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2023年5月28日 (日)

広島で被爆者を裏切ってはいけない (6) ――「ヒロシマ」が核抑止論にお墨付きを与える?――

広島で被爆者を裏切ってはいけない (6)

――「ヒロシマ」が核抑止論にお墨付きを与える?――

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折り鶴

 

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2022年8月1日のNPT再検討会議で岸田総理は「ヒロシマ・アクション・プラン」を披露し、NPTこそ、その「原点」だと強調しました。5月19日の「首脳広島ビジョン」では、「原点」ではなく、「礎石」に代っていましたが、意味は変わりません。念のため、「アクション・プラン」の冒頭部分を再度掲げます。

「被爆地広島出身の総理大臣として、いかに道のりが厳しいものであったとしても、「核兵器のない世界」に向け、現実的な歩みを一歩ずつ進めていかなくてはならないと考えます。そして、その原点こそがNPTなのです。」 

目的は、核抑止論を正当化するだけではなく、それこそ、「現実的な」政策であり、今後も堅持されなくてはならいという主張のためです。その理由は、NPTが核保有国の利害関係を守るための手段に貶められ、「三本柱」と呼ばれてきた三つの原則は実質的に二つになってしまっているからです。三本柱とは、

  • 全面的かつ完全な核軍縮が、厳重かつ効果的な国際管理の下に行われることになるような条約締結のために誠実な交渉を行うこと
  • 米・英・ロ・仏・中以外の国に核兵器を拡散させないようにすること。
  • 原子力の平和利用は推進すること。

この内の第一の柱は、NPTの第6条です。その意味は、分り易く言えば、核兵器禁止条約のような条約を作りなさい、ということなのですが、核保有国はこの6条を全く無視し続けてきました。核兵器禁止条約が、「ヒロシマ・アクション・プラン」の中にも「G7首脳広島ビジョン」の中にも使われていないのは、そのためです。と言うことは、NPTとは、安保理の常任理事国である5つの核保有国が核兵器を持つことは認め、その継続を前提として、その他の国々が核兵器を所有することは認めず、原発は推進するという内容の条約です。

原発の推進は、別建てで論じますが、NPTとは、核保有国の核を正当化し、その体制を持続する上での「法的正当性」を主張するための道具にされてしまっているのです。

「その原点がNPTなのです」の後に続くのは、「NPTは、軍縮・不拡散体制の礎石として、国際社会の平和と安全の維持をもたらしてきました。NPT体制を維持・強化することは、国際社会全体にとっての利益です」なのですが、それと、「ヒロシマ・アクション・プラン」の第一の基礎として挙げられている命題は同じことを述べています。

「核兵器不使用の継続の重要性を共有すべきであることを訴えます」

ロシアによる脅しは非難していますが、その裏では、その他の国についての言及はないのですから、ロシアは使うことも脅しもダメ、他の核保有国はどちらもできる、という主張なのだと考えても矛盾ではありません。実際、その通りなのだという説明は、ここでは省きます。

これほどあからさまに、核保有の正当化と、核抑止論の効果、そして、それが世界平和のためになっている、だからその体制を保持するのが正しいと言われると、それが、2023年5月のG7広島サミットのテーマであることも見えてきます。

それ以上に問題なのは、「被爆地広島出身の総理大臣」を強調し、演説中には「被爆者」という言葉は一切使わなかったにもかかわらず、演壇から折り鶴を指示して、あたかも「ヒロシマ・アクション・プラン」が被爆者の思いそのものであるかのような印象を与える演出をしていることです。

G7サミットを広島で開く目的は、「ヒロシマ」がこうした主張にお墨付きを与えているのだ、という印象作りではないのかと思われても仕方がありません。

事実、5月21日に終ったG7広島サミットではその通りのことが行われたのですが、昨年秋の時点では、まだ一縷の望みがありました。それは、11月にバリで開かれたG20サミットです。長くなりましたので、この項は次回に。

 

「「核兵器を使わない」と、直ちに宣言して下さい!」キャンペーンは続けます。

 

そして皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう祈っています!

 [2023/5/28 人間イライザ]

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