#京都地裁 は #嘱託殺人 との #判決 ―― #憲法12条 や #憲法27条 とも #関係があります――
#京都地裁 は #嘱託殺人 との #判決
―― #憲法12条 や #憲法27条 とも #関係があります――
#安楽死 についても #さらなる議論が必要です
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全身の筋肉が徐々に衰えるという症状のでる難病、ALS (筋萎縮性側索硬化症) 患者林優美さんに依頼され、2019年に、薬物を投与してこの患者を殺害した罪に問われていた医師、大久保愉一(よしかず)被告に対する判決が、京都地裁から出されました。求刑23年に対して18年の懲役でした。(YAHOO! JAPANニュース、3月5日配信の「8カンテレ」と、毎日新聞の同日配信による)
「8カンテレ」によると、京都地裁の川上裁判長は、「主治医でもなくALSの専門医でもなく、SNSのやり取りがあったにすぎず、これまでの経過や現在の症状も把握せず、主治医や近親者等にも知らせることなく秘密裏に、その日初めて会ったばかりの被害者の十分な診察や意思確認ができるとは思えない」などと指摘。 そして「130万円の報酬の振り込みがあってから行動したのを考えれば、被害者のためを思って犯行に及んだものとは考え難く、利益を求めた犯行であったと言わざるを得ない。被告人の生命軽視の姿勢は顕著であり、強い非難に値する」と断じたとのことです。
被告は、起訴内容は認めていましたが、「林さんの願いを叶えるために行った」と自らの行為の正当性を主張し、さらに弁護側は、嘱託殺人罪を適用するのは、林さんに「望まない生」を強いることになり憲法に反するとして、無罪を主張していました。
安楽死か嘱託殺人かをどう判断するのかは難しい問題ですし、ALS患者の皆さんの気持が最優先されるべきだと思います。
同時に、「数学書として憲法を読む」立場からは、それとは別の見方があることもお伝えしておきたいと思います。詳しくは『数学書として憲法を読む――前広島市長の憲法・天皇論――』の154ページを参照して頂きたいのですが、憲法は自殺を禁止しています。根拠は27条と12条です。ここでは、12条だけを取り上げておきましょう。
第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
憲法の13条と25条、そしてこの12条は論理的帰結として、それぞれ独立に死刑を禁止しているのですが、12条は自殺も禁止しています。それは、「国民の不断の努力」が義務として規定されているからです。「不断」とは、途絶えてはいけないことです。自殺をしてしまっては、不断ではなく、正に努力を断ってしまうのですから、それは12条違反です。
嘱託殺人は、憲法で禁じられている自殺を、他人の手を借りて実行することを意味しますから、二重の意味で禁じられている行為だということになります。出来れば、そこまで踏み込んでの議論をして貰いたかったのですが、憲法そのものを蔑ろにしてきた日本社会としてはこれが精一杯だったのかもしれません。
同時に、改めて安楽死の是非を考えて見ると、こうして、論理だけに依拠して憲法を読んできても、それだけでは、「情理」を尽くす結論にはなかなか行き着けないような気もします。そこから短絡的に、字義通りに憲法を読むことは止めてしまっては、残るのは誕生論になってしまいます。素直にあるがままに憲法を読みながら、より広い見地からのインプットを生かして考え続け、思い続けることが大切だという平凡な結論になりますが、今回はこの辺で。
2024年も健康に留意しつつ、少しでも良い年にすべく頑張りましょう。
[2024/3/6 人間イライザ]
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