなものでした。(記憶だけに頼っていますので、不正確なところがあるかもしれません)
今皆さんは、大変ショッキングな、この世のこととも思われないような悲惨な場面を目にしました。でも、これはフィクションなのです。そして、これと同じ、いやそれ以上かもしれない悲惨なことを「実際に体験した人たち」がいるのです。それは、ホロコーストを体験したユダヤ人たちです。
核戦争とその惨状を主題にした、そして「原爆」と言えば、「パール・ハーバー」が戻ってくるアメリカでも、原爆による犠牲者の存在は広く知られていたのですから、「実際に体験した人」は広島・長崎の被爆者だと、ヴィーゼル氏が言ったとしても不自然ではありません。逆に被爆者への言及のなかったことの方が驚きでした。
怒りに似た気持ちにもなりましたが、私を正気に戻してくれたのは、高橋昭博さんはじめ多くの被爆者の皆さんが繰り返し語ってこられた言葉でした。それは「人間として大切なのは、他人の痛みの分る心を持つこと」です。それとともに、冒頭に掲げた写真やかつて見たことのあったホロコーストのイメージでした。
それが心に蘇り、核被害を目の当たりにしても、自分たちの受けた非人間的で残酷な仕打ちがヴィーゼル氏やユダヤ人の皆さんの脳裏には鮮明だったに違いないことに思い至り、改めてナチスの犯罪の大きさ重さを確認することになりました。そして今という時点に目を転ずると、イスラエル大使も、ヴィーゼル氏と同じよう視点でホロコーストと原爆の被害を「比較」していたのかもしれません。
自らの体験を元に、「他人の痛み」を感ずることのできる被爆者たち、そして、原爆の痛みを目の前にして、自らの体験と悲劇に思いを馳せるヴィーゼル氏やイスラエル大使、どちらも戦争や迫害、ジェノサイドの結果生まれた人間的な反応です。どちらが正しくどちらが間違っているという判断を超えた次元の人間の姿だと受け止めたいと思います。そして私は、難しくても「他人の痛み」を感じられるよう、今でも努力しています。
[註: ①ヴィーゼル氏のユダヤ人よりの姿勢には、ユダヤ人社会の間にも批判があるようです。あくまでも彼個人の昔の発言について、私個人が当時、感じたことの報告ですので、念のため申し添えます。②個人の発言や行動についての個人の感想とは別に、こうした考え方を元に国家がどのような施策を展開するかについては別の議論が必要です。]
最後に、今日一日が皆さんにとって素晴らしい24時間になりますよう
[2024/10/18 人間イライザ]
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