派閥

2024年5月17日 (金)

#金権腐敗政治一掃案・第二段階 ―― #複雑な政治を変えるのは大変です――

#金権腐敗政治一掃案・第二段階

―― #複雑な政治を変えるのは大変です――

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#政党の改革も必要です

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金権腐敗政治一掃案のポイントは、公費負担ですし、政治家が公私の区別を明確にすることです。そして政治は複雑です。

当然、継続的に政治を変え、さらに政党も変える必要がありますし、政党の支援部隊、つまり企業とか労働組合等の団体がどう政治と関わり合うべきなのかもについても、大変革が必要です。

そのために、取り敢えず必要な「第二段階」で取り組むべきいくつかの項目を掲げておきました。

 

『夜明けを待つ政治の季節に』からの引用です。

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第二段階で行うべき制度の整備

公費負担制度はこれだけで十分なものではない。もう少し時間を掛けた上で、次のような点も改善しなくてはならない。

() 日常的な政治活動だけでなく、選挙運動も公費によって負担すべきである。ただし、選挙運動は従事する人数だけからち考えてもより複雑であり、どの選挙制度を採用するかによって、公費支出の形が違ってくる。もう少し時間を掛けて、一人一票等価値の原則を尊重する選挙制度改革案と共に、現実的な完全公営選挙実施のための具体案を提出したい。

() 政党の活動は、国の費用ならびに個人献金、さらに法律によって規定する限られた事業からの収人によってのみ行うことにする。特に、政治家が政党のための資金集めに多くの時間を取られないようにしなくてはならない。政党の役割も選挙制度によって大きく影響されるので、選挙制度の改革と合わせて政党法を制定することにしたい。

() アメリカの制度にならって、一定額以上の議員の資産は第三者機関が一括してその管理を行うようにする。その目的は主に二つある。第一に、政治家の扱う金に関して公私の区別を明確にすること。もうつは、政治家による政治的な行動の結果、政治家個人の資産が増減するという因果関係を断ち切ること。

資産の公開(日本式のやり方では、金丸元副総理のように嘘を吐いても通ってしまう)も大切だが、個人の金を公的な政治活動に使わないという公私の区別を明確にするためにも、この制度を導入したい。

() 企業や労働組合その他の団体が社会的に有益な貢献をしたいという熱い思いに駆られてこれまで政党に献金して来た多額の金は、福祉その他国民生活により近い分野で直接、有効に生かす制度を導入する。すなわち、福祉・教育・文化・芸術・スポーツ等の分野においてこれらちの団体が寄付を行う場合の税的な優選措置を講ずる。

**************************************

最後に趣旨を述べるのもおかしな話なのですが、次回は、最後のまとめとして

なぜいま公費負担なのか

を掲げます。1993年時点での考え方ですが、いまでも同じような議論をし続けなくてはならないのが歯痒くてなりません。

 

今日24時間が、皆さんにとって素晴らしい一日になりますよう!

[2024/5/17 人間イライザ]

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2024年5月15日 (水)

#金権腐敗政治一掃案・その2 ―― #簡単な説明――

#金権腐敗政治一掃案・その2

―― #簡単な説明――

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#無作為抽出による監査

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さて、「金権腐敗政治一掃案」の本体の要旨は(イ)なのですが、それ以下の説明を(ロ)から(ヘ)としてお届けします。

『夜明けを待つ政治の季節に』からの引用です。

 **************************************

解決策は公費負担、つまり政治家が金を集めなくてもよいシステム

() 公費によって「最低限」の政治活動が行えるように、国会議員への政治活動費を増額する。たとえば、毎月の支給額を約830万円、年間支給額を一億円にする。この金額は、次のような目的で使用することを前提に考えると、順当な額だと考えられる。

秘書を含めて立法調査等のスタッフ五人分の給与とボーナスーー3,600万円

事務所の維持費――1,220万円

政治活動費――3,000万円

議員個人の生活費(税込み)――220万円

合計ー億円

前項に掲げた私の[資産公開]と政治活動報告の約二倍である。その主な部分は、スタッフの給料と活動費、そして議員個人の生活費である。

() この制限の目的は、第一に、政治家の収入について何らかの疑念が生じた場合、子供でも明確な判断が行えるような基準を設けることにある。公費以外の収入が現実にあっても、それを隠すことは可能かも知れない。しかし、現在よりははるかに隠し難くなる。しかも、一旦不正が見つかった場合、それが不正であることについての疑義は全く生じない。

次に政治家の個人所得ならびに個人の金を政治活動に使うことに関連して、現状では、会社の経営、株の売買、講演や執筆活動等、国会議員が国会以外の場所で得る収入に対する実質的制限は存在しないと言ってよい。私の提案では、こうした個人収入を全く認めない。

その理由は、まず第一に、政治家が政治家として権力を行使できる間は、自分の資産を増やしてはならないという原則を確立するためである。

次に、このような個人収入と、政治活動のために受ける献金との間に明確な境界続のないことが、政治と金の関係を不明朗にしているからである。政治家が個人としていかなる報酬も受け取ってはならない、という厳しい制限を設けることによって、この点についての境界を明確にすべきだと思う。

さらに、公費で政治活動を賄う以上、それ以外の収入を制限するのは当然であり、かつ政治家が公費によって活動を保証されている間は、その活動に100パーセント専心すべきでもある。それが、この制限のもう一つの目的である。

() 生活費以外の支出には全て領収書を添付することにした上で公開が義務付けられていても、不正の生ずる可能性は残る。したがって、毎年、何人かを無作為に抽出して詳細にわたる監査を行う。万一不正が発見された場合は、さらにその数を数倍にしてその年内に特別監査を実行する。全ての議員について詳細な監査を行うことは、金が掛かる上、監査がなくても自発的に正直な報告がされるようなシステムを作ることも目的の一つなので、無作為抽出による監査・調査によって、その土壌を作りたい。

また議員スタッフの行う仕事については、有権者とのコミュニケーションや立法のための調査等を中心にいくつかの分野を明確にしておく。ただし、スタッフの使える経費も、かなり厳しく制限されている公費総額の一部であり、その額から判断して選挙運動用の不正な使用、たとえば供応に使われる可能性は少なくなる。

() 現在の公職選挙法や政治資金規制法では、刑事罰を受けないと議員資格は剥奪されないことになっている。刑事罰との連動制を止めて、違反があった場合、即座に議員は首になるよう制度を改める必要がある。

() 連座制を強化すると、政敵を陥れるために手下を敵のスタッフとして送り込み故意に違反を起させるようなケースが生じるかも知れない。これを防止するためには、議員本人の資格剥奪と同時に、不正行為を行った当事者に対しても厳罰を与える必要がある。

() 既に指摘した通り、かなりの数の国会議員が金集めに、仮に半分の時間を費やしているとすれば、それに要する時間が不必要になり、かつアルバイトも禁止されれば、政治家はフルタイムで政治活動に専心することになり、現在のレベルの政治を行うためには現在の半分程度の数の政治家で十分になる。

同時に、衆議院と参議院との役割分担を行い、各々の性格もはっきりさせることで立法の効率化を図り、民意がより正確に反映されるシステムにする。

**************************************

もちろん、これで全てが解決する訳ではありません。間に、脇道に逸れるかもしれませんが、それに続いてお届けするのは、

第二段階で行うべき制度の整備

です。

 

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[2024/5/15 人間イライザ]

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2024年5月14日 (火)

#金権腐敗政治一掃案 ―― #簡単明瞭 #一目瞭然――

#金権腐敗政治一掃案

―― #簡単明瞭 #一目瞭然――

240513 

#ゴミは掃き出しましょう

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さて、これからが「金権腐敗政治一掃案」の本体です。

お読み頂けば、何方にでも納得して頂けるはずです。「簡単明瞭」、「一目瞭然」そして「効果抜群」です。そしてこの案を採用後の日本の政治は、「天下泰平」になること請け合いです。問題は、私たちにこの案を受け入れるだけの勇気があるのか、です。

『夜明けを待つ政治の季節に』から引用します。

 

**************************************

解決策は公費負担、つまり政治家が金を集めなくてもよいシステム

ここに掲げた四つの基準に照らして合格点を賞えるようなシステムの内、最も簡単明瞭で効果的だと考えられるのは次のようなシステムである。このシステムの中心的な考え方は、

() 公費で政治活動を賄う。

() それ以外、政治家がビタ一文たりとも収入を得ることは一切認めない。

() 生活費以外の支出については使用目的を限定し、また支出の内訳は全て完全に公開する。

() 上記の()あるいは()に違反した場合は即座に議員資格を剥奪し、再び立候補できないぃものとする。

() 連座制を厳格に適用し、秘書や家族の名を持ちだして議員が免罪されることのないようにする。

() 上記()の財源確保のため議員数を衆議院200人、参議院100人に減員する。

より詳しく説明すると、

() 公費によって「最低限」の政治活動が行えるように、国会議員への政治活動費を増額する。たとえば、毎月の支給額を約830万円、年間支給額を一億円にする。この金額は、次のような目的で使用することを前提に考えると、順当な額だと考えられる。

秘書を含めて立法調査等のスタッフ五人分の給与とボーナスーー3,600万円

事務所の維持費――1,220万円

政治活動費――3,000万円

議員個人の生活費(税込み)――220万円

合計ー億円

前項に掲げた私の[資産公開]と政治活動報告の約二倍である。その主な部分は、スタッフの給料と活動費、そして議員個人の生活費である。

**************************************

次回は、説明の残りの部分、()から() でです。

 

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[2024/5/14 人間イライザ]

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2024年5月13日 (月)

#解決策の条件 ―― #分り易いこと #抜け道がないこと――

#解決策の条件

―― #分り易いこと #抜け道がないこと――

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#ザル法でないこと

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前回は、「政治家個人が不足分を集めなくてはならない現行システムの弊害」の後半をお届けしました。現行システムの短所はお分り頂けたとして、解決策を提示したいのですが、その前に今回は、「どの解決策が最適なのかを判断する基準」です。

「政治改革」というお題目を掲げ、最善の「解決策」は「小選挙区制」の導入だというまやかしで、政治全体が暗転してしまった歴史から教訓を汲まなくてはならないのですが、そのためには、どんな解決策でなくてはならないのかという条件を事前に設定しておく必要があります。

それは、『夜明けを待つ政治の季節に』から引用します。

**************************************

どの解決策が最適なのかを判断する基準

以上、現在のシステムについての欠陥を指摘したが、これに対する解決策は幾つも考えられる。その内のどれを選択するかに当って、比較検討のための物差しが必要になる。私は、次の四つの基準が大切だと考えている。

(1)  法律を守っている人と法律違反をしている人との区別が、子供にもはっきり分り、検察や裁判所もそのような常識通りの判断を下せる制度であり法律であること。現在の法律では、常識外カの政治献金を受けていても法律違反にならないようなケースが多過ぎる上、法律に詳しくなければ国会議員でも法律違反かどうかの判断さえできないのである。法律を守るそして守らせる第一歩は、国会議員も市民も子供も、法律が何を禁止し何を許しているのか容易に理解できるような、法律や制度を作ることではないだろうか。

(2)  抜け道・抜け穴が簡単に作れないような法律であること――現在の政治資金規正法はザル法である。たとえば、現行法でも一つの政治団体に対して一つの団体が寄付できる最高額は一応決っている。しかし、一人の政治家が作ることのできる政治団体の数には制限がない。金丸氏の五億円も500の政治団体を作り分散しておけば二〇万円払わかなくて済む、それが現在の法律の規定である。この他にも多くの抜け道・抜け穴がある。このような抜け道・抜け穴のない法律を作る必要がある。

企業や団体の献金を禁止することももちろん大切だが、個人献金が許されるのであれば抜け道を探すのは容易なはずである。たとえば、会社の役員報酬を引き上げて、その差額を個人献金として寄付することなど誰でも当然考えることだろう。もし、この形での抜け道が塞がれても、金を集めなくてはならない人がいて、金を出したい人がいれば必ず別の抜け道を探すはずである。金集めの必要性をなくすといった根元の所での厳しいぃ対策を講じなければ、イタチごっこになることは目に見えている。

(3)  罪と罰のバランスが取れていること――五億円貰って二〇万円の罰金では誰だっておかしいと思う。今政治家に求められている資質は、何よりも金や権力についての清廉潔白さである。金についてどんな厳しい法律であっても違反を起すような政治家は、政治家をやめて貰うべきだという判断基準を確立する必要がある。罰金を払い、刑に服しても次の選挙には簡単に立候補できる制度、当選すれば議員を続けられるといった制度では、政治の腐敗はなくならない。

(4)  金権腐敗政治の原因を現実的に把握した上での解決策であること。特に、政治家個人が金を集めなくてはならないという「謝悪の根源]に対する解決策であること――この点についての解決策でない限り、必ず誰かがどこかで抜け道・抜け穴を考えることになり、金権政治は続くことになる。

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次回はいよいよ「解決策」です。

 

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[2024/5/13 人間イライザ]

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2024年5月12日 (日)

#政治家が #金を集める #現行制度の #弊害 (後半) ―― #金集めに時間を掛けざるを得ない――

#政治家が #金を集める #現行制度の #弊害 (後半)

―― #金集めに時間を掛けざるを得ない――

240512

私腹を肥やす政治家も生まれる

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前回は、「政治家個人が不足分を集めなくてはならない現行システムの弊害」の前半をお届けしました。前半のポイントは二つでした。

(1)お返し・見返り文化が悪循環の源

(2)金儲けの上手い政治家が力を持ち派閥が出来る

後半も『夜明けを待つ政治の季節に』から引用します。

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(3) 議員は政治活動そっちのけで金集めに奔走する

派閥のボスが金をくれるからといって議員個人の集金活動が全く不必要になるわけではない。自民党の若手の集まり、ユートピア研究会の調査でも、収入の75パーセントは自分で調達しなくてはならないとのことである。いずれ派閥のボスになりたいと考えている政治家は自らの子分に金をばらまくために金集めをする。その結果、共和事件()被告の阿部文男議員(議員辞職すべきだが)が「とにかく金が欲しかった」と言ったように、なりふり構わず金を集めなくてはならない政治家も多くなる。

政治献金であれパーティーであれ、議員個人の名前で金を集めれば、議員個人が動く必要が生じる。秘書や家族だけが頭を下げて数千万あるいは億という単位の金が集まるはずのないことも、儀礼を重んじる日本社会ではあり得ない。

その結果、本来であれば政策の勉強や調査を行い、政策実現のための様々な可能性について議論を戦わせた上で、具体的な法律や政府の施策に仕上げて行くという、政治家本来の仕事に割ける時間が大幅に減ってしまっている。金は本来、政治活動を行うために集めるべきものであるにもかかわらず、金を集めるための時間が政治活動を圧迫し、金が先、政治が後という本末転倒さえ起きている。-

(4)私腹を肥やす悪徳政治家も後を絶たない

仮に政治家個人の責任で金集めをしなくてはならないにしろ、集めた金が全て国民のため政治を良くするために使われるのならまだ我慢できる。しかし、金丸元副総理を持ち出すまでもなく、政治活動のために集めたはずの金がしばしば議員個人の懐に入り、豪邸や高級車に化けてしまっている。

「苦労して集めたお金なのだから、その一部を使って少しくらい楽な暮しをしたって罰は当らない」、「自分で集めている内にどこまでが公でどこまでが自分の金だか分らなくなってしまった」そんな言い訳が聞えて来る。

もっとも、政治家個人の責任で金を集めるシステムを変えることで、こんな言い訳は全く通らなくなる。

 

() 共和事件については、Wikiwandの説明が簡明です。佐川急便事件やこの共和事件のような、政治と金との関係を絶たなくてはならなかったのですが、それが「政治改革」という美名を被せられ、結局権力を増長させる「小選挙区制度」の導入になってしまったのですから、再度、この頃の汚職事件を振り返ることで、同じ轍を踏まないようにしたいものです。

 

次に金権腐敗政治の一掃案を提示したいのですが、その案をまとめるの当って、いろいろな可能性があります。その中からどれを選ぶべきなのかを判断する基準を明確にしておかないと、「小選挙区制度の導入」などというとんでもない過ちを犯すことになり兼ねません。それを武具ために、次回はその基準を明確にしておきます。

「どの解決策が最適なのかを判断する基準」

 

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[2024/5/12 人間イライザ]

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2024年5月11日 (土)

#政治家が #金を集める #現行制度の #弊害 (前半) ―― #金の力が政治を動かす ことになる――

#政治家が #金を集める #現行制度の #弊害 (前半)

―― #金の力が政治を動かす ことになる――

240510

絵に描いたようなボスではないかもしれませんが

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これまで二回にわたって、

政治家は警察官以上に「公私]を唆別すべきである

ことを説明しました。納得して頂けたとすれば嬉しいのですが、別の視点から政治と金の問題に切り込んで行きましょう。タイトルは、「政治家個人が不足分を集めなくてはならない現行システムの弊害」です。これも二回に分けて『夜明けを待つ政治の季節に』から引用します。

**************************************

政治家個人が不足分を集めなくてはならない現行システムの弊害

公私混同の一つの結果として、現在の日本では、政治活動の費用が足りなければ、足りない分は政治家個人の責任で集めるべきだという原則が定着しているが、まずその弊害を念のため列挙しておこう。

 

(1)お返し・見返り文化が悪循環の源

政治家個人が金を貰えば(と言っても、後援会の場合もある。しかし、政治家の名前が表に出ており、「借り」を作るのは政治家個人である)必ずお返しをしなくてはならない。政治家として良い仕事をするといった精神的な見返りではなく、人金銭的物質的な見返りが要求されるあるいは期待されるのが日本社会の現状ではないだろうか。お中元・お歳暮・冠婚葬祭における御祝儀や香典等、いわば「心]を物や金で表現する伝統がその根底にあるのではなかろうか。

一方では見返りを期待して政治家に金を渡し、政治家は思に報いるためにお返しをする。約束を守った「先生」には、お世話になったお礼を届ける、といった悪循環がここから始まる。

(2)金儲けの上手い政治家が力を持ち派閥が出来る

政治家の中にも当然、金儲けの上手い下手の差がある。金儲けの上手い人が多額の金を集め、それを仲間や「子分」に融通しても、これまた自然である。初めは純粋に友情や助け合いの気持であっても、一度貸し借りの関係が出来ると、苦労するよりは少しでも楽をして金を集めるようになるのが人情でもある。

こうして、金儲けの上手い政治家がボスになり派閥が出来上がる。大きい派閥の領袖が総理大臣になる図式は改めて指摘するまでもない。もちろん、金儲けの上手さがそのまま政治家として一番必要な要件であるのなら問題はない。しかし、これまでの苦い経験から明らかなように、金儲けの上手さでリーダーを決めて来たからこそ日本の政治は三流だと言われているのではなかろうか。

 

[現行制度の弊害(後半)に続きます]

 

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[2024/5/11 人間イライザ]

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2024年5月10日 (金)

#政治家は #警察官より #厳しく #公私を #峻別すべし (後半) ―― #政治家は法律を作る立場だから――

#政治家は #警察官より #厳しく #公私を #峻別すべし (後半)

―― #政治家は法律を作る立場だから――

240509

警察官は法律を守り守らせる立場

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前回は、

[主張 ①] 政治家は警察官以上に「公私]を唆別すべきである

を掲げて、その趣旨を説明しました。最後には、なぜ警察官の仕事では費用の負担に当って公私の混同が許されないのかという理由を三つ上げました。

まず第一に、公的な仕事は公費で賄うという原則がある。だから、いくら金持ちの警察官がいたとしても自分のポルシェをパトカーとして使わないのである。

第二に、腐敗を防ぐためである。寄付を貰った相手が何らかの罪を犯した場合、情として逮捕するには忍びないという気持になっても当然だがからである。

第三に、仮に寄付集めを認めたとすると、どこに境界線を引くのかが難しくなるからである。仮にスピード違反でチケットを切ろうとしている警官に、ドライバーが高額の寄付を申し出た場合、しかも、重大殺人犯人捜査のためにどうしても金が必要で、その警察宮が寄付集めの責任者だったちらどうなるだろうか。誘惑に負ける警察官だけが悪いと言って済まされる問題でないことは明らかなのではないだろうか。

今回はそれに続けて、政治家を縛る基準は警察官より厳しいものでなくてはならないことを論じています。なお、その中で「佐川急便事件」に触れていますが、詳細は、Wikiwandの記事を御覧下さい。政治と金ばかりではなく、暴力団とのつながりについても、重大な問題をはらんだ事件です。

 

以下、続きの引用です。

**************************************

この理由のどれも、政治家の場合にも考慮しなくてはならない点なのである。実は私はもっと厳しいことを考えている。政治家の公私の区別は警察官以上に厳密に付けられなくてはならないと私は信じている。それは、警察官は、既に出来た法律を執行する立場であるのに対して、政治家はその法律を作らなくてならないからである。

仮に、警察官が公私の区別を踏み越えて曲がった仕事をすれば、それは法律違反という形ではっきりと誰の眼にも分る仕組になっている。スピード違反をしたドライバーを故意に見逃せば、法を守るという仕事を放棄したことになる。それ自体法律違反である。はっきりと判断が下せるのは、既に法律があるからである。

だが、政治家が多額の寄付金を合法的に貰って、一部のドライバーに対して道路上での優遇措置を講じた場合、その違法性は警察官の場合ほどハッキリしていない。事実、佐川事件ではこの点が問題にされている。

だからこそ、汚職事件が後を絶たないのである。明確な線引きを行うためには、政治家が寄付を集めること自体を禁止すべきなのである。それが最も効果的だからこそ、警察官の場合も寄付を集めないシステムになっているのではあるまいか。万一、それ以上に効果的な方法があるのなら、警察官の寄付集めを認めた上でその方法を警察官の寄付集めにも適用すべきだということになるからである。

政治家、特に国会議員の公私を考える上で私が特に強調したいのは、政治家個人の金を政治活動に使うべきではない、という点である。政治家自身の金を使うことを許し奨励している現在のシステムが、政治腐敗の温床を用意したと言っても過言ではない。金に不自由しない政治家が多額の金を使えば、それは、金がなければ政治家になれない環境を作り出してしまうのである。

事実、二世三世議員、あるいは世襲議員がこれほど多くなってきた理由の一つは、金持ちでなければ、そして三バンといわれるカバン (つまり金)、カンバン (知名度)、ジバン (後援会等の組織) がなければ立候補さえ出来なくなっているからである。そして、金のない政治家は、金集めに狂奔することになる。

[これに続いて、次回は、「政治家個人が不足分を集めなくてはならない現行システムの弊害」を取り上げます]

 

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[2024/5/10 人間イライザ]

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2024年1月25日 (木)

#アリストテレス と #トマス・アキナス に #激励されました ――#昔 #国会議員 の #勉強会 で――

#アリストテレス と #トマス・アキナス に #激励されました

――# #国会議員 #勉強会 で――

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アリストテレス他の哲学者

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昔、「フランクリンの会」という名称の超党派の国会議員の集まりがありました。理工科系出身の若手議員10人程の会ですが、科学と政治の両方で活躍したフランクリンにあやかりたいといった気持もあってこんな名前を付けました。

そのフランクリンの会の有志が、1996年5月に、哲学者の今道友信先生にお話を伺いました。テーマは「20世紀から21世紀にかけて考えるべき事」でしたが、一時間で分り易い倫理学概論を講義して頂いたような気がしました。

今道先生の講義の概要を、私が有権者の皆さん向けの報告レポートとして毎週まとめていた『アキバ・ウィークリー』からの引用として、今回再掲させて頂きます。

**************************************

20世紀を振返ると、科学技術による生活条件の向上と人権面での向上はあるものの、重大な問題も多くあります。それを「早過ぎた死」という形で整理すると、次の 5つが典型的です。

第一に、餓死する人の数がこれ程多い世紀はなかったこと。第二には、交通事故死する人の数がやはり多いこと。第三には戦死者の数が多いこと。第四には公害による被害が深刻でその結果としての死も多いこと。最後に自殺者の数が多いこと。それも、イジメの結果のような幼い人達の自殺が特に顕著であること。

この一つ一つについて、如何に問題が大きいかを指摘することも可能です。例えば、人類の歴史が始って以来、20世紀に至るまでの何千年もの間に戦争で死んだ人よりも、20世紀になっての 100年足らずの間に戦争で死んだ人の方が多いのです。そして今や交通事故で死ぬ人の数と自殺する人の数はほぼ同じになっているのです。

ところが、この一つ一つに、倫理学における「徳」が対応しているのです。例えば、アリストテレスによると「正義」とは「ものが公平に分配されること」なのです。そして、この正義がもう少し世の中に認められていたら、世界の餓死者の数は減っていたかも知れないのです。

アリストテレスが二番目の徳として挙げているのは「思慮」それも謙虚な慮りです。もう少し他人に思いやりを持っていれば、交通事故死にも影響が出てくるのではないか、と今道先生は考えるのです。

三番目は勇気です。アリストテレスは勇気を「自分が正しいと信じたことを主張し続ける態度」だと言っているのだそうです。そして、戦争がいけないことだと考えた人達がそのことをもっと主張し続けていれば、戦死者の数にも影響が出てきたはずだと今道先生は指摘します。

四番目は節制です。何事でも限度を超えて作ってしまうのではなく、程良さがもっと徹底していれば、公害は違った姿を取っていたのではないでしょうか。

最後はアリストテレスではなく、中世の神学者トマス・アキナスの挙げた徳なのですが、それは希望です。これはキリスト教の徳なのだそうですが、他人に絶望を与えるような発言をすること自体が罪になるのです。逆に言えば、若い人達に希望を与えるように気を使うことが大人の責任なのです。

この中で私が特に嬉しいと思ったのは、アリストテレスが、正しいと信じたことを主張し続ける態度が「勇気」だと考えたこと、そして、他人に希望を与えることが如何に大切であるかをトマス・アキナスが説いていたという点です。

**************************************

自民党は「派閥」を大変革して、金と人事は排除、本来の「政策集団」に戻すという方針が出されたようです。名称はともかく、謙虚に勉強会を開いて古くからの人類の知恵を学んでいれば、ことによるともう少しまともな政治が生まれていたかもしれません。

 

2024年のこれからも心配ですが、健康に留意しつつ、少しでも良い年にすべく頑張りましょう。

 [2024/1/25 人間イライザ]

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2024年1月20日 (土)

#派閥解散 #30年前の提案 が #実現しました ――#アキバ・ウィークリー 35号 1992年10月9日収録 をお読み下さい――

#派閥解散 #30年前の提案 #実現しました

――#アキバ・ウィークリー 35 1992109日収録 をお読み下さい――

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2,000万円分の札束のイラストです

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とうとう、この日がやってきました。自民党の主要派閥の解散です。岸田派、二階派、そして安倍浜で解散を決めました。私が国会議員として活動し始めてから、身近に経験したことを元に、提案し続けたことです。その一里塚として、1992年10月9日に収録した電話週刊誌、「アキバ・ウィークリー」の第35号をお読み下さい。(クリックすると大きくなります)

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これからが問題なのですが、30年前の教訓としては、「金権腐敗政治の一掃」を錦の御旗にして、迷い道に入り込まないことです。

30年前は、「金権腐敗政治の一掃」が、「政治改革」という名前に変えられ、それは小選挙区制度の導入で解決すべき、というマスコミや学者、そして保身を図る政治家や官僚たちが一緒になって、選挙制度を変えました。

その結果が、今皆さんの目の前で起きていることです。選挙制度を変えても、金権腐敗政治は変らなかったのです。

今回も同じように、この混乱に乗じて、自分たちの政治的主張を社会全体に広めて日本を変えようとする人たちが跳梁跋扈することになるでしょう。

その一つの可能性は、「こんなに酷い社会になってしまったのは、日本民族の誇りが忘れ去られてしまったからだ。国家の品格を取り戻そう。押しつけ憲法ではない自主憲法を制定しよう」辺りでしょうか。

これは、30年も待つことなく、今日明日の内に聞こえ始めてもおかしくありません。

 

2024年のこれからも心配ですが、健康に留意しつつ、少しでも良い年にすべく頑張りましょう。

 [2024/1/20 人間イライザ]

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