なぜ岸田総理は、広島サミットでもう一歩前に踏み出さなくてはならないのか ――これまでの「積み重ね」を「無」にしてはならないから――
なぜ岸田総理は、広島サミットでもう一歩前に踏み出さなくてはならないのか
――これまでの「積み重ね」を「無」にしてはならないから――
高橋昭博元資料館長の被爆体験を聴くG8下院議長たち(2008年)
このブログでは、このところ毎日、G7広島サミットの最初の時点で、「ヒロシマ」の代弁者としての岸田総理が勇気を持って行動できるよう二つの提案を掲げ続けています。その二つは、
① 一つは、G7の首脳たちを、岸田さん自ら資料館に先導し自分の言葉で被爆の実相と被爆者のメッセージを伝えること。
② もう一つは、資料館の出口で首脳たちに立ち止まって貰い、一言はっきりと、「これで核は使えなくなりましたね」と念押しをすること。
(続いて、被爆者の体験をG7首脳全員で傾聴することは言うまでもありません。)
なぜこんな提案をしているのか、今回は、岸田総理そして外務省が公式に今回のサミットの基本的考え方だと述べている「ヒロシマ・アクション・プラン」や昨年11月のG20で採択されたバリ宣言等と比較して考えておきましょう。
「ヒロシマ・アクション・プラン」は、昨年8月1日にニューヨークで開かれた国連の第10回NPT再検討会議で公表されたもので、その中で、今回のサミットや昨年のG20と関連する部分は次の通りです。
「核兵器不使用の継続の重要性を共有すべきであることを訴えます」
加えて、透明性の向上や核兵器数減少傾向の維持、CTBTやFMCTといった条約についての議論の復活等に触れていますが、基本的なのは引用部分です。
持って回った言い方で真意が分り難いのですが、これまでの日本政府や外務省の言葉の使い方から判断すると、とんでもない内容である可能性も否定できません。その点についての警告は、すでに何度か出しているのですが、本ブログの昨年8月3日の「勉強してから出席すべきだったNPT再検討会議」、8月6日の「8月6日に総理(市長)がすべきだったこと」、今年2月15日の「G7広島サミットについて岸田総理に申し入れをしてきました」等を再度お読み頂けると幸甚です。
次に、昨年11月にインドネシアのバリ島で開かれたG20で採択された「バリ宣言」の関連部分を引用しあおきます。上記、2月15日のブログでも取り上げています。
「核兵器の使用と核を使用すると脅迫することは容認できない」
普通の読み方をした場合、この二つの内、どちらがより踏み込んでいるのかを判断するのは難しいのですが、G20の宣言で重要なのは、この部分も含めて署名している首脳の内、G7の7か国の首脳、とEUのトップ、そして招待国の中の、インド、インドネシア、オーストラリア、韓国、ブラジルの5か国首脳も署名しているという事実です。加えて、中国とロシア(ロシアは外相ですが)も署名しています。
となると、今回の広島サミットでも、最低限「核兵器の使用と核を使用すると脅迫することは容認できない」という内容を再度確認する必要があります。辛抱強い積み重ねが、未来への希望を創り出すのです。
それが最低限、広島を背負う総理大臣として達成しなくてはならないことなのですが、逆に、これも「空文」の一種なのかもしれないという危惧さえあるのです。ロシアがウクライナに侵攻し、核を使う可能性を仄めかして世界に脅しを掛けたのは昨年2月24日でしたが、それより1月半前の1月3日には核保有5か国が、共同声明を出しています。その中の一節は、「5か国は、それぞれの国の保有する核兵器が相手国に対して、また他のどの国に対しても向けられていないことを再確認した」という文言があるのです。
そして、2月24日のロシアの脅しに対して、他の4か国は、共同声明違反だという抗議さえ行っていないのです。それは、この共同声明は、「空文」であって、守らなくても良いという共通理解が最初からあったからだ、という解釈さえ付けられるではありませんか。
この点については、昨年2月27日の「プーチン大統領への抗議文」を御覧下さい。
そうでないとしても、この共同声明はロシアの侵攻によって「空文」になりました。行動が伴わない言葉の弱さを示していると考えられるのです。G20によるバリ宣言を空文にしないためには、広島での行動が一番効果的です。それが、冒頭にも再録した岸田総理の行動と言葉です。
そして、資料館視察直後に、岸田総理のこの言葉に反論できる人はいないはずです。
そのためのChange.org署名キャンペーンを続けています。
Change.orgのサイトは、左の下線部分化次行のリンクをクリックして下さい。そして署名をお願いします。
https://www.change.org/NowYouCannotUseNW
そして皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう祈っています!
[2023/5/14 人間イライザ]
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