恋愛

2022年6月13日 (月)

非暴力社会を目指す

非暴力社会を目指す

Photo_20220612232201

今回は漫才と非暴力がテーマです。

参議院選挙に関するあるアンケートの中に、「DVをなくすためには、どのようなことが必要か」という趣旨の質問がありました。

DV」とはどんなことを指すのかを理解するために、その反対の状態を目に浮かべてみました。それは、二人の人間の間で、静かに普通に会話の成り立っている状態でした。そうではない極端な場合の一つがDVです。さらに、「暴力化」という尺度で測るとそこまでは行っていないけれど、完全に「0」ではない場面がいくつか頭に浮かびました。

その数値をいくつにすべきなのか、議論の余地はあると思いますが、二つだけ例を挙げておきましょう。

(I) 男女間で少し親しくなったとき、男性が女性を「お前」と呼ぶシーンをしばしば見てきました。ドラマで説明した方が多くの方に伝わると思いますので、一つ上げると『科捜研の女』です。土門刑事は、榊󠄀マリコ研究員を必ず「お前」と呼んでいます。人気番組ですので、この「上下関係」または「支配・被支配関係」の宣伝力はかなり強いのではないかと心配です。

そもそも殺人事件がドラマのテーマになっている番組の中の、些細な人間関係を、「暴力」という視点から分析することに意味があるのかを考えるべきなのかもしれませんが、○○中毒と言われる依存症の多くは、微量の接種から始まることも事実です。

(II) テレビ番組の中で、年々増えてきているのが、芸能人たち同士の意味のないやり取りです。それも、漫才の一つのパターンである、「ボケ」と「突っ込み」が雛形になっているような気がします。漫才は、あえて極端な状況を作ったり、「普通」を誇張することで笑いを誘う芸能ですから、それ自体は健全です。

しかし、それが無意識のうちに、私たちの日常の会話のお手本として採用され、「静かで普通の会話」が成り立たない状態を作る結果になってしまっては、笑うにも笑えません。

(III) ここまで書いて、もう一つ大切なケースのあることに気付きました。国会での議員の質問と、閣僚や官僚との回答も一つの会話と考えると、これこそ、一番「普通」から遠いということです。そもそも会話が成り立っていないからです。そして「上下関係」「支配・被支配関係」も否定されていないどころか、それを背景に「ボケ」ることが権力維持のメカニズムになっています。

主権者として、鋭い突込みで、つまり選挙で野党が勝つことで、静かで普通の会話を実現する他に道はありません。

それでは今日、皆さんにとって素晴らしい一日でありますよう。

[2022/6/13 イライザ]

 [お願い]

文章の下の《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

広島ブログ

広島ブログ

2017年12月 3日 (日)

『われ御身を愛す』 ――愛新覚羅慧生と大久保武道の遺簡集――


『われ御身 (おんみ) を愛す』

――愛新覚羅慧生と大久保武道の遺簡集――

 

あと一週間で、19571210日から60年になります。そのタイミングで再び注目されているのが、「天国で結ぶ恋」とも呼ばれた、愛新覚羅慧生さんと大久保武道さんの心中です。2017121日(金)放送、TBS系列「爆報!THEフライデー」でも取り上げられています。

 

60年前の1210日、二人は天城の山中で発見されましたが、4日の夕方に姿を消し、捜査願いが出されていました。捜索隊によって発見されたのが6日後なのですが、二人は学習院大学の同級生で、慧生さんは19歳、武道さんは20歳の若さでした。

 

               

Photo

             

天城山

 

この事件は「天城山心中」と呼ばれ、「天国に結ぶ恋」とも評されて大々的に報道されました。それは、愛新覚羅慧生さんが清朝最後の皇帝で満州国の皇帝になった愛新覚羅溥儀の姪 (溥儀の弟溥傑の長女) であり、母は、旧侯爵の嵯峨浩 (さが ひろ) という身分が大きく影を落していたようです。溥儀については、映画「ラスト・エンペラー」がヒットしましたので、今の方が60年前よりは良く知られている存在かも知れません。

 

大久保武道さんは、青森県八戸の旧家の出身ですし、当時、アルバイトもせずに学習院大学に通っていたのですから、掛け値なしの「庶民」とは言えないような気もしますが、嵯峨家から見ると「身分」格差が大き過ぎたのかもしれません。

 

当時、私は中学生でしたが、高校2年の時に、二人の遺簡集『われ御身を愛す』が出版され、ベストセラーになりました。高校生の間でも、特に同級生女子たちの間では大きな話題になりました。

 

愛し合う二人の迎えた死はあまりにも悲し過ぎるのですが、マスコミを中心に「純愛」の物語として受け止める人たちが多かったように思います。今なら、石川さゆりの「天城越え」と結び付ける人もいるかも知れません。


「心中」の真相は二人にしか分りませんが、武道さんの遺族は、せめて天国で二人が安らかな一時を過ごしてくれたらと祈っているようですし、嵯峨家の関係者や友人たちは、慧生さんが最後まで武道さんを翻意させようと説得を続けたと信じているようです。

 

「心中」に使われたのは武道さんの父が憲兵時代に携帯していた拳銃ですが、もし、拳銃が身近になければ、このような悲劇は起きなかったかもしれないと考えてしまうのは短絡的な結論でしょうか。

 

そして、さらに大きな背景としては国家主義と戦争を考えない訳には行きません。満州国の存在抜きでは語れない昭和史が少し違った形を取っていれば、と考えるのも論理の飛躍かもしれません。こんな感慨をセンチメンタルな溜息としてのみ記憶するのではなく、次の世代への責任を果すためのエネルギーに変えられたらと思っています。

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

2017年2月15日 (水)

バレンタイン・デーの由来 ――チョコレートの他にも大切なことがあります――  


バレンタイン・デーの由来

――チョコレートの他にも大切なことがあります――  

 

214日は、バレンタイン・デーですが、2004年に上梓した『報復ではなく和解を(旧版)(岩波書店刊)と2015年刊の『新版 報復ではなく和解を』(岩波現代文庫)  の中で、その由来に触れています。ちょっとお説教臭くなってしまいましたが、読み易い形で再録してみましたのでお読み頂ければ幸いです。

 

******************************

バレンタイン・デーというと今では義理チョコまで登場するような大変日本的な習慣になってしまいましたが、起源を見ると意味がかなり違います。

 

いろいろな説があるのですが、通説としでほぼ定着しているのは、西暦三世紀、ローマ皇帝のクラウディウス二世、大変過酷な悪政を布いた、しかも戦争が好きだったということで不人気だった皇帝です。

 

彼の治下、戦争に行きたくない若者が多かった。なぜ若者たちが戦争に行きたくないか、皇帝が考えたら、家族とか愛する人たちがいるからだという結論になりました。そこで皇帝クラウディウス二世は結婚を禁止しました。そのときローマのキリスト教司祭だったパレンチーノという人がいたのですが、英語の名前はバレンタイン、彼は秘密裡に若者たちの結婚を執り行なっていました。秘密が漏れない聞は良かったのですが、皇帝にばれて投獄され、遂に二月十四日に処刑されたという歴史があって、それがローマ時代のずっと長い間続いていた二月のお祭りと一緒になってバレンタイン・デーになったという説があります。

 

だとすると、バレンタイン・デーというのは、本当は反戦の日ではないか、戦争に反対をするとはどんなことなのか、あるいは戦争の意味について、家族について、愛の意味について考える日なのではないでしょうか。

 

                             

Photo_2

123RF画像


その愛の意味を非常に表面的なレベルで捉えているバレンタイン・デー、表面的なレベルといってしまってはちょっと言い過ぎかもしれませんが、もっと深い意味があることに心すべきなのではないでしょうか。

時代的に近いことで思い出すのは、ギリシャ時代のアリストパネースの『女の平和』という戯曲です。これまた、女性と平和についての非常にいい問題提起をしていると思います。芸術と平和の聞には切っても切れない関係がありますし、平和な世界を実現する上で女性の役割にもさらなる期待をしたいと思います。

 

[お願い]

文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

 

広島ブログ
広島ブログ

その他のカテゴリー

#派閥 #裏金疑惑 100周年 100歳を目指す 103万円の壁 10ポイント・アクション・プラン 2045ビジョン 2045年 2位では駄目 35/45ビジョン 5本指ソックス 5秒の法則 6.29豪雨災害 89秒 8年前 ACC ACジャパン AI Airbnb ATTO 3 Atto3 Audible before and after BTスピーカー ChatGPT Copilot COSMOS decent DIY EV F35戦闘機 G7サミット G7広島サミット Hard Rock Cafe JR総連 Jアラート Let Them Theory Made in USA My Way Nat King Cole No First Use NPT OEWG SNS SSD The Bulletin of the Atomic Scientists The Meaning of Survival Tufts University Unforgettable USスティール Walz Webカメラ WHO You've made my day! Zoom Z級グルメ 「No」と言える日本 『はだしのゲン』 『数学書として憲法を読む――前広島市長の憲法・天皇論――』 あんみつ いじめ うがい おすすめサイト お世話になりました お酒 かな入力 つらら とらや アキバ・プロジェクト アジフライ アニメ・コミック アマゾン アメリカ アルティメット アール・キム イスラエル インク インド ウィシュマ・サンダマリ ウェブログ・ココログ関連 ウォーキング ウクライナ エッグズ・ベネディクト エネルギー エリ・ヴィーゼル エリー・ウィーゼル エントロピー オスロ オバマ オブザーバー参加 オレンジ・ジュース オーストリア カナダ カープ ガザ ガンジー キュウリ キューバ危機 ギャンブル クリーブランド・クリフス クレディット・カード グルメ・クッキング ケネディー大統領 ケート・デュース ゲーム コマーシャル コロナ コロナ感染 コロンブス コンサート コンセント ゴルバチョフ書記長 ゴンカルベスCEO シクラメン シャツ シューマン ショック ショパン ジェノサイド ジェンダー ジェンダーギャップ ジャガイモ ジャクリーヌ夫人 ストライキ スパゲティ スピーカー スポーツ スマホ スリッパ ズムスタ ソフィスト タフガイ タフ・ガイ タブレット タレント ダメなものはダメ チャゾフ博士 チーム デモ デモ行進 トイレ トゥルースリーパー トパーズ トマト トライアスロン トラテロルコ条約 トランク トランプ大統領 トールグラス ドレフュス事件 ナイスガイ ナイス・ガイ ナポレオン・ヒル ニコライ堂 ニュージーランド ニュース ネクタイ ネタ ノートパソコン ノーベル平和賞 ノーマン・カズンズ ハワイ大学 ハンセン病 ハーバード大学 バレンタインデー バレンティーノ パソコン パソコン・インターネット パワハラ パンク パールハーバー ヒロシマ・ノート ヒロシマ・ビジョン ヒロシマ休戦 ピッツバーグ ピッバーグ ファッション・アクセサリ ファミマ ブッケンヴァルト プライバシー ベトナム戦争 ホロコースト ホームセンター ホームラン ボイコット ボス ボストン交響楽団 ポスター マイケル・ムーア マスコミ マタイ受難曲 マック マツダ マラソン ミサイル メタファー メモリー メル・ロビンズ メローニ首相 モーツァルト ヤマハCFX ユダヤ人 ユニオンショップ ユーモア ラインホルド・二ーバー ラウン博士 ラブゲリオ ランチ ラーメン リクルート事件 リンカーン ルーチン化 レシピ― レッカー車 レンゲ レンタカー レーガン大統領 レーンアシスト ロシア ロバート・グリーン ロビー活動 ワルツ 一万円札 万博 万年筆 三人を説得 上京 上川外務大臣 上川発言 上意下達 不倫 不測の事態 世界平和 世界法廷プロジェクト 中国 中国新聞 中央大学 中山間地域 中川顕実 中間目標 九条の会 二段階 井戸川裁判 交通機関 京都 人名の発音 人権 人権派弁護士 人質司法 人類滅亡 仏教タイムズ 企業の利益 住まい・インテリア 佐々木蔵之介 佐野洋 体を躱す 何でもあり 保田小学校 倉本寛治 個の確立 健康 充電 先制不使用 全世界 全日本 公益通報 公開作業部会 兵庫県知事選挙 内灘 内部留保 再審無罪 写真 凍結防止 刑法 初冠雪 初寄り 利益相反 副読本 加藤友三郎 労働三権 労働三法 労働協約 労働組合 勉強会 動機 動物撃退器 勤労の義務 勤労感謝の日 勧告的意見 北東アジア非核地帯 医療 十六夜 千葉海岸 占い 即戦力 原子力科学者会報 原水禁世界大会 原爆 原爆の子 原爆乙女 原爆孤児 原爆投下 原爆裁判 原爆詩集 参院選 友人 友情 反戦の日 受忍論 台車 右翼 司法試験 名取裕子 哲学 唯一の立法機関 問われるヒロシマ 問題解決 国交省 国会映画議員連盟 国務大臣 国民審査 国葬 国連 国連総会 国際司法裁判所 国際法違反 土井たか子 報復ではなく和解を 報道1930 外務省高官 多数決 夢グループ 大仏 大学 大岡信 大峰山 大晦日 大谷翔平 大逆事件 大雪 天皇 太陽光 夫婦別姓 女性蔑視 姉妹都市 婚外子 子ども 学問・資格 安い給料 官僚 実質賃金 家族愛 家電 富士山 寒気 寒波 小エビ 小嶋素子 小池百合子 小選挙区制 山百合 山茶花 岸田総理 工場長 市民派 市長村長 席を譲る 帯状疱疹 平和 平和の原点 平和宣言 平和市長会議 平和記念式典 広中平祐先生 広島の記録 広島国際文化財団 広島市 広島市議会選挙 庭の手入れ 庭仕事 廃炉 廿日市 強弁 強風 後悔先に立たず 心と体 忍者 応援 思いやり予算 恋愛 恵泉女学園 恵泉学園 悪徳政治家 愚痴 愛知県日進町 感謝 慰霊の夕べ 慰霊の夕べコンサート 憲法 懐かしい思い出 成功 扇風機 手が掛かる 投票所 拡散 掃除 排除 推理小説 携帯の下四桁 携帯・デジカメ 放射能 故郷 教科書 教育 教育勅語 散髪 敬意 敬老の日 数学 数学人の集い 数学嫌い 敵と味方 文化・芸術 文化人 文房具 文殊 断捨離 断熱材 新歌舞伎座 施錠 旅行・地域 日本プレスセンター 日本一 日本政府 日本政府抜き 日本製鉄 日本語109配列 日本酒 日記・コラム・つぶやき 日銀 日露戦争 早期戦争終結 星野珈琲店 映画 映画・テレビ 春闘 昭和 時間です 景色 晴耕雨読 書き起こしソフト 書籍・雑誌 曽野綾子 最高裁 最高裁判所 朝日新聞 朝食 朝鮮人虐殺 期限 李実根 来年こそは 東京佐川急便事件 東京大空襲資料館 東京新聞 東京空襲 東京都知事選挙 柔道 柴田淳 核兵器 核兵器禁止条約 核廃絶 核抑止論 梅沢富美男 梱包 植民地 楽しい日本 権利の消滅 樹木 橋下徹 橋渡し 歌舞練場 歯医者 歴史 歴史観 死刑 死刑は憲法違反 毎日 民法 水道 水道の凍結 水道管破裂 汚染水 池部良 泉房穗 泉谷しげる 法人税 派閥 流行歌 浄土真宗 消費税 消費者 消防団 滑車 漢字 濁音 無党派層 父の日 物価高 物理キーボード 物理学者 猫の糞 玉鷲 環境 生きる義務 生と死 生活 生活保護 田んぼ 田中正造 田中熙巳 田圃 田舎 町内会 画面キーボード 白バイ 白川陽大選手 百貨店 盗塁 盛田昭夫 相対化 眼鏡 石丸伸二 石原慎太郎 石川県 石油ファン・ヒーター 石田明先生 石破茂 研ナオコ 社会 社会的責任 社会科 社会進化論 社民党 福島 福祉 科学者 空港 笑い飛ばす 笠松将 第一委員会 箕牧智之 箱根駅伝 米朝会談 糖分 終末時計 終活 組合員 経済・政治・国際 経済原理 絶対化 総括 総理大臣 締約国会議 罪のない人たちの命を助ける 罷免 美術館 老化現象 老婆心 聖橋 育児 胡蝶蘭 脱原発 腕時計 自分で修理 自殺 自治体 自然 自然災害 至言 芝生 芸予地震 芸能・アイドル 若者 英語 菊谷和宏 蓮舫 薬局 藤山一郎 虎に翼 虎の翼 血糖値 行列 行脚 街宣車 被団協 被爆100周年 被爆80周年 被爆者 袴田巌 西行 見返り 角川歴彦 言葉 詐欺 詭弁 認証不正 誕生日 誤用 論破 講演会 謹賀新年 警句 議員事務所 議員立法 豊田真由子 豊田章男 責任能力 買収 趣味 足が攣る 足跡 車いす 車の傷 軍学共同反対 辞書 辰年 農作業 農機具 近藤幸四郎 逆説 連続出場 道路 遠隔操作 選挙 都をどり 都市 都立 都道府県知事 野崎昭弘 金は一年土地は万年 金儲け 金権腐敗政治 銀世界 銀座 長崎の鐘 閻魔大王 闇バイト 阪神淡路大震災 防災の日 防災大臣 防災省 防犯 阿部知子 除夜の鐘 集会 雑草 零下7度 零下9度 電子投票 電気自動車 電話作戦 青梗菜 青空 非被爆者 革製品 鞄の修理 音楽 風化 風邪 飛ぶ鳥跡を濁さず 首班指名 駐日大使 高橋昭博 高齢者 黄禍論 鼻濁音

広島ブログ

無料ブログはココログ
2025年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

カテゴリー