#損得が関わらなければ #現状維持 ――#同級生の投票行動から考える・第4回――
#損得が関わらなければ #現状維持
――#同級生の投票行動から考える・第4回――
選挙結果は無党派層が動かしている
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まだこだわっているのかと笑われそうですが、東京都知事選挙についての同級生との話から、私が改めて感じたことを単純化して四つにまとめてみました。(これまでの経緯は、昨日のブログから御確認下さい。)
- 候補者についての「好き嫌い」は、変えられない。
- 自分の投ずる一票がどんな影響を与えるのかについて、多くの人は理解している。
- 自分の損得に直接響かない限り、現状維持を選択する。
- 選挙制度を変え、社会との関わりについて「当事者」意識を持ち、それを共有できれば政治は変わる。
前回は、2.を取り上げましたが、それは、3.と一緒に考えないと分り難いかもしれませんので、改めて説明したいと思います。
前回の結論を要約すると、一つには、私たちが、マスコミ等の情報を元に、いわば「常識」とでもいうレベルで受け止めているのは、選挙の結果の多くは無党派層がどう投票したかによって決まるということ。もう一つは、投票率そのものが低いのも無党派層の動きに大きく左右されているということでした。
もっと短縮すると、選挙結果は無党派層が決めていると言っても良いのですが、2.では、それを無党派層の人たちが理解していると表現しました。(以下、無党派層の人たちと言うべきところでも「無党派層」と簡略化します。)
それは、無党派層が多数を占め続けていること、そして選挙結果を決め続けているからなのです。
選挙結果を見て、当選した側に投票した人は満足するでしょう。逆に負けた方の人たちは悔しい思いをするに違いありません。死票の多さに憤りを感じる人も多いはずです。そして、無党派層は、自分たちの (以下、穏やかならぬ表現ですが、端的に全体像を示すために使います) 「気まぐれ」な投票結果が思う通りになったのですから、「気まぐれ」の部分も含めて満足していると考えて良いでしょう。
その結果として、「無党派層」であり続け、「気まぐれ」な投票をすることも続けていると解釈すると、無党派層が減らない理由も分ります。自分の判断通りに事が運んだことから、次も同じように事が運ぶであろうことを(無意識裡にであっても)、無党派層が想定して選挙そのものを見ていると考えて良いでしょう。それを、「自分の投ずる一票がどんな影響を与えるのかについて、多くの人は理解している」と表現しても良いのではないでしょうか。
となると、(と、ならなくても選挙の結果からの教訓として)、選挙に関わる人たちの立場から考えると、無党派層を取り込むためには、無党派層の構成メンバーたちの政治観、社会観等を知ることが重要になります。
そしてこれまでの多くの選挙結果を見ると、基本的には3.の、「自分の損得に直接響かない限り、現状維持を選択する」が無党派層の基本的な考え方だと言えるのではないでしょうか。
こう書くのは、無党派層を批判するためではありません。一つの解釈として社会全体が保守的になるのは、社会そのものを継続させるために必要なメカニズムなのだ、とも言えるのですが、同時に、為政者たちは意図的に、多くの人がこう行動せざるを得ないような枠組みを作り、私たちはその制約の下生きなければならなかった、そしてそれが今も続いているという側面も重要です。
この点を御理解頂くために、一例を挙げましょう。これは損得以上に人間の尊厳に関わることですが、何らかの理由で生活保護を受けたいと考えている人は、役所に申請をしなくてはなりません。でも、その申請を自治体の窓口が受け付けないという、とんでもない事案がいまだに全国的に見られます。為政者たちの恣意的な思惑で私たちの権利が脅かされているのですが、これほど切羽詰まった状況で、個人が声を上げても、それが届かず、「現状維持」、つまり生活保護が受けられないという状態が続くのです。
「現状」では法律違反が行われているからそれを止めさせるために、法律違反を知っている内部の人間が問題提起をする「内部告発」も、日本社会ではまだまだ異端視されていますし、力を持つ為政者や経営者たちからは、実力で阻止されている事例が後を絶ちません。
兵庫県の職員が法律的に根拠のある公益通報制度を使おうとしても、知事以下の権力がそれを「違法」だと断定して、闇に葬ろうと画策している一例だけで私の言いたいことは十分通じると思います。
選挙に話を戻すと、自分の損得に直接影響があると感じた多くの有権者が自民党に反旗を翻した例として、1990年の衆議院選挙を挙げておきましょう。
その時、社会党の候補者で当選しなかったのは、2,3人で、当選者全員で150名ほど、一年生議員が61人も生まれました。私もその一人でした。その理由は、政府が導入しようとしていた消費税が、従来は自民党支持の中小・零細企業経営者にとって大きな負担になることでした。社会党は消費税導入に反対していたのです。
ここで、「損得」の中に、政治の腐敗や民主主義の破壊、特に金権政治に対する市民の怒りが入る場合もあります。有権者、主権者としての市民が、「政治」に「当事者」として関わる場合、健全な政治を破壊することは、自らの「損」になると感じる人がいるという点が重要です。
長くなりますので、次回に。
今日一日が皆さんにとって素晴らしい24時間になりますよう
[2024/8/14 人間イライザ]
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