成田発言のおぞましさ検証 ――立ち止まって考え始めたら、怒りで震えが止まらなくなりました――
成田発言のおぞましさ検証
――立ち止まって考え始めたら、怒りで震えが止まらなくなりました――
By Diliff
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Palace_of_Westminster,_London_-_Feb_2007.jpg
成田悠輔氏の持論について、「酷いことを言う」と感じていたのですが、私の違和感を整理してみようと、ちょっと真面目に考え始めたのですが、あまりの恐ろしさに怒りで震えが止まらなくなりました。その全てをいっぺんに出し尽くすのは無理ですので、毎日少しずつ書き溜めて行きたいと思います。
とは言え3月4日にはロンドンでスピーチをしなくてはなりません。昨年2月24日のロシアのウクライナ侵攻と核使用の脅しから一年、「ヒロシマ」への期待にどう応えるのかもその一部にしたいと考えています。そのためには、皆さんのお知恵も拝借しなくてはなりません。
とにかく、しなくてはならないことが多く、時間は限られています。このブログもごく短くなる日もあるでしょうし、ツイッターだけの日もあり等、不規則な形になります。
さて、「集団自決」とは何を意味するのかを考えたいのですが、これで本当に高齢化の問題が解決するのでしょうか。
成田氏は、老人が自動でいなくなるシステムの可能性の一例としてある映画の紹介をしています。それも小学生を相手にです。
「みんな生まれた時に腕にタイマーが埋め込まれていて、何十年か経つとタイマーが作動して自動的に亡くなるようになっている。みんな等しく、寿命の上限が与えられていて、その時間になったら亡くなるっていうのが埋め込まれている社会」
(『YAHOO!JAPANニュース』2月21日号に掲載されている『女性自身』の記事)
こんなシステムが仮にできたとして、何時から始めるのでしょうか。例えば20xx年の一月一日からだとして、そんな人生を我が子に歩ませたくないと考える親は多いでしょうから、その日からの出産がほぼゼロになってもおかしくはないですね。
そして、このシステムは少子高齢化社会を変えるためという目的があるようなのですが、ますます少子化が進む結果になります。
さらに、仮にこのシステムが70歳を「寿命の上限」だと設定していたとして、その70年の一年前に69歳を迎えた人たち、その人たちが仮に100万人いたとして、それからの一年間を平穏の内に過ごせるものなのでしょうか。悟りを啓く人もいるかもしれませんが、地獄の思いの一年になる人もいるでしょう。
またその「タイマー」がどんなものなのかは分りませんが、仮に腕に埋め込まれているとしたら、外国の病院で腕切除の手術を受けて生き続けようとする人が増えて来るかも知りません。その前に、「タイマー」を無力化できる機械、あるいはソフトウエアが開発されてもおかしくはありません。
それを封じるために巨額の投資をするというような、無駄な行為があちこちで起きて来るでしょう。少し考えると、とても真面目に議論できる代物ではありません。そんなことを子どもに吹き込む代りに、社会改革に役立つ検討すべき案件は五万とあるではありませんか。なぜ、そちらに良い頭が回らないのでしょうか。
それでは皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!
[2022/2/24 イライザ]
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