#憲法より #民法を #優先する #最高裁 ―― #婚外子差別 には #5回も #合憲判決を出しています――
#憲法より #民法を #優先する #最高裁
―― #婚外子差別 には #5回も #合憲判決を出しています――
#2013年 に ようやく #違憲 になりました。その #理屈は #小学生にも分ります。
ブログ激励のために、上のバナーをクリックして下さい
前回のタイトルは分り難くなってしまいましたが、明治時代に作られた刑法をそのまま受け継ぐことが、新憲法の遵守より優先されていることを強調したかったのです。今回は、刑法だけではなく、最高裁は、民法も憲法より優先していることを指摘しておきましょう。
その例として、婚外子の人権が無視されてきたことを挙げておきましょう。同じ趣旨のことを4年前にも取り上げていますのでそこからの引用ですが、今回は『数学書として憲法を読む――前広島市長の憲法・天皇論――』の改訂版の一部としてどの活用するのかが目的ですので、再度お付き合い下さい。
前回は、1880年に原型、特に刑罰の概要が出来上がった刑法の価値観が、昭和23年の死刑についての最高裁判決のバックボーンであることを確認しました。何故、その姿勢が今でも貫き通されているのかを最終的には解明して、その対策を考えなくてはいけないのですが、今回はその前の段階として、民法も憲法より優先されていることを確認しておきましょう。
一つ注意しておくと、「旧民法」として知られている法律は、1898年に施行されています。新憲法の制定に従って、特に家族法の部分が大改正されていますので、改正後の法律を「民法」と呼びますが、ここで問題にしたいのは、改正されずに残ったところにこそ、刑法の優先と同じ価値観が残っていることです。それは、日本式の家族制度を優先するという考え方です。
日本式の家族制度を保存して行こうという考え方は、当然、民法の骨組みに使われています。たとえば、婚外子 (かつては非嫡出子と呼ばれた) は、相続に当って嫡出子の半分しか遺産を相続できないという差別的な民法900条があったのですが、これは新憲法施行の際には全く顧みられませんでした。
それから60年以上経って、2013年に、この規定が制定されてから115年振りにようやく削除されたのです。「家長」が妻以外の女性との間にもうけた子どもに対する家族の憎しみ等の感情もこの差別を助長していたのですが、「家長」は非難の対象にはならず、親を選べない子どもの人権が認められないという状態が戦後60年以上続いていたのです。
それだけではなく、婚外子の人権を守るために、何度か訴訟が起こされ、婚外子差別は違憲であるという主張が行われたにもかかわらず、そのたびに最高裁は、この差別は「合憲」だという判断を下していたのです。つまり、憲法より優先される価値や世界観が日本社会の動きを左右していたことが明らかに示されているのです。
1995年には、最高裁の大法廷が「合憲」判決を出し、その後、2000年、2003年、2004年、2009年と、頑なに5回も回を重ねて、差別を合憲だと言い張ってきたのです。
その理由は概ね次の通りです。
日本の婚姻制度は法律婚を建前としている。そして相続権のある子どもとは、その法律婚の中で生まれた子どもを意味することが当然である。しかしながら、婚外子の存在することも事実であり、法律婚を尊重する立場と、婚外子の権利を保護する立場を調整しなくてはならない。その結果が、相続額を「半分」にするということであり、その違いは「合理的理由のない差別」とは言えない――というものです。
それに対する反論はストレートで、誰にでも分ります。つまり、出生の事情は本人が全くコントロールできないことであり、それを理由に法的な差別の行われるのは、(差別を禁じている)憲法14条違反である。
死刑が違憲であることの「証明」と最高裁の判決の比較をした際にも同じ理由を掲げましたが、専門家がその権威に依って正当化することより、小学生が理解できて、その結果、説明することで納得できる事柄の方が真実である可能性は段違いに高いのです。
(ここで「小学生」にしたのは、知的な能力と発達段階を考慮して、論理的な議論のできる最低年齢はこのくらいかな、という意味での言葉です。詳しく条件化すると飛んでもない手間が掛かりますので。)
2024年も健康に留意しつつ、少しでも良い年にすべく頑張りましょう。
[2024/3/8 人間イライザ]
[お願い]
文章の下の《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。
« #昭和23年 #最高裁判決 は #刑法を受け継いでいる ―― #1880年 に #時を移して #考えると良く分ります―― | トップページ | #最高裁 は #最高法規 を #超えた存在か? ――#世論 が #憲法解釈 を #左右して良いのか?―― »
「言葉」カテゴリの記事
- #ハワイ大学での講義 ―― #反戦・反核がテーマです ―― (2025.01.27)
- #内灘闘争の歴史を学ぶ ――#JR総連中国地方協議会第38回定期委員会2部―― (2024.10.06)
- #式典から排除 の #基準は何ですか? ――#誰の基準か #何が目的か―― (2024.09.01)
- #駐日大使 の #式典招待は ――#知って貰うため #友達になって貰うため―― (2024.08.31)
- #当事者意識は #なぜ広がらないのか ――#同級生の投票行動から考える・第9回―― (2024.08.20)
「憲法」カテゴリの記事
- #袴田巌さん #再審無罪 ――#60年近くの闘い―― (2024.09.26)
- #ヒロシマの使命を #再確認しておこう ――#その時々の流れに押し潰されないように―― (2024.08.29)
- #政府の #愚民化政策が大問題 ――#同級生の投票行動から考える・第13回―― (2024.08.28)
- #原水禁 #国際シンポジウム ――#2045ビジョン と #NoFirstUse #提案しました―― (2024.08.09)
- #伊藤塾の伊藤真塾長にお会いしてきました ――#伊藤塾 #法学館 ともに #未来の司法を担う #若者の育成をしています―― (2024.07.21)
「死刑」カテゴリの記事
- #最高裁 は #最高法規 を #超えた存在か? ――#世論 が #憲法解釈 を #左右して良いのか?―― (2024.03.09)
- #憲法より #民法を #優先する #最高裁 ―― #婚外子差別 には #5回も #合憲判決を出しています―― (2024.03.08)
- #昭和23年 #最高裁判決 は #刑法を受け継いでいる ―― #1880年 に #時を移して #考えると良く分ります―― (2024.03.07)
- #京都地裁 は #嘱託殺人 との #判決 ―― #憲法12条 や #憲法27条 とも #関係があります―― (2024.03.06)
- #説明なしに #死刑 が #合憲 だと #断定して良いのか? ――#98条 の #最高法規 が #決定権 を持ちます―― (2024.02.18)
「人権」カテゴリの記事
- #人のふり見て我がふり直せ ―― #トランプ就任演説の使い方 ―― (2025.01.24)
- #原水禁 #国際シンポジウム ――#2045ビジョン と #NoFirstUse #提案しました―― (2024.08.09)
- #伊藤塾の伊藤真塾長にお会いしてきました ――#伊藤塾 #法学館 ともに #未来の司法を担う #若者の育成をしています―― (2024.07.21)
- #コロンブス問題 (その5) ――#板坂元氏の #無知論―― (2024.06.20)
- (ほぼ) #自民党政治家 の #女性蔑視発言 #人権無視発言 #リスト ――#ポリタスTV・津田大介リポート を #見て下さい―― (2024.05.24)
« #昭和23年 #最高裁判決 は #刑法を受け継いでいる ―― #1880年 に #時を移して #考えると良く分ります―― | トップページ | #最高裁 は #最高法規 を #超えた存在か? ――#世論 が #憲法解釈 を #左右して良いのか?―― »
コメント