国連

2022年9月27日 (火)

「国葬儀」とは、「棄民」政策の成れの果て

「国葬儀」とは、「棄民」政策の成れの果て

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この稿を書いているのは926日ですが、それは国連の定めた「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」です。明日27日は安倍元総理の「国葬儀」です。今回は、この二つの日を本質的に結ぶ文書を再度紹介します。最初に紹介したのは、416日の本ブログでした。タイトルは、「無辜の民間人の命と生活 ――かつては顧みられなくて当然でした――」です。

そうなのです。「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」と安倍元総理の「国葬儀」とをつなぐ文書は、198012月に「原爆被爆者対策基本問題懇談会」、略して「基本懇」が発表した意見報告書です。略して「基本懇答申」または「答申」と呼びます。

この答申のキー・ポイントは、

  • 戦争は国が始める。(これが大前提でないとこのような答申は書けません)
  • でも、戦争による犠牲は、国民が等しく受忍しなくてはならない。
  • ただし放射能による被害は特別だからそれなりの配慮は必要--「お情け」的福祉観。
  • しかし、一般戦災者とのバランスが大切。
  • 国には不法行為の責任や賠償責任はない。

このような、戦争肯定とその被害に対する開き直りを、恥じることなく言語化した人たちが誰だったのかも記憶し続けなくてはなりません。委員(全員故人)7人います。

茅誠司・東京大名誉教授(座長)

大河内一男・東京大名誉教授

緒方彰・NHK解説委員室顧問

久保田きぬ子・東北学院大教授

田中二郎・元最高裁判事

西村熊雄・元フランス大使

御園生圭輔・原子力安全委員会委員

茅、大河内の二人は東大の総長を務めた人たちです。日本政治を動かしてきた官僚組織・制度や日本の思考の元となる学問の世界、その他にも財界や産業界等、いわゆるエスタブリッシュメントを構成するエリートたちを育ててきた人たちです。

そのエリートたちの答申ですから、問題の多いことは当然なのですが、改めて整理しておきましょう。 

  • 国が市民の上位にあり、市民に「犠牲」を強いている。
  • 支配/被支配関係でしか人の命を捉えていない ⇒ 国民主権を否定していることになる。
  • 再度、戦争をするという前提でものを言っている--絶対に戦争をしないのであれば、何年掛かっても犠牲に対する補償はできるし、する。
  • 憲法の精神も、戦争放棄の決意も否定している。

「国」が国民をこれほど粗末に扱っている状態は、「棄民」という言葉が一番ピッタリ来るように思えます。

その上で、26日と27日の意味を考えて見ましょう。「核兵器の全面廃絶」を、命を懸けて訴えてきたのは被爆者です。被爆者援護法とは、本来であればその被爆者の訴えに耳を傾け、彼ら/彼女らの命と生活を支援するために、「国」の戦争責任を認めて、その結果生じた原爆の被害についての補償をする手段なのです。ところが、その援護法についての諮問を受けた基本懇の答申が、「受忍論」だったのです。

つまり「国」は、戦争の犠牲は国民に押し付け、責任も取らず補償もしない。国民はそれを「受忍しろ」という内容です。ただし、被爆者が亡くなったらせめて線香の一本くらいは国が立てて欲しいという被爆者の気持は、「葬祭料」という形で援護法に含まれています。でも、戦争で亡くなった一般戦災者の場合、そのような最低限の形さえないのです。

「国葬儀」とは、戦争の犠牲まで「国民」に押し付ける「国」が、これまた「国民」に押し付ける「葬儀」なのです。亡くなった方への弔意の示し方は個人によっていろいろでしょうが、「国葬儀」を断固否定しなくてはならない理由がもう一つ増えました。

[2022/9/27 イライザ]

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2022年8月28日 (日)

NPT再検討会議で最終文書不採択

NPT再検討会議で最終文書不採択

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「機能不全に陥っている日本の政治・岸田内閣」をシリーズで取り上げています。第2回は、「詭弁」と「強弁」の実例を検証しました。特に、官僚や政治家が常習的に操る「標準的嘘」を念頭に置くことの大切さを強調した積りです。

今回は、そのシリーズの「特別編」と言っても良い、NPT (核不拡散条約) 再検討会議で、最終文書が不採択になったことを取り上げます。

この会議では、全員一致で決定が行われることが決まっています。今回はロシアだけが反対して最終文書が採択されなかったことで、特に欧米諸国はロシアを非難しています。それはそうなのですが、「残念」、「落胆した」、「遺憾」と言っているだけでは核廃絶を進めることにはつながりません。どうすれば良いのか、具体的には次の機会に提案します。

ここで指摘しておきたいのは、「最終文書」の不採択は核保有国にとっては痛くも痒くもないこと、そしてロシア非難によって私たちの目を眩ませている結果になっていることです。

そのために、NPT再検討会議の歴史を振り返っておきましょう。

1995年--NPTを無期限延長

2000年--「核兵器の完全廃絶を達成するという核兵器国の明確な約束」が盛り込まれた

2005年--最終文書採択されず

2010年--2000年の「明確な約束」の再確認、核兵器のもたらす人類への壊滅的破壊、「核兵器禁止条約」「期限」等への言及があった

2015年--最終文書採択されず

2000年と2015年の「明確な約束」は、画期的な表現ですし、2000年には大きな拍手で迎えられました。問題は、にもかかわらず、何も起こらなかったことです。

2015年の再検討会議の結果を総括しておくと、①最終文書は採択できなかった。②その最大の理由は中東、特にイスラエルだった。しかも③2010年に採択された最終文書はこの5年間無視された。という3点が重要です。ロシアはどこにも出てきませんが、2022年は、ロシア一色です。

NPT再検討会議で最終文書が採択されない最大の障害は、「満場一致」方式です。これは元々、「P5」と呼ばれる核保有五か国の利権を守るために採用されたのですが、その他の核保有国にとっても、「核保有」を継続するために「役立って」います。

とは言っても、2010年はアメリカの努力で最終文書が採択されました。それを「成功」と呼んでも間違いではありません。しかし、2015年はオバマ政権が保守派に乗っ取られたため結果が出せなかったという結果になっています。最終文書が採択されてもそれが次の結果につながるのかという実質を冷静に見守る必要があります。

その視点から、NPTにおいて最重要なのは第6条だと言っても過言ではありません。それは、次の「誠実交渉義務」と呼ばれる義務です。

「各締約国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する」

簡単にまとめると、2017年に国連で採択され2021年に発効した「核兵器禁止条約」(TPNWと略)のような条約を作るために、全ての締約国は誠実に交渉する義務を負う、という意味です。

核保有国はこの6条を全く無視し続けてきました。その結果、マーシャル諸島共和国は2014年に、核保有国を「NPT6条の義務履行違反」の廉で、国際司法裁判所に提訴しました。管轄権の問題でこの提訴は却下されましたが、国際社会は努力を続け、2017年には、国連総会が、多数決でTPNWを採択しました。

しかし、核保有国も、日本をはじめとする各依存国もTPNWの交渉に反対しました。これは明確にNPT6条違反です。さらに、未だにNPTの署名も批准も行っていないことが大問題であることも指摘するまでもない点でしょう。

その文脈で、NPT検討会議の最終文書不採択についての岸田総理の言葉を読むと、岸田内閣・日本政府の「不誠実さ」が炙り出されてしまいます。

NPTを維持、強化して行くことこそが核軍縮に向けた唯一の現実的取り組みである。

つまり、日本政府は、被爆者や市民が「悲願」として掲げてきた「核廃絶」ではなく、「核軍縮」が目標であり、NPTの「維持強化」の中には6条の遵守が入っていないことを認めていなければ、こんなことは言えないはずなのです。「核兵器禁止条約」に反対していることには頬かむり、NPTにだけ焦点を合わせているのは、核保有や使用を容認していることと同義です。

もっともその不誠実さと、核保有5か国が今年13日にわざわざ、「核戦争は決して起こしてはならない」、「自分たちの核はどの国に向けられてもいない」等の趣旨を盛り込んだ共同声明を出しながら、ロシアの核脅迫に際しては、「共同声明違反だ」という声を上げていない事実とを比べると、どちらの方が罪深いのか判断に迷います。

こう見てくると、NPT再検討会議における最終文書不採択は、それなりに見通せた範囲にあることもお分り頂けたと思います。しかし、NPT再検討会議の意義はそれだけではありません。この一月、世界の多くの市民と政府、そして多くのマスコミも核保有国の言動に注目してきました。それは、核保有国に対する大きなプレッシャーになっています。

NPT再検討会議が終わった今、私たち市民社会がどのような形でこのプレッシャーを核保有国に対して与え続けられるのか、考えるのも大切です。もう一点付け加えれば、「今になって」考えるのではなく、2015年のNPT再検討会議が終ってからすぐに、考え始めてしかるべきことだったのです。グッド・ニュースはその通りに考えてきた人やグループも存在することです。その人たちやグループは、非核保有国内だけではなく、核保有国の中にも大勢いる事実も重要です。この点については再度論じます。

 

コロナについてもまだまだ油断はできません。皆様、くれぐれも御自愛下さい。

それでは今日一日が、皆さんにとって素晴らしい24時間でありますよう。

[2022/8/28 イライザ]

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2022年8月23日 (火)

『戦争広告代理店』

 

『戦争広告代理店』

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『戦争広告代理店』に現れる主な登場人物

ロシアがウクライナに侵攻した今年(2022) 224日から、世界の圧倒的多くのマスコミは、「ロシア」=「悪」、「ウクライナ」=「善」という形での報道を続けてきました。そのマスコミからの情報が主な情報「源」である私たちは、その善悪の対比をそのまま受け入れることになります。

とは言え私は、それだけではない可能性のあることも頭に入れながら全体の状況を判断する必要があると感じていました。それは、高木徹著の『ドキュメント 戦争広告代理店』(講談社 2002年刊) を読んでいたからです。

舞台になったのは、「ボスニア」と「セルビア」ですが、状況が複雑で簡単な説明ではかなり不正確なことしか伝えられません。

その愚を犯しても、『ドキュメント 戦争広告代理店』の記述に従って簡略に整理しておくと、まず、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の崩壊後、1991年から1992年にかけて、「スロベニア、クロアチア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナの各共和国が独立して、残されたセルビア共和国とモンテネグロ共和国が新たなユーゴスラビア連邦を構成」しました。

この地域、特にボスニア・ヘルツェゴビナとユーゴスラビア連邦での紛争が起きるのですが、ボスニア・ヘルツェゴビナが「ボスニア」と呼ばれ、もう一方のユーゴスラビア連邦は、セルビア共和国のミロシェビッチ大統領の支配下にあったため、単に「セルビア」と呼ばれることがありました。

そしてこの紛争は、「ボスニア」が独立した1992年の春に始まり、1995年の秋には国連の調停で和平協定ができ停戦に至りました。

しかし、この紛争についての真実は未だに分らない部分が多くあります。『ドキュメント 戦争広告代理店』によると、この紛争の最も悲劇的な事件と言われる199425日の「青空市場砲撃事件」についても、死者60人以上、負傷者およそ200人という痛ましい悲劇であるにもかかわらず、「この砲弾が紛争当事者のどちら側から放たれたのか、今も不明である。」くらい、謎に包まれているのです。

しかし、当時の報道、そして今私たちの記憶に強く残っているのは、「ボスニア」=「善」そして、「セルビア」=「悪」という二項対立です。「悪役」として世界的にその名を知られたのが、セルビアの大統領だったミロシェビッチでした。彼は、その後起きたコソボ紛争での責任を問われて、旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(オランダ・ハーグ)において、人道に対する罪などの廉で裁判に掛けられ、その最中、2006年に亡くなっています。

そんな対立図がどのように作られたのかを、詳細に追ったのが『ドキュメント 戦争広告代理店』です。この対立を何より際立たせた象徴的出来事は、1992922日、国連総会において、ユーゴスラビア連邦追放決議が圧倒的多数で採択されたことでしょう。

こうした「善」が「悪」に勝つというシナリオを、約4か月で実現した立役者は、ボスニアの外相ハリス・シライジッチ、そして彼を助けたアメリカのPR会社ルーダー・フィン社、特にそのワシントン支局のジム・ハーフ国際政治局長でした。

 この間、ハーフは、シライジッチが英語に堪能であることを活かして、彼を「ボスニア」のスポークスマンとして、アメリカ社会に売り込みました。そのために、マスコミにどう対応すれば良いのかのノウハウを叩き込むこともしました。そして、マスコミが「ボスニア」での「悲劇」を一言で表すために「民族浄化」というキャッチ・コピーを作り、また「強制収容所」の存在を伝える写真やレポートで世論に火を付けました。(その一部は、後にフェイクであることが判明。)

シライジッチ外相の主要演説も、ハーフが書いたのですが、大団円は、国連決議採択前日の21日にボスニアのイゼトベゴビッチ大統領が国連で行った演説でした。それは、英語の演説で、その趣旨は「ボスニア」が多民族国家であり、他民族の共存を何より大切にしていることでした。

この演説について、全米公共ラジオの記者は、『ドキュメント 戦争広告代理店』の中で正直に気持ちを語っています。「多民族共存のイメージには、多くのジャーナリストがごまかされてしまいました。現実には、ボスニア政府、つまりモスレム人は他の二つの勢力、セルビア人とクロアチア人と同じように民族主義者の集まりでした」

現在のウクライナ報道全てが、『ドキュメント 戦争広告代理店』の描いているような一広告代理店による様々な工作の結果だとは考えられませんが、どちらの側もその意図を強調するために、誇張やフェイクを入れているかも知れませんし、そこに広告代理店が一枚噛んでいる可能性もあるのではないでしょうか。

真実を見極める難しさを理解しながら、冷静に判断する姿勢だけは失ってはならないと感じています。

 

コロナについてもまだ油断はできません。皆様、くれぐれも御自愛下さい。

それでは今日一日が、皆さんにとって素晴らしい24時間でありますよう。

[2022/8/22 イライザ]

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2022年8月18日 (木)

「人口密集地における爆発性兵器」(EWIPA)の規制

「人口密集地における爆発性兵器」(EWIPA)の規制

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赤十字国際委員会のEWIPAについてのページ

(https://www.icrc.org/en/explosive-weapons-populated-areas)

 84日にアムネスティー・インターナショナル(AIと略)が公表した、ウクライナについての報告が世界的な議論に巻き込まれています。それについてAI7日に「遺憾の意」を表した文書も公表されています。

翻訳の都合でしょうか、日本では810日に日本語版が公表されたようですが、ウクライナ側の国際法違反を取り上げています。Abema Times TVによると、「ロシアを利する」「タイミングが良くない」という批判があり、ゼンレンスキー大統領は「テロ国家に恩赦を与えている」とまで言っているそうです。

この「国際法違反」に関連して、国連や赤十字国際委員会 (ICRC)、また人権について真摯に取り組んできた国々、中でもアイルランドが中心になって、617日に画期的な政治的合意が行われています。

それは、「人口密集地における爆発性兵器」(EWIPA)の規制についての政府間合意です。これまで3年にわたっての議論と最後の取りまとめに至る交渉のプロセスは、アイルランド政府のホームページで読むことができます。また、ICRCのホームページにも分り易い説明があります。

「爆発兵器」とは、爆薬を使って人や物を殺傷する兵器ですが、通常「兵器」と呼ばれているものの総称だと考えてもそれほど大きなずれはありません。それを人口の密集した地域で使うことを規制しようという政治宣言がまとめられたのです。

法律的には、戦争において民間人を保護しなくてはならないとジュネーブ諸条約や追加議定書で定められていますが、特に、都市のように人口が密な地域での爆発兵器による被害が大きいことから、その使用を禁止することを明示的な条約にすることを目的としながら政治的にまず規制をしようという趣旨の宣言です。

家屋、病院、学校、ショッピングセンターなど民用施設を爆発兵器で攻撃することは、もちろん国際法違反です。そして、これらの施設を軍事拠点として使うことや、民用施設の近くに軍事拠点を設けることも、民間人を攻撃にさらすことになり国際法違反です。

ただし、その解釈については幅があることも事実です。例えば、Collateral damage (巻き添え被害) が存在することは事実ですが、そうではない場合でも、「CDだ」という言い訳が使われることは良く知られています。

今回まとめられた、「人口密集地における爆発性兵器」(EWIPA)の規制に関する政治宣言では、爆発性兵器を人口密集地で使うことを禁止している現行の国際法を守らせること、あるいは禁止されない使い方の場合にも国際人道法が守られるような措置を取ること、またそれに関連した情報の収集や共有、戦闘員の教育等々の広い範囲での爆発性兵器の規制を政治的なレベルで厳密化しようとするものです。

都市に住む人々の生命を守ろうとする国際的な協力体制があっての成果なのですが、AIも積極的な役割を果しています。そこに「平和首長会議」の姿が見えないことには残念以上の気持を抱かざるを得ませんでした。

AIの報告は、こうした国際的な努力に呼応したものである点も重要です。改めて、戦争であっても全ての行為が許されるわけではなく、これまで人類が長い時間を掛けて積み重ねてきた国際法を遵守することは、戦争に従事しているどちらの側にとっても義務であることは確認しておくべきなのではないかと考えます。

 

豪雨の被害はまだ続いています。被災者の皆さんに心からお見舞い申し上げます。さらに、コロナについてもまだ油断はできません。皆様、くれぐれも御自愛下さい。

それでは今日一日が、皆さんにとって素晴らしい日でありますよう。

[2022/8/18 イライザ]

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2022年6月17日 (金)

成田を立って、今、ヘルシンキです

成田を立って、今、ヘルシンキです

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成田での「結団式」の写真は後程、送りますが、ヘルシンキからの発信です。約13時間掛かる予定でしたが、私たちの逸る心が影響を与えたのでしょうか、1時間早く着きました。そして、待ち時間の間、派遣団は全身熱心に仕事をしています。

PCR検査の時間の調整とか、LINEグループを作ってLINEオーディオを使えるようにしたりといった技術的な事柄も済ませました。

ウィーンまでは、3時間弱ですが、着いてからまた報告します。

それでは今日が、皆さんにとって素晴らしい一日でありますよう。

[2022/6/17 イライザ]

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2022年5月21日 (土)

戦争も核もない世界へ ――沖縄でもシンポジウムが開かれます――

戦争も核もない世界へ

――沖縄でもシンポジウムが開かれます――

 

東京での「核兵器禁止条約を考える集会」に続いて、521日には、沖縄で、喜納昌吉さんの呼び掛けで、「戦争と核のない世界へ」というテーマのシンポジウムが開かれます。

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東京そして、沖縄、両方のイベントに参加させて頂きますが、私の発言はこれまで、このブログ、そして姉妹ブログの「新・ヒロシマの心を世界に」、そしてChange.orgでの署名運動で皆さんにお伝えしてきたことです。

 加えて、琉球日報が鳩山友紀夫さんと私の論考を掲載してくれましたので、それも是非お読み頂きたいと思います。

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核「共有」とか、「敵基地攻撃能力」とか、「憲法改正」では未来の見えないことが、少しでも広まることを期待しています。

 [2022/5/21 イライザ]

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2022年5月20日 (金)

核兵器禁止条約について考える会 ――国会議員も動いてくれています――

核兵器禁止条約について考える会

――国会議員も動いてくれています――

 

2017年に国連総会で採択され、その後、「署名」と「批准」のために公開された核兵器禁止条約ですが、我が国は署名も批准もしていません。国会議員のレベルでは世界的に核兵器禁止条約を推進する動きが盛んなのですが、それに呼応して活動してきたのがPNND日本支部です。

 「核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)日本は,市民の願いである核軍縮を政策に反映させるための国会議員による国際ネットワーク、Parliamentarians for Nuclear Non-proliferation and Disarmament (PNND) の日本支部であり、超党派の議員連盟です。」

 当然、核兵器禁止条約を支持して、日本政府が批准するように働きかけていると思ったのですが、そうではないようです。河野太郎会長の公式サイトから引用します。

 「国民の生命と財産を守るためには、日米同盟の下で核兵器を有する米国の抑止力に頼る以外ないのが現実です。

 核兵器禁止条約は、こうした厳しい安全保障環境を十分考慮することなく、核兵器の存在自体を直ちに違法化するものです。

 したがって、この条約がいかに核兵器廃絶という崇高な目的を掲げているものであっても、核兵器を直ちに違法なものとする核兵器禁止条約に参加すれば米国による抑止力の正当性を損うことになり、結果として、日本国民の生命や財産が危険にさらされても構わないと言っているのと同じことになります。

 これでは、北朝鮮のような相手に対して誤ったメッセージを送ることとなりかねません。

 国民の生命と財産を守る責任を有する政府としては、現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に核軍縮を前進させる道筋を追求していく必要があると考えており、核兵器を違法なものとして、直ちにその廃棄を各国に求める核兵器禁止条約は、核兵器廃絶に向けた我が国の考え方とは異なるものであり、この条約に署名することはできません。」(https://www.taro.org/2017/11/%E6%A0%B8%E5%85%B5%E5%99%A8%E7%A6%81%E6%AD%A2%E6%9D%A1%E7%B4%84.php)

 自民党の議員が自民党や政府と同じ考えであるのは仕方ないのかもしれませんが、国会の中では、核兵器禁止条約の重要性と日本にとっての意味を理解し、署名・批准に向けての活動をしている人もいます。

 参議院議員の舩後靖彦さんがその一人です。今日、20日に国会内での集会を呼び掛けて下さっています。

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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3b/%E8%88%A9%E5%BE%8C%E9%9D%96%E5%BD%A6.jpg

ジェットオオタニ, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

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 20225月吉日

国会議員各位

れいわ新選組 参議院議員

舩後 靖彦

 

「核兵器禁止条約を考える集会」ご臨席のお願い

 先生方におかれましては、政務、公務におかれてのご活躍に心より敬意を表します。また、今後とも私たちに対し大所、高所よりのご指導を賜れればありがたく存じます。

さて、この度「核兵器禁止条約を考える集会」を開催する運びになりました。ゲストスピーカーに秋葉忠利さん(元広島市長)、喜納昌吉さん(音楽家・元参議院議員)をお迎えして、我が国の核兵器禁止条約の批准について議論が深まればと考えております。

ご多忙のところ誠に恐縮ではございますが、ぜひご臨席を賜ればありがたく存じます。ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

 

 

日 時    5月20日(金) 15時~17時(終了予定)

場 所    衆議院第2議員会館B18会議室

  

「核兵器禁止条約を考える集会」次第

 15:00 開会の挨拶 (参議院議員 舩後靖彦)

15:05    基調講演 (秋葉忠利様)

15:35 基調講演 (喜納昌吉様)

16:05 意見交換

16:30 閉会

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素晴らしいイニシャティブですね。会の模様は追って報告します。

 [2022/5/20 イライザ]

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2022年5月 3日 (火)

WFRの対談記事・その3 ――核兵器禁止条約の目標は生存である――

WFRの対談記事・その3

――核兵器禁止条約の目標は生存である――

 

昨日に続いて、The World Financial Reviewに掲載された、Joseph Mazur氏と私の対談記事の和訳 (山田達也氏による) を掲載します。

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ジョセフ・メイザー

今年13日に、米国、ロシア、中国、フランス、イギリスの5つの核兵器保有国は、核兵器禁止条約を批准する代わりに、核兵器保有5カ国の首脳が「核戦争の防止と軍拡競争回避のための共同声明」を出しました。君はそれに何を期待しますか?

秋葉忠利

共同声明の要点は、5つの核兵器保有国が、(1) 核戦争に勝者はなく、起こしてもならないという点で一致していること (2) 核軍備の縮小に関する効果的な条約について、誠実に交渉を行うに対する義務を含む、核兵器不拡散条約の諸義務を引き続き順守すること (3) それぞれの国の政策がこれまで通り維持され、さらに一層増強されることで、核兵器の無許可または意図しない使用を防ぐこと (4) 核兵器の照準を互いに、または他のいかなる国にも向けないと再確認していること (5) 2国間及び多国間の外交的アプローチを模索し続ける意向であることです。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、「核戦争の防止と軍拡競争回避のための共同声明」を歓迎しましたが、最終的には、核によるすべてのリスクを排除する唯一の方法は、すべての核兵器を廃絶することであると強調、この目標を可能な限り早期に達成するために、核兵器保有国および全国連加盟国と協力する意思を改めて表明しました。

声明を出したというのは、世界中で増大する国連核兵器禁止条約への支持を、核兵器保有国が無視できなくなっている証拠です。世界の世論に対して表面的にでも認めざるを得ない原則を表明することによって、世界の世論を尊重しなくてはならなかったのです。しかし共同声明の署名国の過去の政策や声明を顧みれば、彼らが自国の生存が危機に瀕しているという主張をして、これらの原則に反する行動を取ることになるでしょう。

ジョセフ・メイザー

核兵器禁止条約の第1回締約国会議が、今年の夏にウィーンで開かれます。この会議に何を期待できるでしょうか?僕はそれが実り多い結果を生むことを望みますが、同時に世界は今世界が直面している生存に関わる問題にもっと真剣に取り組むべきではないでしょうか?

秋葉忠利

締約国会議は、市民社会に目を向けて、現実的で生産的な目標に焦点をあてるべきです。その中には、核保有5カ国、日本・カナダ・韓国などの核の傘依存国、NATO加盟国を含む非批准国に対し、条約への署名・批准を強く求めるべきです。

並行して、非核兵器保有国に核兵器を最初に使用しないという誓約、「核兵器の先制不使用(以下NFU)」政策も強く求めるべきです。これについては、重要な国々が既に幾つかの前向きな措置をとり、或いはNFUのアイデアに部分的な合意を宣言しているため、関係国の説得に成功する可能性は十分にあります。

1に、中国は核兵器を最初に取得して以来、NFU政策を採用してきました。第2に、米国はオバマ政権下でNFUを国連の政策とし採用するよう働きかけ、米国内ではNFU政策を立法化するための具体的な行動をとりました。残念なことに、日本の安倍政権からの断固たる反対が、そのような動きを阻止してしまいましたが。

3に、非核兵器地帯条約が、地理的に限られた地域内ではありますが、核兵器保有国にNFUを採用させることに既に成功しています。非核兵器地帯とは、自国領域内における核兵器の存在を認めない(実験・使用・製造・生産・取得・貯蔵・配備等を禁止する)条約に批准する特定の国のグループです。理想的には、核兵器保有国は核兵器でこのグループを攻撃しないことを約束します.(この状態は「消極的安全保障」またはNSAと呼ばれます)。核兵器保有国が批准したのはラテンアメリカとカリブ海諸国を対象とするトラテロルコ条約のみでしたが、核兵器保有国がNFUの考えに同意したことは重要です。NFUの概念は広がる可能性を秘めています。

ジョセフ・メイザー

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南半球全体が非核兵器地帯になっていて、それが北半球に広がっている今、次はどこで非核兵器地帯を形成するべきなのでしょうか?

*トラテロルコ(ラテンアメリカ及びカリブ核兵器禁止)条約、ラロトンガ(南太平洋非核地帯)条約、バンコク(東南アジア非核兵器地帯)条約、ペリンダバ(アフリカ非核兵器地帯)条約

秋葉忠利

最有力候補は北東アジアです。このアイデアの当事国は6ヵ国で、中核3ヵ国が日本・北朝鮮・韓国、そして周辺3ヵ国が米国・中国・ロシアです。成功した場合、北東アジア非核兵器禁止条約が定めるのは、中核3ヵ国が非核兵器保有国になるか、非核兵器保有国のままでいること、そして周辺3ヵ国がコア3ヵ国を核兵器で攻撃しないよう保証することです。

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 [対談は続きます]

 [2022/5/3 イライザ]

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2022年4月27日 (水)

後もう一人に声を掛けて下さい ――署名数は後2,500人で、10万人になります――

後もう一人に声を掛けて下さい

――署名数は後2,500人で、10万人になります――

 

広島、そして被爆者をサポートして下さっている御友人の皆様

ウクライナ戦争について、「「核兵器を使わない」と、ただちに宣言して下さい」署名運動に賛同して下さり、心から感謝しています。私たちのアピールの趣旨を改めて確認するとそれは、広島・長崎の被爆者の声である、この戦争で核兵器を使わないこと、さらには核兵器の先制使用は永久に行わないことの約束です。

220426-97475   

皆様のお陰で、署名数はほぼ100,000に達しました。

でも「ほぼ」なのです。

現在は、97,475ですが、後2,525で、力強く美しい10万に達します。

そのための緊急のお願いです。もう一度力を貸して下さい。もうお一人だけ、署名をして下さる方を増やして下さい。このお願いに応えて下さる方がたくさんいらっしゃることを信じています。(そして、声を掛けて下さる方を1だけに限定している訳でもありません。念のため。)

メールやソーシャルメディアで、ウクライナの戦争を憂慮している方に連絡を取って下さい。私たちの力を結集するためのアピールの一員になる機会を作って上げて下さい。明日と言わずに、今、連絡して下さい。

10万になった時点で、プーチン大統領と岸田首相には、再度、この署名運動の趣旨を強調した書簡を送ります。また同様の内容の書簡をその他の核兵器所有国の首脳にも送ります。

加えて、8月中 (広島・長崎の原爆の日も含めて) ニューヨークの国連で、核不拡散条約 (NPT) 再検討会議に参加している外交官に見て貰うためのビデオを録画します。NPTは今、危機的状況にありますが、核兵器の先制不使用政策を採用することがNPTを再生させるために直接的効果があります。

そのビデオはYouTubeにアップして、皆さんにはURLをお知らせします。(10万という目標達成ができれば、という条件付きですが。) 

皆様のお力を信じています。被爆者の期待に応えて、被爆者と共に闘って下さい。世界に、希望の光を届けましょう!

 [2022/4/27 イライザ]

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2022年4月10日 (日)

NoFirstUseインタビューの和訳第二回目です ――少し長いですが、お付き合い下さい――

NoFirstUseインタビューの和訳第二回目です

――少し長いですが、お付き合い下さい――

 

 「「ノーファースト・ユース・グローバル」が、ウクライナ紛争で核兵器を使うな、と訴える秋葉前広島市長にインタビューしました。」 というブログ・インタビューの日本語訳第二回目を掲載します。

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責任ある立場の人が核兵器使用の可能性に言及して世界を脅迫することを、被爆者は誰一人想像できませんでした。プーチン大統領があり得ない一線を越えたのは、広島と長崎での被爆者の経験を十分に理解していないからです。あの悲劇を内面化した人なら、核兵器を使ったり、核兵器を使うと脅したりすることは、想像だにできないでしょう

核兵器の使用を決断する超核兵器保有国の指導者として、プーチン大統領はその決断を下す前に、できるだけ早く広島を訪問しなければならない、と私は信じています。他の全ての核兵器保有国の指導者も、同じ義務を持ってしています。

 半世紀以上にわたり広島を訪れた訪問者を観察してきた私の経験から言うと、広島を訪れ、平和記念資料館を視察し、被爆者の声に耳を傾け、生死を語り合い、市民と交流する人は殆ど誰も、同じ結論に達します。それは、広島に来るまで核兵器の恐ろしさや非人道性を、理解していなかったということです。そしてどんな国も核兵器を使用してはならないということです。

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資料館入口付近(オバマ大統領の広島訪問直後)

プーチン大統領にそんな訪問の時間がないなら、その時は広島の中でも爆心地と原爆ドームがある選挙区から選ばれている、岸田首相が介入すべきです。首相は既に亡くなった被爆者、更に重要なことに、まだ苦しみ続け、今回の脅しを非常に心配する人々について知識が豊富です。首相はモスクワに飛び、プーチン大統領に、歴史的事実から核兵器を使うことがどれ程恐ろしいかを伝えるべきです。更にニューヨークにも行って、安全保障理事会に出席し、他の核兵器保有国首脳に向けて同じことを主張すべきです。岸田首相は、選挙区の人々を代弁する法的責任を負っていて、それには、被爆者の声、歴史的遺産、選挙区の有権者の意志が含まれます。

私は東京生まれですが、12年間広島市長を務めたということを指摘しなければなりません。私は1945年8月6日に広島にいなかったのです。しかしそれは、世界に対して、私が被爆者を含む広島市民の代表として行動することとは矛盾しません。その役割を果すための地位に彼らは自らの意思で選んだのですから。広島の市民や被爆者から同じように選ばれた総理大臣なのですから、岸田さんには更に大きな責任があります。今、彼は市民と被爆者の意志に基づいて日本国政府を動かすことができるからです。

AT: トヴィッシュさん

それで署名運動が今進行していて、賛同署名が10万人に近づいています。Change.orgにとってはとても素晴らしい成果となっています。10万に達したら何か具体的な計画をお持ちですか?

TA: 秋葉さん

もうプーチン大統領と岸田首相に手紙を送くりました、賛同者の数が5万人を少し上回った時のことです。ですから次の目標は、数が10万に達した時、プーチン大統領、岸田総理、他の核保有国首脳に、手紙を再度送りたいと思います。

AT: トヴィッシュさん

紛争のエスカレーションはいろいろな形で起こる可能性があるので、それをするのに必要な手段を持っている全ての国は、このメッセージを聞く必要があるってことですね。

TA: 秋葉さん

誰でも公に表明した立場を変えるためには、ちょっと背中を押して貰うと上手く行く場合があります。その人に対して怒鳴るだけでは上手く行かないでしょう。おそらく、より良い方法は、妥協できる環境を作ることです。

妥協点を指し示すあらゆる可能性、核兵器を使用しないよう促すものは、何でも検討する価値があります。ロシア以外の核兵器保有国が、「ねえ、君のとこが核兵器を使用しないと約束するなら、私たちはこの武力紛争で核兵器を使用しないと約束するよ」、って提案してみてはどうでしょうか。更に一歩進んで、核兵器で攻撃されない限り、どこも他国に核兵器を使用しないと宣言するのはどうでしょう。それが「ノー・ファースト・ユース(核兵器の先制不使用)」です。

AT: トヴィッシュさん

この署名運動について最近の日本の新聞記事で、秋葉さんはノー・ファースト・ユース(以下NFU)と核兵器廃絶との関係について説明していました。論理的な観点からだけでなく、政治的な観点からも、少し時間を取ってそれについてお話していただけませんか?

TA: 秋葉さん

分かりました。仮にある核兵器保有国の指導者が、個人的に、そして内緒で核兵器の廃絶を望んでいる、従って、その国は核兵器禁止条約を批准すべきだ、と考えているとしましょう。しかし批准は、核兵器やその他の関連施設を物理的に撤去しなければならないことを意味します。また、国の産業構造を変更する必要があります。より技術的な詳細が、そのような非常に大きな決定に伴って起こるでしょうね。

核兵器禁止条約締約国会議は、この側面を明確にしようとするでしょう。この手順は、条約に法的強制力を持たせるために必要ですが、同時に核兵器の廃絶を密かに望んではいるが、現状に縛られている指導者にとって、物事を困難にするだけです。

私たちがしなければならないことの1つは、仕事をより困難にしないことです。私たちは秘密の願いが達成しやすくなるよう工夫すべきです。例えばニンジンのようなものが考えられないでしょうか。

例えば、「これは今、直ちに核兵器禁止条約を完全に批准するよりも簡単だねー。この一段なら登れそうだし、それ程費用もかからない。国民の過半数からすぐに支持されるのに十分な説得力があるし、核兵器禁止条約批准への良い足がかりとなるぞ。」、という風に指導者が解釈できるようなものです。

それがNFU政策の採用です。これが実行しやすい理由はいくつかあります。第1に、中国とインドは既にNFUを宣言していて、それを守っています。9つの核兵器保有国の内、2つの国がもう同意しているのです。これは、核兵器保有国はどこも批准していない核兵器禁止条約よりも進んでいます。そして第2は、NFUはオバマ大統領が、国連を通じて国際協定にしようとしたことがあるからです。 残念ながらそのイニシアチは、当時の安倍首相の反対によって潰されてしまいましたが、米国では、NFUを支持する強い波が急速に広がっています。だから、バイデン大統領がそれを受け入れることには大きな期待が持てます。

第3に、中国とインド以外の核兵器保有国も、非核兵器地帯条約を批准し、NFUの原則に合意していることです。例えば、ラテンアメリカとカリブ海地域を対象とするトラテロルコ条約は、この地域の国々が核兵器を保有することを禁じています。更に、安保理常任理事国である5つの核兵器保有国が、この地域で核兵器を使用しないことに合意しています。同条約を批准し付属議定書に署名することで、限られた地域内ではありますが、5つの核兵器保有国が、既にNFU政策に合意しているのです。それは良い兆候です。

私たちは、NFU政策の普遍化に部分的な成功を収めました。これをもう少し推し進めて、NFU政策を他の核兵器保有国と他の世界各国広めることだけが残されています。

NFUのもう1つの長所は、簡単だということです。単なる宣言ですから、既存の施設を解体したり、核弾頭やミサイルを解体したりする必要はありません。単なる宣言であっても、ほんの少しだけお互いを信頼し始めることによって、NFU政策が現実に機能することを世界が理解すれば、より平和な世界へと転じるでしょう。

それは、核兵器保有国の指導者たちが、核兵器禁止条約と核兵器廃絶の残りのプロセスを、もっと自信をもって受け入れられることを意味します。言い換えればNFUは、核兵器禁止条約というより高い目標に辿り着くためのちょっと低い足掛かりなのです。それが私の提案です。非常に高い目標を達成するのは難しいかもしれませんが、初めの一歩を登り始められれば、次の目的地に少し到達しやすくなります。核兵器保有国の指導者がすぐに踏み出せる一歩は、NFUなのです。

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 続きます。

[2022/4/10 イライザ]

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