袴田巌

2024年10月23日 (水)

#最高裁判所裁判官 #国民審査 #全員×はどうですか? ――#形骸化した審査制度そのものを抜本的に改革する――

#最高裁判所裁判官 #国民審査 #全員×はどうですか?

――#形骸化した審査制度そのものを抜本的に改革する――

241022

https://www.courts.go.jp/saikosai/about/photo/index.html

#選任の仕方も透明化する

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衆議院選挙と同時に最高裁判所の裁判官の国民審査が行わなれます。罷免すべき裁判官の欄に「×」印を付けるというだけの簡単な投票方法なのですが、いくつもの問題点があります。制度の概要と主な問題点については、東京新聞の社説が分り易く指摘してくれていますので、そちらを御覧下さい。

また、これが憲法で決められていることも重要です。最高裁判事の罷免が国民の権利であることは、憲法解釈も最終的には国民の意思に依るという原則を示しています。条文を掲げます。

79最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。

さて問題の一つは、最高裁判事の名前も仕事の内容も、普通の庶民には馴染みがないということです。知らない人について、最高裁判事としては評価できるかできないかを聞かれて、「×」を付ける人はごく少数でしょう。多くの人は何も印を付けない、あるいは無視するということになるはずなのですが、それは、裁判官が立派な仕事をしているという判定だと見做されるのです。

その結果、これまでの国民審査で「×」の付いた割合は、ほとんど全て10%を下回っています。感覚的には、ちょっと変だという気持なのですが、それ以前に議論すべきことがあります。それは、最高裁の判事がその仕事を全うしているのかいないのかを判断する基準はどのようにものであるべきなのかについて、私たちにはほとんど分っていないという点です。

この裁判では賛成、あの裁判では反対というリストを貰っても、そもそもの基準が分っていない人にはあまり意味がありません。

さらに、時間の経過による判断のずれがあります。最近ようやく無罪が確定した袴田巌さんの場合だけからもその点は明らかです。最高裁判所は、少なくとも二度にわたって、袴田さんに不利になるような決定をしています。今になってそれか誤りだと分っても、当時の裁判官はもう退官していますので、国民審査で「×」を付けることはできません。

そして、このような制度の根幹に関わるような事柄についての欠陥をそのままにしておいて、つまり、今の制度では国民が本来判断すべき事柄について、国民の意思は反映されていないことが分っていながら、その制度を改善しようとしない最高裁判所の判事たちすべてに、責任があると言っても良いのではないでしょうか。

私は専門家ではありませんので、良い知恵は浮かびませんし、憲法改正以下必要かどうかも分りませんが、例えば、死刑のような重要な判決については、そのたびに国民審査をするということであれば、私たち一人一人の理解度も関心の高さも今とは格段に違ってくるのではないかと思います。

[念のため、私は死刑制度は違憲だと考えています。詳細は『数学書として憲法を読む――前広島市長の憲法・天皇論』(法政大学出版局)を御覧下さい]

もう一点は、東京新聞の社説が述べているように最高裁裁判官として誰かを選任するプロセスを公開し、かつ国会できちんとした事前審査を行うことです。それと、国民審査を組み合わせるのも一法かもしれません。

とにかく、今のままの国民審査てはいけないことについて、私たちの声を上げる必要があるのではないでしょうか。そのために今回の国民審査を使うという手もあります。これほど重大な欠陥をそのままにしている最高裁の裁判官たち、「問題がある」「立法や行政でも改善策を考えるべき」という発言さえしない裁判官たちに、全員「×」を付けるという手です。

 

最後に、今日一日が皆さんにとって素晴らしい24時間になりますよう

[2024/10/23  人間イライザ]

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2024年9月26日 (木)

#袴田巌さん #再審無罪 ――#60年近くの闘い――

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――#60年近くの闘い――

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#死刑は憲法違反

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袴田巌さんの再審判決が静岡地裁から出されました。当然、無罪です。でもこれを勝ち取るために、60年近い歳月が掛かっています。何とかならなかったのか、そしてこれから同じことが起こらないようにするにはどうすれば良いのか。人質司法を止めさせるために何をすれば良いのか。

即効薬のないことが歯痒い限りですが、死刑を廃止することも重要です。それも死刑は憲法違反であるにもかかわらず、それが無視され続けています。この点については、拙著『数学書として憲法を読む――前広島市長の憲法・天皇論――』(法政大学出版局、2019)をお読み頂ければ幸いです。

偶然ではありますが、兵庫県の斎藤元彦知事が、県議会の不信任決議を受けて、失職そして知事選挙という道を選択しました。68人の県議会議員全員の意思としての不信任に対して、県民が再度意思表示を行えるという制度があるのは大切です。でも袴田さんの場合と比較して、一人一人の個人の人権をもっと迅速に守れる制度的な措置が必要なことは私たち共通の願いなのではないでしょうか。

でも、悲観的にならざるを得ないのは、「裏金議員」と言われた議員たち全員を不起訴処分にした検事が、閣議、つまり現政権の意思で検察トップの検事総長に就くような人事が行われているからです。

そうは言っても、結局、私たち一人一人が当事者として、選挙という手段、そして最高裁判事の国民審査を有効に生かさなくては、何事も始まりません。

 

今日一日が皆さんにとって素晴らしい24時間になりますよう

 

[2024/9/26  人間イライザ]

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