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2023年5月23日 (火)

「ヒロシマ」を弄んだG7広島サミット ――「核廃絶」という「目標」達成のため再度決意しましょう――

「ヒロシマ」を弄んだG7広島サミット

――「核廃絶」という「目標」達成のため再度決意しましょう――

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岸田総理は「G7広島サミットは成功だった」と自画自賛していますし、マスコミの論調も一部の批判はありますが、今一です。成功の反対の「失敗」というのも、G7主催者側の視点での評価ですから、私たちがこんなことを言ってはいけません。私たちの感覚で一番近いのは「「ヒロシマ」が弄ばれた」ではないでしょうか。

「弄ばれた」実態を一つ一つ挙げて、それが事実なのだと納得して貰いたいのですが、スペースもありませんし、これからの活動計画を立てて行く中でも明らかになりますので、一つ二つに限って指摘しておきましょう。

一つは、昨日も指摘したように19日に公表された、「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」 (略して「広島ビジョン」と呼びます) の中の言葉、そして使われなかった言葉です。

「我々は原子爆弾投下の結果、広島や長崎の人々が経験したかつてない壊滅と極めて甚大な非人間的な苦難を長崎とともに想起させる広島に集った。」を再度読んでみて下さい。ごちゃごちゃしていますので、「長崎」の部分を割愛してみましょう。

「我々は原子爆弾投下の結果、広島や長崎の人々が経験したかつてない壊滅と極めて甚大な非人間的な苦難を想起させる広島に集った。」です。

「我々は、原子爆弾の結果、人類がかつて経験したことのない壊滅と極めて甚大な非人間的な苦難を受けた広島に集った」の方が事実に即していますし、意味は明快です。

もう少し短い例で比較してみましょう。皆さんが、卒業したことを誇りに思っている学校についてどう紹介しますか? 「私が卒業したことを想起させる学校です」と言いますか、それとも「私が卒業した学校です」でしょうか。

「被害を受けた」という表現を避けて、被害を「想起させる」土地として広島を位置付けたのです。アメリカへの忖度かもしれませんが、実際にその被害を受けた被爆者や、都市としての広島に対して大変失礼な言い方ではありませんか。

仮にアメリカがこのような表現を求めたとしても、「被爆地出身の総理大臣」なら、あるいは広島市長なら、「この点は譲れない」と主張すべきなのではないでしょうか。あるいは主張したけれども、拒否されたのでしょうか。

二点目は、「被爆者」という言葉が使われていないことです。それぞれの国内での反応が心配だから、首脳一人一人が小倉桂子さんの体験談にどう反応したのかは、仮に書かないことにしたとしても、「本サミットは岸田総理の強い要請により被爆者小倉桂子さんとの対話から始まった」と書くことは出来たのではないでしょうか。客観的な記述ですし、もし、アメリカの保守的な人たちからの批判が出て来たとしても、被爆者が存在することは事実なのですから、そこはバイデン大統領が事実として説明すべきところです。

それに、小倉さんがテレビのインタビューに笑顔で答えて、首脳たちに向かって思わず、「夢が叶った」と言ったことを加えれば、被爆者がバイデン大統領やアメリカという国を憎んではいない、敵意を持っていないことまで伝わるのですから、これだけでも多くのアメリカ人の心を開かせるための一言になります。

そして他の国々の人々にも、これからの世界平和を築く上での出発点としてこれ以上相応しい言葉はないほどの価値があったはずです。加えて、首脳の皆さんには「Thank you for coming.」と「Welcome to Hiroshima!」とおっしゃったとのことですので、それを付け加えても良かったかもしれません。

その他に、「広島ビジョン」の中での問題を三つ加えておくと、

  • 「核兵器禁止条約」という国際法上効力を持つ条約に全く触れていない。
  • 「広島」で、「核兵器の先制不使用」に触れていない。
  • 「広島」で、核抑止論の強化を主張している。

どの点も重要ですので、数回に分けて一つずつ説明しますが、今回はもう一つ、別の問題点を取り上げます。「語るに落ちた」の典型例になりますが、岸田総理と日本政府、特に外務省の本音が出てしまった点です。

各紙が取り上げていますが、21日午後2時過ぎ平和公園で記者会見を開いた岸田総理の言葉です。

「核兵器のない世界という理想に向けた基礎を確保し、核軍縮に向けた国際社会の機運をいま一度高めることができた」そして最後に、「夢想と理想は違います。理想には手が届くのです。我々の子どもたち、孫たち、子孫たちが、核兵器のない地球に暮らす理想に向かって、ここ広島から、今日から一人ひとりが広島の市民として一歩一歩、現実的な歩みを進めていきましょう」

ここで問題なのは「理想」の使い方です。日本政府は長い間、核兵器の廃絶を「核兵器の廃絶を究極的目標とする」という形で表現してきました。「究極的」というと難しい言葉ですので誤魔化されることが多いのですが、感覚的には「ずっと先」という意味です。「突き詰めて行くとそこに行き着く」という意味ですから、突き詰めないと永遠に到達できない場所です。日本政府は、努力もせずに「究極的目標」と言い続けてきたのですから、これを別の言葉で言うと「夢想」になります。

岸田総理の記者会見では、自らこれまで言い続けた「夢想」を否定して「理想」にしたのですが、それこそ、より実態に使い言葉になったとも考えられます。「Investigate Blog」(https://g2015graman.top/archives/19344.html) による、分り易い説明がありますのでお読み下さい。

それが最もよいと思う状態が「理想」。

ただ「思う」ことであり、実現しようとすることではありません。
 
 
ある物事をする時に目指して進んで行く目印が「目標」。

「目標」は、そこを目指して進もうという意識をしなくてはいけません。
 

岸田さんにとって、核兵器のない世界は「思う」ことであり、実現しようとすることではないという位置付けがハッキリ分って頂けたでしょうか。

今回のG7サミットがこんな結果になることは、事前に予測できたのではなかったか、というお叱りを受けると思いますが、その予測は当然していました。それを元に、日本政府と岸田総理にいくつもの提案をし、それでもギリギリになって、居ても立っても居られない思いで、「岸田さん、資料館の出口で「これで核は使えなくなりましたね」と念を押して下さい」と促すことにしました。そこに至る経緯も、何回かに分けて説明します。続きも是非御覧下さい。

G7広島サミットは21日午後に閉幕しましたので、Change.orgでのG7に期間を絞った署名キャンペーンも閉じたいと考えています。御協力下さった皆様への説明と御礼の一環として、第一回のこの稿を投稿します。しかし、「「核兵器を使わない」と、直ちに宣言して下さい!」キャンペーンは続けます。

 

そして皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう祈っています!

 [2023/5/23 人間イライザ]

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