今年の3月にいただいた地域のかわら版に、今年の行事一覧が出ていました。4月7日の日曜日の行事として、近くの峠の奥にある農業用水の取水口からこの地域に至る約4キロの用水路の点検・清掃と補修作業が掲載されていました。午前8時に集会所に集合、そして昼頃終了だというかなり長時間の作業です。
はじめての通知でしたが、町内共同作業のようでしたので、6日の夜は早く寝て、7日の朝8時には集会所に。集まっていたのは、ほとんど男性ばかりで15—6人でした。女性は家人と近くに住む下組の組長さんの二人で、我が家を除いて全員長靴、しかも鎌やのこぎり、鎌や三角ホー、草集め用のレーキを持参の上での参加でした。
知り合いの社会福祉協議会の方に話を聞くと、随分山奥に分け入って、まず農業用水の取水口を開ける、次いで、水の流れ始めた用水路にたまった木の葉や木の枝を書き出して水の流れを確保する、それを山の奥で4キロにわたって下りながら続けて私たちの住む地域まで降りてくるということでした。長靴を履いているのは、その用水路に入ることが前提だということも理解できました。
街中の溝の清掃くらいしか経験したことがありませんでしたので、せめて長靴に履き替えてきます、と言ったのですが、軽トラで取水口近くまで行ってから、どんな作業があるのかを見んさい、と言われて、そのまま取水口近くまで移動しました。
私たちはそれより中流に近い地点で水の来るのを待ちながら、上流に向けて、水の流れていない用水路周辺の草を刈り続けました。草刈りは平地でもあまり面白い作業ではなく、しかも斜面での作業でしたので苦労していたのですが、小一時間過ぎてふと上流を見ると、笹が切れて明るい展望が開けました。その上が取水口でした。

左に用水路
ここを登って、様子を見に取水口まで行ってみたところ、取水のために設置してあった口径50センチほどの菅が泥で埋まっていて、しかもその先の菅との継ぎ目が壊れていてその清掃と継ぎ目の補修に時間が掛っているようでした。

取水口の清掃

取水口の継ぎ目の補修
一時間遅れで水が流れ始めましたが、山奥の道なき斜面を細い水路が脈々と流れ下っている景色は、正直感動的でした。そしてその流れが、枯葉や枯れ枝で詰まってしまう場面にも何メートルおきかに出会いました。

枯葉で堰き止められた水路

丸太のすぐ下の枯葉が動いていませんので流れが止っていることが分ります

枯葉が流れて、水流も復活しています

どれだけ山奥に入ったのかは、倒木の多さで分ります。

水路の流れも分ります
山奥で15人から16人が力を合わせて水が流れるよう、一時期にはたったの4人か5人で二三日掛けて用水路を維持して来たそうです。それも江戸時代から。
集会所に行くまでは、一時間でも付き合ったら、「失礼します」と断って帰る手もありだなと考えていたのですが、気が付いたらお昼を過ぎていました。そして、「途中だけど、ここらか降りても良いよ」との世話役の方の言葉で、後ろ髪を引かれる思いで用水路を後にしました。
私たちが今存在しているのは、人知れず、このような地道な努力を営々と積み重ねてきた先人たちの努力があったからなのだ、ということを、言葉ではなく、汗を流しつつ、仲間たちとの連帯の中で感じ取ることのできた4時間でした。
[2019/4/11 イライザ]
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Flex Galleryの2階にあるカフェは、先日の元安川さんのコメントでも書いた商業藝術の24/7 coffee&roaster ujinaですが、ランチもあるはずです。
先月も20代ばかりの長蛇の列に、平均年齢80歳くらいのブループで並び、90歳の女性が最も沢山注文しました。
投稿: 工場長 | 2019年6月 9日 (日) 22時43分
「工場長」様
コメント有り難う御座いました。
私が寄ったときは、行列はありませんでしたが、時間的な問題だったのだと思います。食事のメニューがあったのには気付きませんでしたので、次回はしっかり確認したいと思います。
投稿: イライザ | 2019年6月11日 (火) 01時08分