大阪での講演会報告です ――前向きな質問と発言ばかりでした――
大阪での講演会報告です
――前向きな質問と発言ばかりでした――
G7広島サミットとは対照的だった2008年のG8下院議長会議の一行
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加藤友三郎没後100年記念シンポジウムが成功裡に終り、9月9日の午後2時から、大阪の北区天神橋3丁目にあるPLP会館での講演会も終了しました。テーマは、「弄ばれたヒロシマ 前広島市長から見た「G7広島サミット」について」です。
講演内容は、一コマずつという感じで今後、問題提起をして行きますが、今年のG7広島サミットとを考える上で、問題点がはっきりするのは、2008年に開かれたG8下院議長会議と対比することだと思います。これも、問題提起の中で指摘する積りですが、慰霊碑前の写真が示しているのは、下院議長さんたちが、被爆者に向き合ってくれたことです。慰霊の気持を示すだけでなく、今後自分たちがどのように行動を取るのか、慰霊碑に向かった決意を示しています。
今日は会場からの質問や発言を要約しておきます。講演の後の質疑の時間は短くて消化不良になることが多いのですが、今回は実のある内容の発言が多く、勇気付けられました。またその後の小規模の情報交換会でも、元気の出るコメントを沢山頂き、とても嬉しい一日になりました。
主催は、憲法9条--世界へ未来へ近畿地方連絡会(9条連・近畿)です。連絡会の皆さんとはもう10年来のお付き合いになりますが、それ以来、何度も御一緒させて頂いている方々ができるほど考え方の似ている存在です。
最初の質問は、1979年から始まった、いわゆる「アキバ・プロジェクト」で広島・長崎を取材した記者たちのその後についてでした。広島国際文化財団が主催してくれることになったこの事業は、海外のローカル・メディアの記者を広島と長崎に招請して、被爆者その他の関係者に会って貰い、自分たちの目で見た広島・長崎を報告して貰うことが目的でした。始まったのが40年も前ですし、10年で一応終止符を打ったのですが、日本で言えば「原爆記者」のような仕事をしてくれた人も出ましたし、その後、教育者として活躍した人、平和活動を中心に頑張った人等々、いろいろな人生を送っている人たちですが、残念なことに時間の経過とともに絆は細くなっています。
ただ、最近のアメリカの動きからは、こうした視点からアメリカのメディアに働き掛ける必要性が増してきたような気がしています。その点については稿を改めて報告します。
また、長い間、核兵器廃絶の運動をしてきているが、日本政府が広島・長崎への原爆投下を国際法違反ではないと主張していることは初めて知った、という驚きの言葉もありました。そうなのです。まさか日本政府が原爆投下を「合法」だと考えているなどと想像だにできない人がほとんどだと思います。
でも、日本政府は原爆投下は国際法違反ではない、と言い続けているのです。つまり、合法だと言っているのです。この点が一番ハッキリするのは、1945年8月10に、日本政府がスイスの大使館を通してアメリカに送った、「原爆投下は国際法違反だ」という抗議文と、それを覆した1963年の下田判決の際の日本政府の言い分を対比することです。
幸いなことに、今回はかなり詳しいレジュメを作り、一番最後に、資料としてこの対比を掲げておきましたので、それをしっかり読み込んで頂くことで、さらに理解が深まるはずです。この対比も近い内に、このブログにアップしておきます。
もう一点、とても重要な指摘がありました。それと同じ趣旨のメールをアメリカの親しい友人からも貰っていましたので、ことによると世界的にもこの考え方は広まりつつあるのかもしれません。それは、戦争そのものの違法性を共有して、戦争を違法化していこうという考え方です。
ウクライナで、そしてウクライナ戦争を口実にロシアが核兵器を使うことは決して許されることではありません。ロシアだけではなく、その他のどこかの国が核兵器を使ったとしても許されることではありません。そして核兵器禁止条約は核兵器の違法性を国際法上認める、世界的な合意を示しています。
半面、ウクライナでの戦争は続き、その他の複数の場所では、通常兵器を使った戦争があたかも合法的な手段であるかの如く扱われ、メディアも世界の世論もそれに対する反応は鈍いのではないか。戦争そのものが許されない、つまり戦争そのものを非合法化しなくてはならないのではないか、という問題提起でした。
その通りです。またこの点については近い内に、アメリカの友人とともに行動を起せるかもしれません。
その他の発言や質問については、近い内にアップします。
最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!
[2023/9/13 人間イライザ]
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