#残虐ではない #死刑 とは? ――#最高裁判決 には #説明 が #ありません――
#残虐ではない #死刑 とは?
――#最高裁判決 には #説明 が #ありません――
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今お届けしているシリーズでは、2019年に法政大学出版局から上梓して頂いた『数学書として憲法を読む――前広島市長の憲法・天皇論――』 (旧著と略します) の中身を簡単に紹介した上で、出版後に私が積み重ねたさらなる思考の一端を披露しています。
その中には、内容としては旧著に含まれているのですが、2019年当時の説明をより分り易く改善した部分もありますので、それも御披露しています。
中でも、我が国の憲法解釈では「合憲」にされている死刑制度は重要です。2月4日から数回に分けて論じていますが、お暇な時にそちらも御覧頂ければ幸いです。第一回目のリンクを貼り付けておきます。
今回は第8回目ですが、昭和23年の最高裁判決の後段に注目しています。
以下、今日のブログで一番大切なところです。この「後段」を以下掲げますので、注意深く読んで下さい。
弁護人は,憲法第36条が残虐な刑罰を絶対に禁ずる旨を定めているのを根拠として,刑法死刑の規定は憲法違反だと主張するのである。しかし死刑は,冒頭にも述べたようにまさに窮極の刑罰であり,また冷厳な刑罰ではあるが,④刑罰としての死刑そのものが,一般に直ちに同条にいわゆる残虐な刑罰に該当するとは考えられない。ただ死刑といえども,他の刑罰の場合におけると同様に,⑤その執行の方法等がその時代と環境とにおいて人道上の見地から一般に残虐性を有するものと認められる場合には,勿論これを残虐な刑罰といわねばならぬから,将来若し死刑について火あぶり,はりつけ,さらし首,釜ゆでの刑のごとき残虐な執行方法を定める法律が制定されたとするならば,その法律こそは,まさに憲法第36条に違反するものというべきである。前述のごとくであるから,死刑そのものをもつて残虐な刑罰と解し,刑法死刑の規定を憲法違反とする弁護人の論旨は,理由なきものといわねばならぬ。
さて、ここで引っ掛かるのは「前述のごとくであるから,死刑そのものをもつて残虐な刑罰と解し,刑法死刑の規定を憲法違反とする弁護人の論旨は,理由なきものといわねばならぬ。」です。
つまり、この段落の前半の部分で述べたことから、「死刑そのものを残虐な刑罰」だと考えたり、「死刑の規定を憲法違反」だと主張する弁護人の論旨は「理由なきもの」だと言っています。
しかし、もう一度この段落を読んで下さい。確かに、火あぶり等、残虐な死刑執行事例は挙げられています。でも、死刑そのものが「残虐ではない」のはなぜかという理由はどこにも述べられていないのです。また、死刑が憲法に違反しないという理由も、この後段にも述べられていません。
これまで取り上げてきた最高裁判決の前段では「公共の福祉に反しない限り」という必要条件が述べられていることだけを理由に、死刑は「予想されている」と述べ、後段では、何の理由も示さずに、死刑が憲法違反だという論旨は「理由なきもの」だと断定しています。
つまり、最高裁の判決では、理由を示さずに死刑が合憲だと主張しているに過ぎないのです。次回、これをもう一度整理しておきましょう。
[続きます]
2024年も健康に留意しつつ、少しでも良い年にすべく頑張りましょう。
[2024/2/13 人間イライザ]
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