似非(えせ)日本語を追放せよ!
似非(えせ)日本語を追放せよ!
昨日のブログで主張した、「説明責任」という言葉を追放せよ、をもう少し一般化すると、「似非日本語を追放せよ」になります。
昨日のこのブログの記事を簡単に復習しておくと、政府が「説明責任」という言葉を使うのは、「責任を取る」という表現を避けるためです。そして「責任を取る」の意味は、辞任することや賠償することです。さらに、「説明責任」の意味も薄めて、何かゴニョゴニョと言葉を並べればそれが説明責任を果したことになる、という雰囲気を作ってしまった結果が今の政治です。
「説明責任」という言葉が出てきたら、「説明責任ではなく、責任を取ると言うべきだ」と直截に反駁しなくてはなりません。それが「説明責任を追放する」の意味です。
そして昨日は、「任命責任」を取らない方便として、またまたおかしな表現が飛び出してきました。岸田総理の言葉、「大臣が辞任したことについては、私自身の任命責任について重く受け止めております。」です。簡単に「任命責任を重く受けてめています」と表記しましょう。
何度も繰り返しますが、「責任」は与えられた側が果たさなくてはならない事柄を指しています。そして、憲法に縛られる公務員(国会議員は特別公務員です)の場合は、責任を果すことができなければ、辞任とか賠償といった形で「責任を取る」というのが順序なのです。
それを「受け止める」で誤魔化してはいますが、実質的には、「そんな責任は取らないよ」と突っぱねているのです。分り易い例で「受け止める」の意味を示しておくと、プロポーズをされた側が(前回のブログではBさんと言っています)、「受け止めました」と言って何もしなかったら、それは、プロポーズを拒否したことになります。
野球でも同じです。キャッチャーがボールを受け止めて、ボールを持ったまま何もしなければ、ゲームは止まってしまうことと同じです。受け止めた側が何か行動を取らなくてはならない状況なのに何もしないばかりか、それが全てであるかのように振る舞うことは日本語の常識としてはあり得ないのです。
つまり、「任命責任を重く受け止める」という表現は、日本語のように聞こえますが、日本語ではないのです。だから「似非日本語」なのです。これも「説明責任」同様、追放しなくてはならない言葉です。
そして、「任命責任」を回避するためのもう一つの「似非日本語」が、「出処進退は自ら判断」、あるいはそれに類した言い方です。河合案里議員について、または寺田元総務大臣の責任について等、問題があると誰かが必ず使うことになる表現です。しかし、憲法99条で憲法遵守義務を負っている公務員としては、憲法に照らして判断すべき案件を「私物化」することを許している表現であることに注目すると、一聞、日本語のように聞こえるかもしれませんが、実際には「似非日本語」です。
政治の世界では日常的に、「似非日本語」が製造され、それに従って醜い現実が生み出される傾向があります。日本語として意味のある言葉なのかどうか、私たち主権者が常にチェックをして、マスコミにも働き掛け、意味のある言葉による政治の復権を実現して行きましょう。
それでは今日一日が、皆様にとって素晴らしい24時間でありますように。
[2022/12/28 イライザ]
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