#五ノ井里奈さん に #勇気ある国際女性賞
――これを #日本の未来 に #つなげる責任は私たちにある――
Credit: “The Sirota Family and the 20th Century” at Japan Society, NYC | Joel Neville Anderson from New York & Rochester, NY, USA; cropped by Beyond My Ken (talk) 02:43, 3 January 2013 (UTC)
#ベアテ・シロタ・ゴードンさん の #志を受け継がなくてはなりません
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日本社会を覆う、なんとも言えない「モヤモヤ」について、その正体を理解するために格闘していますが、五ノ井里奈さんの「勇気ある国際女性賞」受賞が、一つのヒントを与えてくれているような気がしています。
朝日新聞DIGITALの3月2日の報道によると、アメリカの国務省は、元自衛官の五ノ井里奈さんに、勇気ある国際女性賞を授与することにしたそうです。
受賞理由は、「セクシュアルハラスメントと説明責任を国民的議論に押し上げ、伝統的な日本社会でタブー視されてきた問題に光を当てた。性被害を受けた無数のサバイバーたちが、沈黙の中でこれ以上苦しむことがないよう、自らの体験を名乗り出ることを後押しした」こと。そして、彼女の勇気ある行動の結果、「自衛隊はジェンダーを問わず日本人が尊厳を持って国を守れるよう、より安全な職場の構築を進めている」ことになったとも述べています。
五ノ井さんの勇気について、また我が国のジェンダー・ギャップについて詳細に論じることは他の方々にお任せします。
折角の機会ですから、この賞の他の受賞者たちも一緒に世界という枠組みの中で考えると、この賞を機会に、私たちが改めて日本の未来に責任を持ち、新たな決意で社会全体を変える努力をしなくてはならないことに気付きます。「モヤモヤ」があっても努力を続けなくてはならないのです。
そのために、アメリカ国務省のホームページを見ると、この賞の今年の受賞者は12人です。国別には、アイウエオ順に、アフガニスタン、イラン、ウガンダ、エクアドル、ガンビア、キューバ、バングラデシュ、ミャンマー、ベラルーシ、ボスニアヘルツェゴビナ、モロッコ、そして日本です。
2023年の世界ジェンダー・ギャップ・レポートのジェンダー・ギャップ・ランキングの順だと、次の通りです。
41位 ベラルーシ
51位 エクアドル
59位 バングラデシュ
78位 ウガンダ
86位 ボスニアヘルツェゴビナ
119位 ガンビア
123位 ミャンマー
125位 日本
136位 モロッコ
143位 イラン
146位 アフガニスタン
キューバ (ランキングには掲載なし)
改めてこのランキングと受賞者の一覧を見て、日本人一般のジェンダー・ギャップについての認識が甘いことを再認識しています。人権意識と言い換えても良いでしょう。それは取りも直さず、憲法が日本社会に生かされていないことの証拠です。
ジェンダー・ギャップについては、昨年の6月に世界経済フォーラムの発表をマスコミが取り上げています。でも、その結果が政治の世界を揺るがしもせず、社会全体としての対応も悪化の一途を辿るだけで、経済面での30年間の賃金の停滞とともに、何事もなかったのかのような扱いをされてきました。
ジェンダー・ギャップの指数の推移と、賃金の推移のグラフを見て下さい。
ジェンダー・ギャップ指数の推移
賃金の推移国際比較
20年、30年という長い間、女性が虐げられ賃金の面でもこれほどの停滞が続いているのですから、「革命」が起きてもおかしくはありません。しかし、日本の国民は動かなかった。だから20年、30年と続いたのです。社会全体が取り組むべき大きな問題について、毎年数字は公開されていても、それを自分の問題として、「当事者」として受け止めて来なかったということなのではないでしょうか。
その意味で、五ノ井さんの勇気ある行動がアメリカの国務省にさえ認められたということは、逆に我が国の社会の持つ闇の部分が如何に深いのかということを示してはいないでしょうか。
そして、その闇を理解する上で、もう一人の勇気ある女性が頭に浮かびました。終戦直後、女性の権利を日本国憲法に24条として追加するために頑張ってくれたベアテ・シロタ・ゴードンさんです。彼女はGHQという軍組織、そして占領軍という日本側からは従うしか選択肢がなかった存在の中で、日本で一番弱い存在だった女性のために勇気を奮った人だったのです。
もう一つ、これは米国務省というもう一方の公権力の力が生きるかもしれないという点です。五ノ井さんという一人の人間の勇気が元になって、社会全体が大きく変るという良い結果になればそれは素晴らしいのですが、その逆の可能性も残っています。戦前からの軍隊の体質が、今でも自衛隊に残っているとしたら (そしてその可能性は否定できないのですが) 、やがて、五ノ井さんという個人がその大きな力に飲み込まれたり、逆に恨まれたりする可能性さえあるかもしれません。
そんな逆反応を抑えるために、日本社会にはかなりの影響力のある「外圧」、特に「米国務省」からの外圧として、この賞が役立つかもしれないではありませんか。それは、今ようやく始まった (と、少なくとも信じたい) 社会全体での人権、特に女性やマイノリティーの位置付けの見直しを確実にする上で、当然大きな役割を果すはずです。
執拗に、憲法の精神を否定しようとする勢力に対抗するためには、五ノ井さんのような勇気ある人たちを応援し、時間枠や空間枠に捉われずに、至る所で頑張っている「同志」を見付け、連帯し激励し合い、エネルギーを分け合いながら、当り前のことかもしれませんが、努力を続けることが、やはり基本になるのではないでしょうか。
2024年も健康に留意しつつ、少しでも良い年にすべく頑張りましょう。
[2024/3/4 人間イライザ]
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