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2023年2月23日 (木)

集団自決や集団切腹のリアルな記憶を大切に ――成田悠輔氏の持論への違和感――

集団自決や集団切腹のリアルな記憶を大切に

――成田悠輔氏の持論への違和感――

Cenotaph_at_banzai_cliff

サイパンの「バンザイクリフ」周辺の慰霊碑と供養塔 Wikiwandから

https://www.wikiwand.com/ja/%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%95

成田悠輔氏が持論として開陳しているのが、「高齢化し老害化しないために『人は適切な時期に”切腹”すべし』」(201929日、グロービスが主催した社会保障制度改革のパネル討論)であり、「結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなのしかないんじゃないか。僕はこれを大真面目に言っていて、やっぱり人間は引き際が重要だと思う。別に物理的な切腹ではなくて、社会的な切腹でもいい。過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤーで多すぎる。これがこの国の明らかな問題だ」(20211217日放送の『ABEMA Prime』)なのです。

それぞれの引用は、孫引きですが、Wikiwandの成田悠輔のエントリーからです。

Wikiwandの記述は、十分に詳しくかつ上手にまとめてありますので、短時間で全体像をかなり具体的に把握できます。その中の「「集団自決」発言と騒動」という項目の中、2022年のリスト中には次の一節があります。

「2022年の元日、YouTubeチャンネル「日経テレ東経済学」での西村博之との生配信中に、成田は「(集団自決は)まったくメタファーではなくて、三島由紀夫とかリアルにそういうことをやって、しかもそれが日本人の死に様の1つの象徴みたいな感じで。」

つまり、成田氏にとって「集団自決」は「メタファーではなくて」、三島由紀夫にまで言及していますので、実際に自分で自分の命を終らせる行動を取れと言っているのです。しかしながら、2月28日になると、それが「メタファー」になってしまいます。

切腹自決は議論のためのメタファーで、肉体的なものだけでなく、社会的・文化的なものも含めた色々な形があり得ます」

言っていることが矛盾していて、何を言いたいのかが定かではありません。これ以上、相手にしなくても良いのかもしれませんが、子どもたちに誤った情報を「吹き込む」ことは許せません。

『YAHOO!JAPANニュース』2月21日号に掲載されている『女性自身』の記事から引用すると、

「生徒の質問に成田さんは、“老人は自害しろとは言ったことがないけど、切腹が社会保障改革への最短経路と言ったことはある”と説明していました。ですが、これまでの成田さんの発言を元に質問した生徒は、やや困惑している様子でした。

成田氏は「自決」とは言っているけれど「自害」とは言っていない、というすり替えをしたかったのでしょうか。そうとでも解釈しない限り、訳は分らないのですが、一流学者の言葉を素直に読み取った子どもへの責任くらい果す義務はあるはずです。

そして、「一定の年齢になると、その人が崖の上に上がっていって、飛び降りるのが風習になっている架空の村」の話をするのですが、「崖から飛び降りる」そして、「集団自決」というイメージを重ねると、私たちの世代には、サイパンの「バンザイクリフ」が頭に浮かびます。

米兵の投降勧告や説得に応じず、80メートル下の海に身を投じて「集団自決」した日本兵や民間人たちの最期の地です。そして、沖縄でも同じ悲劇が繰り返されていたことも、私たちは忘れられないのです。まさか、それが理由で私たち高齢者に「集団自決」をしろと言っているのではないでしょうね。

そして、「集団切腹」の典型的な例が赤穂浪士の討ち入り後の切腹でしょう。「忠臣蔵」として暮にはテレビの大型番組が必ず組まれていた「美談」ですが、司法制度の不備と封建制度という非人間的な体制によって多くの命が失われた悲劇としても記憶しておかなくてはならない事件です。

さらには、最近の「集団強盗」まで、連想が続きます。

「天才」「気鋭の」等々、多彩な形容詞の付く、しかも数十万のフォロワーがいるSNS上のスターの言葉を信じる人たちの方が圧倒的に多いでしょうし、これだけ何度も繰り返され、その通奏低音は変わらなくても、「メタファー」だったりそうでなくなったりと、情報操作に揺さぶられつつ何時の間にか洗脳されてしまう人がいてもおかしくはありません。

届く範囲は限られていても、せめて歴史上の悲劇は忘れずに、その時々に大いなる痛みを抱いて生き亡くなった方々に思いを馳せつつ、私たちは人間であり続けることを肝に銘じたいと願っています。

 

それでは皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!

 [2022/2/23 イライザ]

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