#コロンブス問題 (その2) ――#1992年 #江崎玲於奈筑波大学長 #入学式での式辞――
#コロンブス問題 (その2)
――#1992年 #江崎玲於奈筑波大学長 #入学式での式辞――
学長の式辞イメージ
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このシリーズでは、社会的影響力の大きい人やグループが、コロンブスについての長い間固定されてしまっていたイメージを広めるのは問題だという解説をしています。
今回は、1992年の筑波大学入学式で江崎玲於奈学長が、コロンブスを今回と同じような文脈でとらえた、式辞の内容を要約しておきます。
拙著『夜明けを待つ政治の季節に』(1993年、三省堂刊)からの引用です。
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江崎演説の内容
演説の内容について問題提起をするのだから、まず演説全文の趣旨を理解する必要がある。マスコミの報ずる数行を基に批判を行うことは、議論の仕方としては落第である。不十分かも知れないが、とりあえず筑波大学の雑誌っつくばスチューデンツ』に掲載された入学式の式辞を私なりに要約しておきたい。
江崎氏の式辞は、一口で言えば大学教育の意味を新入生に説明したものである。
入学式は「巣立ち」であり、大学ではこれから各自の「ブルー・プリント」(青写真)に従って人生の基盤を作ることになる。また人生の目的を見つけ自分の才能を見いだしそれを伸ばす所でもある。
入学の日はまた「船出の日」でもあり、五〇〇年前にスペインから船出をして新大陸を発見したコロンプブスのように、「たとえそれが誤った仮説てであろうとも、大胆にいろいろな試行をしてみることがなんらちかの報酬を得るという一つの教訓になる」。
また、近代科学は論理だけでなく、事実に基づいた証明を行う点に重大な意味があったのだが、コロンブスの新世界発見には「ヨーロッパが世界を制覇する歴史的根源」がこめられていた。
大学を出るまでには、独立した人間になってもらわなくてはならない。独立の人間とは「自分自身で価値判断のできる英知」を持つ人間である。今後の人類の平和と繁栄という視点から重要なのは、たとえば大学で教えられる固定されたプログラムに「疑問を持ち、あるときは拒否したり、あるいはそれを改善したプログラムを作成するというような努力」の結果、「卓越したプログラムが創造できるような人間」になり、「グローバルな視野でものごとを考え」られることである。
ここでの「プログラム」とは、コンピュータのソフトウェエアに相当するものであり、人間も動物もこの観点からちはソフトとハード両方を兼ね備えている。
長さ、そして語の具体性から判断すると、江崎学長が協調したかったことは、まず、創造的なプログラムを作ることの大切さ、そしてコロンブスの「新世界発見」から得られる教訓の二つ、ということになりそうである(もう一つ、「巣立ち」についてもかなり具体的な説明があるが、これは演説の枕の部分であり、主題とは関係が薄い)。
何故コロンブスなのか
私が違和感を持ったのは、主に二つの部分についてである。一つは、人間をコンピュータに引き比べて論じている点である。この点については、雑誌『世界』(1992年4月号)に掲載されたジョセフ・ワイゼンバウムMIT名誉教授の「イデオロギーとしての人工知能」を参照して頂くことにして割愛する。もう一つは、コロンブスである。
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次回は、違和感を持った二つの部分のうち、コロンブスについての説明です。
今日一日が皆さんにとって素晴らしい24時間になりますよう
[2024/6/17 人間イライザ]
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