G8下院議長会議 (2008年) を超えるG7サミットに ――広島出身総理大臣の責任――
G8下院議長会議 (2008年) を超えるG7サミットに
――広島出身総理大臣の責任――
G7広島サミットが近付いてきました。核保有国の首脳3人も含めて、世界的に大きな影響力を持つ政治家が広島を訪れるのですから、その機会を活かして貰いたいと願うのは人情でしょう。出席者たちが「ヒロシマの心」をより深く理解し、核廃絶と世界平和実現のために大胆な舵を切る機会になることを祈っています。
私がこう考えるのにはいくつかの理由があるのですが、その内の三つについて簡単にお話ししたいと思います。特に若い世代の人たちに、私たち世代がどんな経験をしてきたのか、その結果としてどんなことを学んできたのかを理解して頂ければ幸せです。
一つ目は、私の知り合いの外国人で (日本人の場合もそうなのですが)、初めて広島を訪問して感動しなかった人は皆無だという事実です。「広島に来て人生が変わった」と言ってくれた人も何人もいます。広島には、そんな力があるのです。被爆体験を要とする被爆の実相と被爆者のメッセージがあるからです。だからこそ、どんなきっかけで広島に来るにせよ、全ての人に広島に来て貰えるよう努力するのが私(たち)の仕事だと言い切れます。
二つ目。核廃絶は大きな目標です。同時に私たち一人一人の力は限られています。知的レベルで理解できる「世界」も無限ではありません。となると、私たち一人一人の限られた守備範囲で実現可能な目標を立て、その実現のための有限の工程表を作ることが合理的です。自分自身の目標達成のための努力の達成度も、世界全体の達成度も、思うようにはいかないこともありますので、柔軟な目標の微調整も必要です。そして成功事例を共有しながら、新たなエネルギーを創り出すことも大切です。
三つ目。そんな事例の一つが2008年のG8下院議長会議でした。当時の衆議院議長だった河野洋平さんの肝煎りで始まった会議でしたが、今回のG7広島サミットの良いお手本になっています。慰霊碑に献花した後の下院議長さんたちは、自然に慰霊碑に向かって立ち、自分たちの決意を被爆者たちの霊前で新たにしました。資料館の視察には、当時の前田耕一郎館長、平和文センターのスティーブン・リーパー理事長、そして私が付き添い、一時間近くもの間、丁寧に実相に触れて貰いました。その後、10分という短い時間ではありましたが、元資料館長の高橋昭博さんの被爆証言を聴いて貰いました。
アメリカのナンシー・ペロシ下院議長は、その後高橋さんの手を握って「Mr. Takahashi, you are beautiful.」と賛辞を送りました。
さらには、教皇ヨハネ・パウロ2世のスピーチ (1981年に広島を訪れ感動的な言葉で「ヒロシマ」のメッセージを伝えてくれた) をアメリカに広めることが大切だからと、スピーチのコピーを欲しいと言ってくれました。
こんなことが起きたのは、河野洋平議長の広島への思いの強さが元になっていますが、広島市としても全力で努力をした結果です。
一地方都市でも、これくらいのことは実現できるのです。広島出身(と御本人も強調されているのですから)の総理大臣なら、これを超える、そして世界が感動するようなG7広島サミットにすることは可能です。それを期待し、岸田総理に「勇気」を持てと後押しをするのは、市民の側の責任かも知れません。
そして皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう祈っています!
[2023/5/5 人間イライザ]
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